ある日の台北日記2024その5(2)潮州街で

昼ご飯でも食べようと歩きだす。金峰の魯肉飯も良かったが、行列は嫌いなので脇道に入る。そこには海鮮麺疙瘩と書かれており、興味を持って入ってみる。店は1時過ぎでもほぼ満員で驚く。やはり何となく麵を食べている人が多い。エビなど海鮮が入っており、何となくとろみがついたスープ。疙瘩とは中国語でできもののこと。小麦粉を団子状にして、スープに入れている。中国大陸ではスープを飲んだことはあるが、台湾では麺なのか。

そこから歩いて潮州街を目指す。潮州街、というぐらいだから潮州人がいるのだろうと思っていたが、道を歩いて行って、そんな雰囲気は感じられない。唯一あったのは、台北市潮州同郷会の看板。中に入ってみたが、誰もおらず、閉まっていて何も分からない。一説によれば、ここは戦後外省人としてやってきた潮州人の集まりらしい。

潮州街は意外と長い。ずっと行くと、ちょっと気になる建物が見えた。茶缶が見え、茶荘らしいと分かる。その茶缶には1837年の文字が見える(まるでシンガポールのTWGのようだ?)。どうしても知りたくなり入ってみる。やはり茶荘だったが、ちょうど整理中だったようだ。この茶荘の歴史については実は昨年Yさんから聞いていたことを思い出す。

確か日本時代に日本人と関係があったことを思い出して店員に聞いてみると、『西村商店です』というではないか。西村とはあの台湾森永の初代社長にもなった西村武士郎だった。彼が茶荘?もっと知りたくてオーナーと話したいと言ってみると、取り敢えずこれを読んで、と一冊の本を渡される。6代目オーナーが最近纏めたものらしい。まずはここから当たってみることにして、店を後にする。西村武士郎とお茶に関連があるのであれば、是非調べてみたい。

夜は最近近所に出来た健康弁当を食べてみる。確かに野菜が豊富、彩りも豊かでインスタ映えはする。きっと有機野菜などが使われていて健康にも良いのだろう。ただ私のような者には『ガツン』といった味感覚が無いと何となく寂しい。優しい味わい、というのが良いのだろうが、どうしても食べた気にならないというのが正直な感想だ。残念。

5月8日(水)大稲埕グルメ散歩

今朝はUさんとグルメ散歩第3弾。木柵、蘆州から一転、大稲埕へ行くことになる。待ち合わせ場所は前回と同じ大橋頭駅。そこを出ると私にも馴染みの街が広がっているのだが、市場の品物一つ見ても、Uさんの解説があると、何だか違うものに見えてくるから面白い。やはりポイントは、この料理はどこから来たのだろうか、ということだろうが、やはり台湾は複雑怪奇だ。

食堂に入る。Uさんが頼んでくれたのは、まさかの寿司と天ぷら。天ぷらは先日ももらって食べたように、甜不辣。よく味がしみ込んでいて、タレも抜群に旨い。そして食べ終わると店員に椀を差し出すとスープを入れてくれ、椀に付いているタレの味などを混ぜて飲む。これはいい。寿司は稲荷ずしだった。私は台湾で初めて食べるが、これは今の日本の物と大きくは違わない。日本時代の名残ではあろうが、ずっと残っているのは不思議だ。

時間があったので、新芳春の博物館に行ってみる。以前、といっても5年前に展示されていたものがあれば、写真を撮りたいと思っていたのだが、さすがに展示は大きく変わっていた。そして3階には上がれなくなっていて、展示自体もかなり縮小したらしい。日本時代の大稲埕地図を眺めて過ごす。

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