ある日の台北日記2024その3(4)蘆州の名物

蘆州の名物である切仔麵を食す。実にシンプルな麺とスープだが、これがなかなか良い。内臓系に生姜を合わせて食べると、朝から実にすっきりする。この店も100年は続いているらしい。100年前、この辺には南部から移民が増えていたのだろうか。午前9時過ぎてもお客が入れ替わりでやってくる。

蘆州といえば往時、包種茶に使う花の栽培が盛んだったと聞いているが、今は台北市郊外の住宅地という雰囲気で、花畑などは全く見られない。1960年代には消えていったらしい。近所を散歩すると、非常に大きな廟があり、その昔この地がかなり栄えていた証ではないかと思ってしまう。次回来る時はもう少し勉強してから来よう。

4月26日(金)李春生のご子孫と

本日は李春生のご子孫である李さんを訪ねて、お話を聞く。昨年は展示会の会場で詳しい話を聞いているのだが、やはり聞きたいことが出て来る。今回は李家とその他の台湾五代家族の関係など、なかなか分かり難い歴史を尋ねてみる。すると意外な事実が色々と分かってきて(李さんも最近知ったような歴史すらある)、何とも興味深い。また日本に移住した李家の子孫についても非常に勉強になる。

李さんは今や李春生研究の第一人者であるが、そのサポートをしている楊さんとも初めて会った。相当細かい文献なども読み込んでおり、今後出版などの計画もあるようだから、大いに期待したい。ただ残念ながらお茶と李春生についての歴史はどうやってもほぼ出て来ない。何とも不思議なことだが、『台湾茶業の父』なのに無い物はない。

李家をお暇すると時間があったので、数年ぶりに新純香に行ってみる。何だかお店もきれいになり、すっきりした印象がある。店主の王さんは相変わらず元気そうで、サクサクとお茶を淹れながら、今年のお茶の出来などについて日本語で説明してくれた。横で店のスタッフが聞き耳を立てており、お茶の試飲も常に行い、勉強に励んでいるのがすごい。

店には日本人客が何人も入って来て、サクッと試飲してどんどんお茶を買って出て行く。『今日あたりからゴールデンウイークのお客さんが増え始めた』と王さんは説明する。日本人が海外に出なくなったと言われて久しいが、台湾だけは特別のようで、まだ日本人観光客向け商売が僅かに成り立っている。

夕飯を食べに、懐かしい客家料理の店へ行った。7時に予約したと聞いていたが、案の定7時には誰も来ない。すぐにSさんが駆け込んできたが、その奥さんとH母子は当然のように遅れてくる。大きな買い物袋を提げた人々がやってきたのは30分後だったが、まあ許容範囲だろう。

このメンバーは北京で一緒だったので、何となくその行動様式は分かっているが、会うのは実に久しぶり。特に娘のAちゃんは、子供がそのまま大きくなったような雰囲気でビックリする。今やデザイナーの端くれらしいと聞くと、なんだか北京のおじさんとしては喜ばしい。

ここの料理は前回同様美味しい。特に味付けが良くご飯が進む。お客は常に満員御礼で、席はかなり狭い。それでも客が押し寄せるというのは、やはり美味しいからだろう。隣で台湾人のおじさんが酔っ払って大声で話しているが、あまり気にならない。ビールは自分で冷蔵庫から取ってきて自分で飲むスタイルだ。こういう店もだんだん少なくなっていくのだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です