ある日の台北日記2024その2(3)ラマダン明けのお祭りへ

4月14日(日)ラマダン明けのお祭りへ

今日は午前中からお出掛け。近くにある大安森林公園で開催されるラマダン明け祭りに行くことにした。Aさんと待ち合わせていると、公園に続々と参加者が入っていく。その顔は華人系もいるが、東南アジア系、中東系など実に様々で驚いた。そしてみな、楽しそうに記念写真などを撮っている。

会場には多くのブースが作られており、食べ物が沢山売られていた。ただお客さんの方が多くて、Aさんが食べたかった弁当は売り切れていた。中国回教教会というブースがあり、2人の女性がいた。聞いてみると、1人は親が1949年後に台湾に渡ってきた河南の回族。もう一人は以前留学で台湾に来ており、今回は内戦で2年前にこちらに避難してきたというミャンマー華人の女性だった。とにかく子供が心配だったという言葉が刺さる。

モロッコの雑貨、トルコのスイーツ、インド系のカレーなど、多くのブースが賑わっている。ただ一番多そうなのはインドネシア系だろうか。人口も多いし、台湾への出稼ぎ者もかなりの数に上る。公園のベンチでランチの麺を食べるのは何とも気持ちが良い。このままボーッと芝生に寝転がりたい気分だ。

人々が集会場に集まっていく。何らかのイベントがあるようだ。後ろの方から歓声が上がり、まるでアイドルスターが登場するように、女性たちに囲まれた人がやってきた。蒋台北市長だった。蒋介石一族で若手のホープだと聞く。開幕式典が行われ、市長とインドネシア代表が挨拶していた。インドネシア勢の勢いを感じると共に、蒋市長に台湾の将来を見る。果たしてよい未来だろうか。

一旦宿に戻り休息。夕方また出て行く。MRT頂渓駅で降りて、10数分歩く。もう完全な住宅街だな、というあたりにその店はあった。今日は黄さんと会う予定で、また老舗レストランを紹介してもらう。黄さんの奥さんも一緒だった。上海料理の懐かしい味がしてきた。有名人も来るという店で、落ち着きがあってよい。

黄さんからは、台湾に居る民族について、多くのヒントをもらった。台湾は小さな島かもしれないが、実はかなり深い歴史がある。特に民族については、多くの疑問があり、そう簡単に片付けられる問題ではない、と感じている。より深くこの問題を突き詰めるつもりはないが、私の茶歴史勉強にはその辺の理解が欠かせない気がする。

4月15日(月)茶商公会へ

毎年台湾に来るたびに訪問している茶商公会へ今年もお邪魔した。昨年は台湾最古の茶商について有益な情報を得たが、今回は『台湾白茶の歴史』について聞いてみる。こちらに置れている資料などにも当たるが、残念ながら台湾白茶の輸出は統計資料にもない。なぜだろうか。

公会オフィスの入り口のところに、李春生の写真が飾られている。そこには『台湾茶業の父』という文字が見えたが、よくよく見ると『茶業』の業という文字が後から貼られていた。聞いてみると元々は『茶葉の父』だったようだが、それはおかしいということで、ようやく『茶業』に収まったという。歴史というのは何とも不思議なものだ。何かを発見すればそれが歴史になるが、それがまた違っていた場合、その修正は難しい。

昼ご飯は昨年も行った店に入る。何を食べようかと迷っていると、何だかどんどん印をつけてしまい、気が付いたら、テーブル一杯に料理が並んでしまった。昔ならおばちゃんが『あんた、一人でそんなに食べる?』なんて声を掛けてくれただろうが、今は配慮が大切なのか、そんな声は聞こえない。とにかくできるだけ食べる。腹が一杯で動けない。

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