タイ北部お茶散歩2015(6)チェンマイ タイ人とお茶を語る

2月16日(月) 帽子屋Sさんと

翌朝は早く目覚めた。バルコニーから見える朝日を拝んだ。チェンマイ市内はリスロッジに比べれば空気は良くないし、ビューもよくないが、それでもこの景色は悪くない。旅は始まったばかりだが、ここは休息しよう。一番良い部屋は朝食も付いていたので、1階に行き、ネットを繋ぎながら、食べる。前回同様結構ボリュームがある。コーヒーで迎える朝、珍しいが新鮮。

そこへ日本人オーナーがやってきた。実は昨日パスポートを渡した切り、返してもらっていないことが今朝発覚した。こちらがきちんと確認しないのが悪いのだが、先方は平謝りだった。彼女の本業は服装関係らしい。副業でゲストハウスを開いており、いつもはここにはいないようだ。昨日は日曜日でたまたま居た、ということか。チェンマイからラオス国境への行き方を相談したが、なかなかいいのがない。取り敢えずチェンライまで、と思ったが、それならバスターミナルに行ってチケットを買うのが良いというので、明日の朝、ターミナルへ直行することにした。既にラオスへの旅は日程の関係で無理となり、Gさんと一緒にメーサローンへ行く方向に傾いていた。

それでも国境のチェンコーンまでは行きたいと思っていた。ちょうどIさんとそのお知り合いYさんから、『昨年チェンコーンに移り住んだ日本人男性』を紹介されていたので、教えてもらった電話番号に電話してみた。すると『今チェンマイに向かって移動中だからチェンマイで会おう』と言われる。私の目的はチェンコーンだったが、これもまたご縁。午後チェンマイで会うことにした。

そして昼に前回も会った帽子屋のSさんと再会した。場所はワローロット市場近くの多国籍料理屋。何ともいい感じの店内、1階は土産物屋、2階はレストラン。チャイを頼み、そしてカレー炒めを頼む。Sさんと彼女、そしてGさんも加わり、話に花が咲く。皆それぞれに面白い人生を歩んできたようだ。

その後Sさんの帽子を置いている店に移動した。お洒落な帽子が並んでおり、普段帽子には無縁の私もビックリ。帽子って、こんなに格好いいんだ、と思わせる作りで感激した。ちょうど台湾人が買い物に来ていたが、深圳、大連に滞在経験のあるSさんは中国語で対応している。ここチェンマイは中国人、台湾人、香港人など中国語圏の人々が沢山来るので、彼の中国語は一つの大きな武器になりそうだ。Gさんに似合う帽子を一瞬で被せて記念撮影。さすがSさん、今後に期待が持てる。

突然Eさんとドライブ

先ほど電話したEさんより『既に待ち合わせ場所にいる』と電話があり、Sさんと別れ、ターペー門へ急ぐ。Eさんは車で来ており、車内には買い物した商品が沢山積まれていた。納豆や刺身などの日本食材などを、時々チェンマイのショッピングセンターに買い出しに来るそうだ。その辺でお茶でもと思ったが、駐車スペースがない。仕方なく、Pさんに電話して、今日のセミナー会場を確認して、付近に移動した。EさんはPさんやIさんと知り合いなのでちょうど良い。

ところが、チェンマイに慣れていないEさん、道に迷ってしまう。チェンマイのかなり郊外まで予期せぬドライブとなった。私個人としては、このドライブは楽しいものであったが、運転していたEさんはかなり焦ったことであろう。そして1時間余りに渡るドライブの中でEさんが昨年までバンコックに長年住んでいたこと、不動産関係の仕事をしていたこと、共通の知り合いもいること、昨年リタイアしてタイ人の奥さんの実家に引っ越したことなどを知る。そして今は悠悠自適、素晴らしい人生だな。

Pさんは指定したホテルで待っていた。お茶を飲む時間は無くなり、すぐにセミナー会場に移動することになった。折角なのでEさん夫妻もお誘いし、セミナーに参加して頂くことになった。ご縁とは不思議なものだが、それが真実であり、そのご縁がまた別のご縁を生んでいくことになる。

カルチャーネットワークセンター(CNC)で

CNCはすでに事業から引退したPさんのご両親が始めたボランティア組織。以前からタイ各地で様々な支援をしているが、ここチェンマイに半分拠点を移したご両親が、自宅の1階を開放して作ったコミュニティスペース、それがカルチャーネットワークセンター(CNC)。今回バンコックお茶会のIさんが参加しているこのプロジェクトの最初のイベントとして、『お茶について』と題してお話をすることになったのも茶縁としか言いようがない。

話は『お茶ってなあに』という基本的な事柄と『日本とタイのお茶の違い』、そして直前に行ったメーテンの茶畑を含む『タイの茶畑』の茶旅についてだった。参加者は話に出たお茶を飲みながら、興味深く聞いてくれた。正直『タイ人とお茶』、ピンと来ない。タイ人がお茶を飲み始めたのは最近のこと、お茶についての知識のある人は少ない。実は昔からお茶を飲んでいる日本でもお茶については知っているつもりで知らないことばかりだが。

そしてタイに茶畑があること、それが中国の雲南省やミャンマーの東北部の少数民族と関係すること、メーサローンは中国系の人々が歴史的な理由から茶を作っていることなどを話すと、タイ人も知らないことばかりのようで興味津々。そしてタイ人が普段飲む、あの甘いタイ茶、何故赤み掛かっているのだろうか。タイの人々が自国の茶に目覚めた。次回皆でタイ茶の工場見学に行き、その真相を突き止めようという話まで出てきた。大変新鮮な質問、議論が出来て、とても有意義だった。

このCNC、チェンマイでの日タイの交流の場と位置付けてスタートしたが、従来の『友好』という枠ではなく、両国の文化を両国人が理解し合うこと、それが重要だと思う。日本からタイを支援するのではなく、日本とタイの類似点、相違点をきちんと確認し、経済中心ではない、真の交流を目指して欲しい、と願っている。

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