埔里から茶旅する2016(19)懐かしの日式親子丼

 525日(水)
日式親子丼

松ちゃんとの面談も終わってしまい、やることがない。では集集線の方へでも行って、電車に乗ってみるかと考えたが、突然もう一つのことを思い出した。鹿谷で連絡したのは松ちゃんだけではなかった。日月潭紅茶の劉さんにも電話を入れたのが、何と彼は中国でその電話を受けていた。確か25日に台湾に戻ると言っていたような気がする。すると今日は25日だから、上手くすれば明日会えるかもしれない。実際に連絡を入れると、26日ならOKとの返事をもらったので、それなら日月潭にでも行って泊まろうかと思う。

 

だがなぜか体が動かない。やはり歳のせいか、疲れが出ている。こういう日は休むに限る。ということで、このGHに連泊決定だ。午前中は殆どの時間をリビングでネットに費やす。ここはクーラーがなくても、何となく涼しく、快適だ。ヘルパーのMさんもリビングで何かやっている。聞けば、大学院に提出する論文を書いているらしい。オーストラリアに4年居たそうだが、大学院で勉強していたのか、凄い!

 

お昼になる。Mさんがいつも行く食堂があるというので、付いていく。そこはGHから10分ぐらい歩いた路地。そこには『日式』の文字があり、勝丼、牛丼、天丼などがメニューに載っていた。Mさんと同じ親子丼を注文する。見ていると、おじさんは豪快に中華鍋を振るい、親子丼を作成している。まさに日式の神髄だ。まあ醤油などの味を別にすれば、親子丼などどう作っても、それらしい味にはなる。味噌汁が付いて60元、悪くはない。最近台北などでは本格的日本料理、日本から進出して日本人が作る日本食が多くなってきているが、たまには日式を食べてみるのもよい。なんとなく懐かしい感じがする。

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食後はMさん行きつけのカフェへ。ここは広くはない空間ながらおしゃれで居心地がよさそうだ。ネット環境も抜群で、午後中、ここでPCと遊んでいることも出来そうだった。マンゴシェイクを頼む。横のおじさんが突然『日本人か』と話しかけてくる。このおじさん、日本との商売をしていたとかで、日本語も話す。台北で大きな商売を日本商社としていたが、今は故郷で農業に従事しており、果物を作っているらしい。こんなおじさん、昔は沢山いたな、台湾。昨日の松ちゃんも、日本語ができれば、完全にその部類に入る。

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このおじさん、昼間からベルギービールを飲んでいる。『日本人はビールだろう』と笑っている。そうこうしているうちに、有閑マダム風のおばさんたちが6人も入ってくる。皆が席のやりくりをつけている。かなり騒がしくなってきた。このカフェも当然地元のお客のものだ。我々はすぐに退散した。夕方、劉さんに電話すると、既に中国から帰国しており、明日の訪問はOKとなった。夜は早めに麺を食べて、早々に寝てしまう。こういう時は、部屋でネットが繋がらないのがよい。

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526日(木)
劉さんの紅茶

翌朝は劉さんに指定された、魚池のバス停を目指す。GHをチェックアウトして、荷物を引っ張って、またバスターミナルへ。40元でバスチケットを買ったが、どれに乗ればよいのかよくわからない。結局来たバスは日月潭行の台湾好行。魚池でちゃんと降りられるのかちょっと不安だったが、何とか農会前で下車した。劉さんが車で迎えに来てくれる。10分ぐらいで劉さんの自宅兼工場に着いた。

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劉さんのお父さんは魚池の茶工場の工場長をしていた方だそうだが、茶農家ではない。劉さん自身も7年前までは高雄で広告代理店を経営していたというから、茶業関係者ではなかった。だが地元の紅茶の良さを知り、戻ってきて、茶業を始めたという。しかしわずか7年で紅茶作りがそんなに上手くなるとはとても思えない。恐らくは以前から何がしかのことはしていたのだろう。日月潭の、いや台湾紅茶は一般的に甘味があるが、劉さんの紅茶にはコクが感じられた。広告代理店はそんなに儲かるのだろうか。古い茶や急須の収集もかなりやっていたらしい。年代物の茶葉がテーブルに転がっていた。

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続いて、日本との繋がりを説明してくれる。大勢の日本の茶農家が、ここに紅茶作りを習いに来ている。それを仕掛けたのはコンサルタントのTさんだという。私も愛飲している熊本のKさん、宮崎のM茶房さん、八女の茶農家さん、どんどん彼らが置いていったお茶が出てきて驚く。語学のできるTさんが仲介して、これだけのネットワークができていたのには正直びっくりした。ここで学んだお茶作りがどのように九州で役に立っているのだろうか。次回は訪ねて聞いてみたい。

 

そこへ摘まれた茶葉が運び込まれてきた。突然茶葉の処理が始まってしまった。工場の奥に置かれた台の上に茶葉が並べられていく。この時は劉さんと奥さん、そして運んできたおじさんの3人がかりで手早く、茶葉を広げていた。茶作りとは本当に大変なものだ。摘まれたばかりの茶葉は生き物と同じ。

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