シベリア鉄道で茶旅する2016(4)一両に3人しかいないシベリア鉄道

 ホテルに帰る。このホテルには有名な魚頭料理の店が入っており、昨年12月は知り合いで卓を囲んで食事をした。その時このホテルが便利だと知り、今回は予約を入れた。夜は皆で近くの庶民的な東北料理屋で食事をした。何だか優しい味付けで大ぶりの東北菜とは思えない食べやすさだった。この付近には外国人の子弟が通う有名な北京五十五中があり、外国人向けスーパー、ジェニールーまであって、何とも懐かしかった。明日はシベリア鉄道かと思うと、ちょっと胸が高鳴っていた。それでもすぐに眠れてしまった。

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3月8日(火)

翌朝は携帯にセットした目覚ましが鳴らず、ぐっすり寝込んでしまい、起きたのは8時過ぎ。ちょっと焦った。昨日の朝が早かったからだろう。お陰で朝食は抜きになる。午前10時にホテルをチェックアウト。地下鉄で行くのは大変なので、タクシーを拾う。20元で北京駅に着く。今や北京の地下鉄も『どこまで行っても2元』ではなく、この区間でも一人4元になっている。タクシーが捕まればそちらの方が効率的と思える料金だ。道もそれほど混んでおらず、すぐに駅に着いてしまう。今日も快晴の北京!素晴らしい。

 

さて、まずは腹ごしらえをしておこうと、駅の横にあるレストランに入る。こんなところで商売できるのだから、何か利権絡みなのだろうか。ファーストフード的な店づくり。餃子を頼むと、もう一つの古い建物から寒い中、運んできた。湯気が立っている。午前10時半だから、客は殆どいない。餃子自体は意外や美味しかった。手で作っている感じがある。値段は一皿29元だから、少し高いのだろうか。今の北京なら仕方がない範囲か。従業員は田舎から出てきた子だろう。携帯をいじってばかりでやる気は感じられない。

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駅は相変わらず、混んでいる。荷物検査の列に並ぶがなかなか進まない。切符の名前とパスポートを入念にチェックしている。荷物検査そのものはかなりおざなりなのですごくギャップを感じる。北京駅構内に入るのは何年ぶりだろうか。いや昨年12月にもここに到着したが、ゆっくり見るのは6-7年ぶりか。やはり立派だ。乗車する列車の乗車口を探すだけでもかなり大変だった。北京にはここの他、西駅や南駅もある。北京の大きさがよくわかる。取り敢えずモンゴルのウランバートルまで27時間、水やビスケット、カップ麺を買い込んで、旅に備える。

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3. エレンホト(二連)まで
シベリア鉄道乗車

11:22発のウランバートル行は、随分前にホームに入線していた。普通は15-20分前にならないとホームに入れない中国の鉄道だが、この列車は国際列車だからか、30分前にはすでに改札が始まっていた。だが乗客葉の姿はあまり見えない。もう乗ってしまったのだろうか。北京-二連-ウランバートルと書かれた車両と、北京-二連、とだけ書かれた車両があり、我々は当然、ウランバートル行に案内された。車内は4人部屋のコンパートメントになっており、まずは快適そうで安心した。外観も高級感がある。

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Nさんはカメラマンだから、盛んに写真を撮っている。私は車内を点検。通路は狭いが、電源があり、充電は可能だった。隣の車両もコンパートメントだが、どちらにも乗客の姿が殆どない。結局列車は定刻前に動き出した。全員が乗車したということだろうか。何と乗客は1両に我々三人だけだった。隣もアメリカ人カップルの2人しか見えなかった。一体どういうことだろうか。あの北京駅の『没有』は何だったのだろうか。後ろの方に連結されている二連行き車両には行けないようになっていると、Nさんは言う。国際線と国内線は完全に遮断されているが、いずれにしてもその車両数は少ないようだ。

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1両に3人しかいないのに、車掌はちゃんと一人いる。勿論中国人なのだが、愛想はない。常に長い鉄道旅をしている疲れがにじみ出ている。後で見ると、彼らは空き時間は部屋でスマホやタブレットでドラマなどを見て過ごしていた。窓の外を見ていても、長城の入り口の駅などを通り過ぎるが、肝心の長城が見えない。ずっとカメラを構えていたNさんも諦めたようだ。長城はどこへ行ってしまったんだ。飽きてきたので、車内を歩いていくと、2人部屋の軟臥に白人が数人いた。彼らはまさにシベリア鉄道をゆっくり旅する定年夫婦という感じだった。この部屋は二段ベットで、すごく小さなトイレとシャワーが付いているらしい。その向こうにまた硬臥であり、中国人が数人乗っていた。それだけだった。この車両は中国製。ただ国際列車の硬臥は国内の軟臥に当たる。

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景色にうっすら雪景色が見えてくる。外はそれなりに寒いのだろうが、天気が良いので、きっくりと見えるだけ。車内は少し暑かった。と言っても人が乗っていないので、何とも寂しい。Nさんなどは『商売あがったりですよ、人がいなければ写真も撮れない』とぼやいている。通路で外を見ていても、何も起こらないので、本当につまらない。中国では誰か臥いれば、何かが起こる。静かな中国は面白くないのだと確信した。3時間後、最初の停車駅、河北省にある張家口南に着いた頃には、もう飽き飽きしていた。取り敢えずホームに降りてみる。でも新しい駅で特に何もない。

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