突然行く台湾北部茶旅2015(8)淡江大学に行ってみた

ホテルに帰り、深い浴槽に浸かる。このホテル、古いのだが、古いからこそ、浴槽があり、部屋もコンパクトだがそれなりに使いやすい。有線放送もあるので、日本語の番組を見ることも出来る。ロビーには日本語の新聞も置いてある。ほぼ完全に、25年前の台湾であり、何とも懐かしい。

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12月10日(木)

5.淡水

ジェイ・チョウ行き付けの店へ

翌朝はボーっと起きる。朝ごはんに行く気力はない。10時頃までフラフラとネットを見ている。それからホテルを出て、地下鉄に乗る。今日は淡水に行くことになっていた。淡水は中山駅から一本で行けるので、何も考えずに乗り込んだが、何とそれは北投行きで、途中で降りることになる。

 

それから次の電車を同じホームで待っていると、何と来ない。別のホームに行く必要があったのだ。何とか乗り替え、淡水までたどり着く。淡水駅には昨年も一度来たが、その時は淡水を何も見ずに、渡し船で対岸に渡っていた。今日はゆっくり淡水見物でもしようかなと思う。

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しかし淡水に来た目的は観光ではなかった。いつもお世話になっている大学の先生から『うちの学生が淡水に留学しているので、一度見てきて』と前回言われていた。こちらも南部に行ったので、当分行けないと思っていたところ、急に台北に来ることになったので、連絡してみたのだ。

 

その留学生Sさんと、淡水駅で落ち合い、まずはランチを食べに行く。駅前から、観光用の道が続いていく。土産物屋と食べ物屋が殆どだ。そのかなり行ったところにある食堂に入った。入口には何故か台湾のスター、ジェイ・チョウの写真が飾ってあった。どうやら彼のお気に入りの店のようだ。温州ワンタンメンが名物だという。この雲吞が美味い。スープもよい。焼き鳥を追加で頼んだが、これまたパリパリ、ジューシーでウマイ!週末は行列ができる店らしいが、今日はそれほど混んでいなかったので、2階の席でゆっくりと味わう。

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ランチを食べたばかりなのに、向かいの店の包子がまた美味いということで、そちらにも寄って食べる。これもまた淡水名物らしく、休日は行列が絶えないらしい。淡水は美味しいものばかりなのかと思ったが、Sさんによれば、『大学の周りには美味しいものは何もない』とのこと。因みにSさんは以前大学のプログラムで、大連に半年留学経験があり、大連が懐かしいらしい。中国の東方地方で暮らした人で、『台湾料理はどうも苦手』という人に何人か会っていた。彼女もそうなのかもしれない。

 

淡江大学へ

駅まで戻り、Sさんの留学先である淡江大学へ行ってみる。それほど遠くはないようだが、上り坂もあるので、皆バスに乗っていくらしい。バスの中は大学生で一杯になっている。10分もかからず、大学に到着。Sさんが早々、キャンパスを案内してくれる。緑の多い、静かで雰囲気の良いところだ。

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この大学には世界各国から留学生が来ており、留学生に宿舎も提供しているが、その建物は日本の大学の支援で出来たという。それほど大きくはないが、なかなかきれいなキャンパス。実は我が母校もこの大学と提携したと聞いていたので、その痕跡を探したが、特に見付からなかった。この大学は総合大学であり、実は理科系が強いらしい。小型飛行機が展示されていたりする。

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古い校舎が見える。今でも現役で使われており、実際の授業が行われている。Sさんによれば、夏はかなりの暑さで、蚊などもいるので、あまり好きではないという。文化財とはそのようなものだろう。使い勝手が悪くなったものを如何に保存するか、この瓦屋根を見ながら思う。

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Sさんは今日、1つの授業をさぼって付き合ってくれていたようだ。申し訳ないと思っていると、何とその授業の終わるタイミングで教室へ行こうという。その授業を教えている先生は日本通であり、出来れば紹介したいというのだ。授業に行かないのに、その先生を紹介する、なかなか面白い発想だ。先生も快く応じてくれ、研究室でお話を聞くことになった。

 

先生は日本語がペラペラで日本研究所の主任をしていた。何と安倍政権下のアベノミックスなどの政策について研究しており、この政策を『これまでの政権では動きがなかった日本経済を動かしたことに一定の評価ができる』と言っていた。なるほど、日本国内では批判ばかりが目に付くが、海外から見れば、言うだけでなく実行すること、がとにかく重要だと分かる。先生は日本の政策についてまとめ、近々本を出版する予定になっており、シンポジウムなども開いて、日本の現在の政策に関する台湾人の理解を深めるよう努力している。

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台湾について聞くと『民進党政権になっても経済は良くならない。大陸と離れ、東南アジアへ再度出ていく政策は考えられるが、その際は技術力のある日本と協力していくのが良い。但し民進党内の実務クラスに日本を知っている人間がいないが、大きな問題だ』という。確かに日本語世代は日本をよく知っているが、その下の世代はアメリカ留学組。日本を断片的にしか分かっていないと、日本とはとても一緒にやっていけない、ということだろう。

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