台湾南部ぶらり茶旅2015(17)台南 繋がっていくご縁

そしてBさんが紹介してくれたもう一人の人物、阿勇の店に行く。店の場所がちょっと分かり難かったのだが、それも楊さんが教えてくれており、スムーズに行き着ける。暖暖蛇珈琲、という名のそのカフェは、やはり古い民家を改造しており、ちょっといい感じだった。阿勇はPCをいじっていたが、私をカウンター席に案内して、自らコーヒーを淹れてくれた。このカウンターがまた、木で出来ている。電源も沢山あり、若者のニーズに応えている。

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このお店、コーヒーを頼んだのに、まずはビールが出てきた。わざわざやってきた日本人の為に出したのか、と思ったら、何とそのビール瓶には水が入っていたのだ。しかもその瓶はミャンマービールのものだった。どこから手に入れたのだろうか。伝票にはボーディングパス、と書かれている。何だかとてもユニークな店だが、どうしてこうなっているのだろうか。

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阿勇はイギリス留学経験があり、旅行好き。この店でも旅をしている気分なのだろう。台南で見るべきところを尋ねると、『それは蔡さんに聞くといいよ』と言われる。実はこの蔡さんにもFBでメッセージを出したが、返事が来ていなかった。もっと話を沢山聞きたかったが、友人がやってきて、夕飯に出ていってしまった。取り残された私は、居心地の良いカウンターでコーヒーを飲み、まったり。このスペースではBさんのライブも行われたという。いい空気が流れていた。

 

突然の連絡

その蔡さんは、台南で宿を経営していると、Bさんのメッセージに書かれていた。こうなったら直接訪ねてみようと思い、その宿を検索して歩いて行ってみる。この付近は古き良き台南が残っている場所。ライトアップがされているところもあるが、今も庶民が普通に暮らしているところも多くある。そんな一角に宿はあるはずだったが、いくら探しても見付からなかった。

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諦めて宿に戻る。宿には1か月もここに滞在している日本人がいた。台南が気に入ったので、これからここに定住するため、住処を探しており、ようやく目途が付いたという。なるほど、そういう旅の仕方もあるのだな。私も来年は茶旅5年を終えるのだから、次は旅の仕方を変える必要がある。この宿の一階のリビングで話をしながら、ネットをチェックしていた。

 

すると、突然FBにメッセージが来た。あの蔡さんから『会いましょう』という連絡だった。では明日、と書くと、明日は仕事で忙しいので、これからが良いという。午後9時にファミマの前で待ち合わせた。ファミマは通りに面しており、この宿へ来る一つの目印であった。何故突然このような展開になったのか、分からなかったが、後で聞いてみると何と先ほど会った阿勇が蔡さんに電話してくれていたのだった。何ともご縁を感じる繋がりだった。

 

ファミマにやってきた蔡さんはバイクだった。メットを渡され、彼の後ろに乗り込む。先ほど彼の宿を探したあたりにやってきたが、何と看板もなにも出ていない民家だった。分からないはずだ。中へ入ると、単なる民家のように見えた。1階は広いリビングスペース、2階にはお洒落な屋根裏のような部屋が2部屋あり、最大6人が泊まれるスペースとなっている。この宿は一軒貸しをするとのことだった。なるほど、面白い。泊まってみたい空間である。

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しかし宿の名前「屎溝漧客廳」とは何だろうか。実はこの建物、蔡さんの親戚が住んでいた物をリノベーションしたらしいが、昔の建物で、トイレがなく、汚物が家の中に作られた溝を流れていた?ことから、その名を付けたらしい。なんだそれは?ちょっとギョッとするそのネーミングもまたユニークだ。このスペースでも映画の上映会やコンサートが出来るという。

 

蔡さんの本職はカメラマン。日本に留学経験もあり、来月も東京の骨董市に行くというほど、日本が大好きである。また同時に故郷台南も大好きであることが分かる。カメラマンとしての目線で、台南の良さを色々と見てきており、私にも台南の隠れた見どころをいくつか紹介してくれた。阿勇がなぜ蔡さんに会うように言ったのか、その意味がよく分かった。

 

夜も11時になり、そろそろ帰ろうかと思って立ち上がったところ、蔡さんが『さあ、これからテレビを見よう』という。何でこんなに夜遅く、テレビを見るんだろうかと思っていると、何と我々を繋いでくれたBさんがテレビに出ていたのだ。外国人クイズ大会、彼は流暢な国語を使い、得意の歌もちょっと披露していた。この番組は録画であったが、蔡さんは早々Bさんに電話を掛けてからかっていた。私と蔡さんが今晩ここで会ったのも決して偶然ではない気がした。

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番組が終わり、さすがに帰る。蔡さんがバイクで送ってくれたのだが、『腹減らないか?』と聞かれたので、ちょっと空いたと伝えると『アナバーへ行こう』という。夜遅くまでやっているバーで何か食べるのかと思っていると、バイクが着いたのは、昼間は市場になっている場所。その隅で屋台が営業していた。ここで名物意麺を食べた。汁なしで、スープは別に付いてくる。これもまたウマイ。そしてここがアナバーではなく『穴場』という日本語であったことが分かる。蔡さんのユーモアだったのだろうか、私の聞き違いだったのだろうか。

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