台湾南部ぶらり茶旅2015(8)お茶のない屏東の夜

4.屏東

屏東へ

嘉義行のバスは12時過ぎに来るという。『まあ、昼飯も食っていけ』と言われ、有難くご馳走になる。1泊3食付き、茶園ツアー付き、何某かの宿代を支払ったが、勿論それ以上のサービスであった。こういう経験は茶旅ならではで、面白い。向こうの方からバスが来るのが見える。お別れの時が来た。

 

バスは結構人が乗っており、私は荷物を担いで何とか後ろの席を確保した。10年前とは違い、今は台湾全土に『台湾好行』という観光?バスが走っているので、きれいで快適である。料金も130元程度で安い。週末は阿里山観光客で更に混んでいるのだろう。1時間ちょっとで嘉義まで降りる。

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駅では30分後に出発する切符が買えた。今回は自強号ではなく、その次の莒光号だった。嘉義-屏東間は約2時間半で結ばれている。昨日来た道を台南、高雄と戻り、そこから30分で呆気なく、屏東に着いてしまった。この駅は既に改築されており、高架式のきれいな駅になっている。明日の台東行き電車のチケットを買い、ここに1泊することにしたのだが。

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ホテル

駅を出て、ホテルでも探そうと思ったが、何だかそんな雰囲気はまるでない。潰れた宿の看板だけが目に付く。あまりにも何もないので戸惑ってしまった。モーテルのようなところが1つあるだけで、泊れる場所がない。街と言えるようなものもない。事前に何も調べない旅は、このような時に大いに困惑する。高雄から30分の街にはホテルもないのだろうか?

 

仕方なく駅まで戻り、観光案内でもあるかと探したが、それも全くない。だがよく見ると、工事中の場所の向こうに人が歩いていく。付いていくと、そこが元々の駅舎で、そこを出ると昔ながらの台湾の駅前風景が見えてきた。単に新しい駅の新しい出口を出てしまっただけだったのだ。

 

結構疲れたので、すぐ近くにあったビジネスホテルに飛び込む。フロントのおばさんが1泊1200元、などというので、もっと安い部屋はないか、と聞くと、サービスルームは900元というので、そこにしてみた。部屋は5階、窓はないが、大きなバスタブがある。如何にも昔の台湾のホテルだった。

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フロントのおばさん、はじめは無愛想だったが、私が日本人だと分かると、『最近日本人来ないねえ』などと話しかけて来る。確かに屏東に行った日本人というのはあまり聞いたことがなかったし、私自身が全く初めて降りた駅だった。取り敢えず街を歩こうと、おばさんから簡易地図をもらい、歩き出す。

 

青島街 茶屋見付からず

目指すは青島街。ここにお洒落なお茶屋があるというのだ。駅前のロータリーを北に向かうとすぐに、大きな廟がある。既に暗くなっていたが、見事にライトアップされていた。ここが街の中心だと分かる。夜でも大勢の人が参拝に訪れている。私も入ってみようかと思ったが、先を急ぐことにした。

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青島街は駅前から歩いて15分ぐらいのところにあった。この付近は昔日本人が住んでいたのか、日本家屋が残っていた。ちょっと雰囲気が違っており、道の角のレストランからジャスが流れてきた。そこを曲がると青島街。数軒のおしゃれなレストランがライトアップされ、いい雰囲気で建っていた。ここは若者向けのようで、ハンバーガーなどの軽食や洋食が多い。

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残念ながらゆっくりと台湾茶を飲めるようなところではなかった。お茶屋ではなく、カフェが沢山ある、というべきだ。仕方なくもう一つ別の道にはいると、そこには日本食レストランがあった。これも1つのトレンドなのだろう。この小さな街はその形を少しずつ変えようとしている。

 

更に歩いていくと、魚の看板があった。中を覗き込むとおばさんが『ヒラメ―』と言ったように聞こえたが、あれは何だったのだろうか。看板には「虱目魚」と書かれている。まさかヒラメではあるまい。この魚は後で食べてみることになるが、ヒラメは単なる聞き違いらしい。

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実は屏東のお茶屋さんの住所を聞いてあった。そこを探したのだが、どんなに探してみても見付からない。普段は使わないスマホで地図を探ったが、その場所にはマンションがあるだけ。もしやするとマンション内でひっそり営業しているのかもしれないが、これ以上やりようがないので諦める。屏東では全くお茶にあり付けない、という状況になってしまった。

 

帰り掛けに腹が減ったので、大滷麺を食べてみる。注文してから席に着く方式。良く分からなかったが、忙しい中、店のおばさんが親切に教えてくれた。小皿料理も取って、合わせて食べる。麺はうどんのようで、まあまあだが、小皿の豆腐とピーナッツの突き出しのようなものは絶品だった。これは酒のつまみだろうが、皆麺を啜りながら食べているのが面白い。

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