ミャンマー紀行2004(19)タウンジーの美少女

(4)ビンダヤ洞窟院

山を降りる。何だか離れたくない気持ちである。雨は全く止み、晴れ間がのぞくほど。高所恐怖症の私が何故か下界の景色を楽しんでいる。急な坂も全く気にせずに。やがて洞窟院の所まで戻る。TTMとSSは裸足であるから足がかなり汚れている。TTMはある建物に入って寺の人と何か話をすると横の井戸で水を汲み、足を洗う。その姿が実に美しい。深く仏に帰依した人の姿である。

ミャンマー 170m

 

TAMとTTMはどんどん歩いて行く。洞窟院に行くと思っていた私はちょっとビックリ。彼らは洞窟院の下の茶店まで行ってしまい、茶を飲み始める。『何故洞窟院に行かないのか?』と聞く、これからタウンジーに行くので時間が無いという。しかしTTMの顔を見ると残念そう。彼女の前回のビンダヤ訪問は15年も前。仏教徒のTTMが洞窟院を見たくないわけが無い。勿論SSは行きたいと言う。TAMを無理やり説得して行くことになる。前回は怖いエレベーターで上に登ったが、今回は100段の階段を歩いて登る。どちらも怖い。中に入ると昨年よりきれいになっている。常に改善しているようだ。SSは折角登って来たのに空気が悪いと言って早々に下に降りてしまう。

 

TTMとTAMと3人で見て回る。相変わらず見事な仏像群である。昨年同様寄付(仏像に金箔を施す資金)をして自分の名前を仏像の前に記したい欲望に駆られるが、一方仏教徒でもない自分がそんなことをして良いのか迷う。そのことを素直にTTMに話したところ、『あなたは何時か必ずミャンマーに住みます。その時寄付すればよいのです』と預言者のようなことを言う。私も何時かミャンマーに住むような気がしているので、素直に頷く。時間が無いので奥には行かず、30分で切り上げてタウンジーに向かう。4時半には出発したが、タウンジーは実に遠い所であった。

ミャンマー 176m

 

9.タウンジー (1)タウンジーへ

TAMは何故時間が無いと言ったのか?タウンジーに向かって漸く分かった。ビンダヤからヘーホー方面に戻り、大きな夕日を横に見た。そこから又かなり行き、更に山を登る。辺りが暗くなっても到着しない。暗い中をどんどん山道を登って行く。何処へ行くのだろうか?もし車に皆がいなければかなり緊張する場面である。夜7時、漸く大きな街に着いた。標高1,400m、それがタウンジーの街であった。途中にゴルフ場があり、到着したと思ったのは、新村であった。ここは15年ほど前にタウンジーの街の人口が増えたために一部を強制的に移住させたのだと言う。

 

シャン州の州都であるタウンジーの大通りはかなり漢字が目立つ。中国系が多いようだ。又商業都市としてインド系もいる。少数民族も多い。実に多彩である。サルウイーンホテルはその街の外れ近くにあった。部屋は広かったが、テーブルに蝋燭が置いてあり、停電が多いことを窺わせた。標高が高いこと、小雨が降っていることもあり肌寒い感じである。1泊UD$10。

 

(2)トゥトゥ(以降TT)登場

ホテルにチェックインしようとした時のこと。一人の少女がロビーに姿を現した。その途端、SSが大きな声を出し抱き合った。SSの日本語学校の同級生TTである。彼女は勉強を終えて故郷のタウンジーに戻って就職していたのである。TTMも彼女の出現を大いに喜び、3人で盛んに話している。今日は彼女もここに泊まり語り明かすようだ。ところが夕食に出ようとロビーに行くと何やら揉めている。TTMに聞くと解決したと言う。どうやらTTは身分証明書を忘れたらしい。ミャンマー人がホテルに泊まるにはこれがいる。

 

TTMはホテルの主人に掛け合った。主人は頑として聞き入れなかった。最後にTTMは自分が旅行社の人間であり、保証状を出すこと、それでもダメなら今後このホテルには一切客を送らないと言ったという。嘘も方便と言うことがある(嘘といっても彼女は私のガイドであり堂々と旅行を仕切っているからあながち間違いではない)。SSとTTのあの喜び合う様子を見ていれば誰でも何とかしようとするだろう。と同時にTTMの度胸には恐れ入った。この説得力は凄い。

 

又もっと凄いのはSSとTTが語り明かすと翌日に障るので、3人で一部屋を借り、経費も浮かしたと言うのだ。何とも凄い人である。どちらにしてもSSとTTは嬉しそうにピッタリくっついている。シャン人であるTTは両親がいないので妹の面倒を見るため戻ってきたしっかり者。日本語の能力も高い。今は中国系の機械商社で働いているようだが、この日本語は勿体無い。TTMもヤンゴンで旅行社を紹介したが、故郷に戻ってしまったと残念そうに話している。TTMはTTにとってヤンゴンのお母さんなのである。

ミャンマー 183m

 

夕食は4人で中華麺を食べる。少ししょっぱかったが、SSとTTは何も気にならないように話し続けている。私は外に出た。店の横にジョルダーノがあった。本物かと見るとどうやら本物らしい。SSによるとジョルダーノはヤンゴンにもありミャンマーで最も人気のあるブランドだと言う。

ミャンマー 182m

ミャンマー 184m

 

夕食後ナイトマーケットに行こうとしたが、雨が強くなりホテルに戻って寝る。結構涼しかった。15-16度ぐらいのようだ。SSとTTは寝ただろうか?いや、あの様子では寝られるはずが無い。自分の修学旅行を懐かしく思い出す。

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