ミャンマー紀行2004(15)マンダレー マリオネットとコンセント

(6)夕食

夕食はマンダレーの有名店『ラショーレイ』へ。シャン料理の店で人気があり、我々が行った時も既に多くの人が店にいた。西洋人も何組も来ている。きっと安くて美味い店として有名なのだろう。入り口付近に料理が並べられ、客は物を見て注文、皿に盛られてくる仕組み。1階はほぼ満員で2階へ。こちらは殆ど人がいない。恐らく2階は値段が高いのだろう。80年代中国でよくあった光景。中国の2階は外国人専用で同じものを食べても値段は10倍違った。ここは2階でも安かったが。4,050k。

 

豆のスープが出る。ミャンマー、特にシャンではスープが美味く、必ず頼んで貰うようにしている。この豆スープも絶品。料理もTTMが心得ており、野菜中心であっさりていて、非常に美味しい。感激しながら大いに食べる。一日中動き回っているせいか幾らでも食べられる。健康を肌で感じる。

 

突然TTMが立ち上がる。向こうの席に座った男性と話し出す。全く顔の広い人だ。マンダレーでも知り合いに会う。聞けば彼女がJICAに勤めていた時の上司だそうで、ヤンゴンからの出張だとか。2階に上がってくるということはきっと偉い人なのだろう。彼も同じホテルに泊まっており、一番良い部屋として5階を割り振られたが、今日はエレベーターの故障で最悪だ、とTTMが笑っていた。

 

(7)マリオネットショー

一旦ホテルに戻り直ぐにオートカブタクシーに乗り、マリオネットショーへ。オートカブタクシーは以前ヤンゴンにあったが全面禁止となり、今ではマンダレーで使われているのだそうだ。確かに古い。後ろの台車に乗っていると、もし急ブレーキが掛かったら振り落とされるだろうな、と言う恐怖感がある。暗闇の中、風を切って走る。十分に旅情を感じさせる気持ちのよい乗り物である。

ミャンマー 118m

 

マリオネットショーの切符は実は昨日購入済であった(1人、3,500k)。メイミョーに行く前にこの劇場に寄っていた。午後の劇場では観客席を利用して、劇の練習ではなく、何故か英語の授業をしていた。後で考えると人形遣いの若者に英語を習得させていたのだろう。将来を見据えた学習か。

 

TTMがここのオーナーと知り合いということで劇場の斜め向かいのマリオネット制作場に挨拶にも行った。オーナーの女性は流暢な英語を話し、物腰も柔らかく先進国の人のようであった。後で劇場の壁を見ていたら、ニューズウイークにも写真入で記事が載っていた。ミャンマーの有名人なのである。

ミャンマー 061m

 

マリオネットの製作は殆ど手作業であった。10人以上の人が細々と手を動かして働いていた。なかなか手が込んでいるように見えたが、大半は劇場で売るマンダレー土産だろうか、それ程高級感はない。1つUS$5-10 がお土産の相場のようである。してみると、このショーは土産物のマリオネットを売るための、デモンストレーションのようなものである。英語の習得も、外国人客と会話して、土産物を販売するための練習だったかもしれない。なるほど。

 

ショー自体は殆ど外国人観光客が見守る中、人間の女性がマリオネットと一緒に踊ったり、師匠(かなり高齢であるが、非常に元気。日本で言う人間国宝であるらしい)と弟子が掛け合い漫才のようにマリオネットを動かしながらトークしたりと独特であった。約1時間。先日ハノイで水上パペットショーを見た。こちらは舞台も大きく、鳴り物も大きく、迫力があったが、今日のショーはかなり精緻な動きを重視しているようであり、形態が大きく異なっていた。

ミャンマー 119m

ミャンマー 121m

 

(8)コンセント

実は今回は前回にも増して写真を撮ろうという意欲があった。デジカメも新調していた。しかしバッテリーの替えを忘れてきた。折角行ったマリオネットショーでは僅か数枚しか取れない状態になっていた。充電器は持ってきたが、コンセントが合わない。マンダレーのような都会なら何とかなるだろうと思い、ホテルのフロントに頼んでみた。

 

フロントの人は英語が出来たが、私の部屋番号を聞いて直ぐに日本語に切り替える。地球の歩き方にも日本語の出来る人がいるとある。言葉も北京語、英語、日本語と柔軟に対応する。流石商業都市。ボーイが一人買いに行ってくれることになったが、なかなか見つからなかったようだ。マリオネットショーが終わって帰ってみると探し当てたとのことでコンセントを受け取る。値段は300kであったが、預けた500kのお釣りを全てチップにあげた。

 

しかし部屋で試してみると残念ながら合わない。フロントに持って行くとボーイが再び勢いよく飛び出していき、瞬く間に買って来てくれた。流石マンダレーは商業都市である。顧客のニーズに応える対応があるし、チップにちゃんと反応する(勿論嫌らしさは全然無いので更に良い)。ヤンゴンではこうはいかない。

 

やはり北京に対する上海、東京に対する大阪のような対比がヤンゴン、マンダレーにもあるようだ。商業都市マンダレーの発展は祈りたいが、ミャンマーの良さも失わないで欲しい所。そんな贅沢なことを考えているのは、普段何も考えないで、のほほーん、と生きている私のようなものだけであろうか?中国人の増加が不安にさせる。

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