ミャンマー紀行2004(9)マンダレーの日本食堂

(3)日本食堂

そこはなんと日本食レストランであった。名前は『ホームパティー』。午後3時半で客は居ないが、店は開いていた。我々は昼飯を食べていなかった。SSが『おなかが空いたよ』という顔をしている。この店の店長アウンウィン氏が日本語で『カツ丼食べる?』と聞いてきた。

ミャンマー 057m

 

この店はこのアウンウィン氏と日本人のI氏が開いた店だという。I氏は台湾を経てマンダレーで日本語教師をしており、その時の生徒であったアウンウィン氏と意気投合して、2年前に庶民的な日本食の店を開いたというのだ。確かにカツ丼が800kとはかなり安い。ご飯はミャンマー米だったが、それでもカツ丼に合う米をかなり探した結果という。TTMの注文した中華丼、SSが食べている唐揚げも日本の味がして、美味しい。マンダレーで日本食とは嬉しい驚き。

ミャンマー 059m

 

話を聞くとじつのところ、店の経営は大変のようだ。この料金で店を維持するのは容易ではない。家賃、給料に不足が生じてしまい、今I氏は日本に帰ってアルバイトで店の経費を稼いでいるという。そして先日ある日本人の手を経由して、ここにお金を送ってきた(日本からミャンマーへの送金は簡単ではない)。詳しいことは何も分からないで勝手に解釈すれば素晴らしい話である。

 

逃げ出すことも無く、店の為に仕送りを続ける日本人、その日本人を信じて給料遅配にもめげずに頑張るミャンマー人。ある種の理想的な関係を見るようである。この食堂には是非頑張ってもらい、日本とミャンマーの架け橋になって欲しいが、現実がそれをどこまで許すだろうか。

 

因みにこの店の客は日本人の他、I氏が北京語が出来ることもあり、中国系も居るとか。マンダレーは商業の街であり、中国人が大量に居ると聞いている。更にミャンマー人のファンも着実に増えているようである。店の寄せ書きノートを見たSSが笑いながら解説。ミャンマー語で『君の名前が知りたくて毎日通っている』と書かれたページもあるとか。何と純粋な。

 

6.メイミョー

(1)メイミョーへ

4時過ぎに食堂の前から車に乗り、メイミョーへ。メイミョーはマンダレーから約70km、標高1,100mの高原である。現在の名前はピンウールィンというが、昔の名前であるメイミョーの方が通りが良い。酷暑のマンダレーからすれば天国。昔イギリス人の避暑地として開発された街。

 

車はマンダレーの郊外に出ると給油。道端に掘っ立て小屋のような、ボトルにガソリンを詰めたガソリンスタンド?が沢山ある。最近は原油が高騰しており、当然この国でも大きな影響がある。1ガロン180kの公定価格に対して闇は1,200kである。勿論公定価格で手に入る量は限られており、皆闇で買うのだが、今回も1箇所では必要なガソリンを確保できず2箇所に寄ったほど。

ミャンマー 064m

 

途中から上り坂になり、段々高くなる。景色も良くなる。日光のいろは坂のようだという人もいる。マンダレーは蒸し暑かったが、どんどん涼しくなっていくのが分かる。運転手はマンダレーとメイミョー間を走る専用タクシーであり、道は心得ている。かなりのスピードでトラック、バスなどを追い抜いて行く。けたたましくクラクションを鳴らし、道を譲る車には窓から片手を突き上げて感謝の意を表す。その姿が何とも格好いい。1時間半ほどでメイミョー着。結構疲れる。

 

ミャンマー旅行から戻る際、バンコックで1冊の本を買った。ネル・アダムスの『消え去った世界』である。このシャンの藩王の娘はここメイミョーの聖ヨゼフ修道院に通っていた。それによると『街の名前メイミョーはメイ連隊長の町という意味』で街の真ん中にはビクトリア女王から贈られたパーセルタワーと呼ばれる時計台があり、ロンドンのビックベンと同じ音だと信じられていたという。ちょうどその時計台の横を通過したが、今も鳴っているのだろうか。

 

しかしメイミョーの街を過ぎても車は止まらない。更に高い所へ車は突っ込んでいく。10分ぐらいしてかなり山の中に入ったと思うと、そこに今夜の宿、ダリヤ・モーテルがあった。如何にも高原のホテルといった雰囲気が良い。TTMは何度か泊まったことがあり、SSもつい先日姉のPPと泊まりに来たばかりと言う。1泊、US$10は安いか。(TTM、SSの部屋は8,000k)

ミャンマー 068m

 

SSによれば、先日の部屋は電気もお湯も無かったとのこと。今日はどうだろうか?私は外国人ということで『偉い人が泊まる部屋です』という良い部屋に通される。部屋にはベランダが付いており、そこにある椅子に座れば、寛ぎながら外を眺めることが出来る。快適だ。

ミャンマー 066m

 

TTMとSSの部屋は奥まったところのようだ。外国人とミャンマー人で待遇が異なることは仕方が無いことではあるが、何だかとても申し訳ない気がする。私が女なら3人一緒に泊まるのに??外国人とミャンマー人が同じ部屋に泊まる、それは可能なのだろうか?いや、今回の位置付けは、お客とガイド、ということだろうか。

 

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