ミャンマー紀行2004(8)マンダレー 行き先が勝手に変わるフライト

5.マンダレーへ

(1)ルート変更

10時45分発のヤンゴンエアーは12時過ぎに漸く搭乗となった。空港待合室で約2時間待ったことになる。普通であればイライラして大変な私であるが、この国に入ると全てのイライラがなくなるから不思議である。寧ろ遅れを楽しみ、何が起こるか興味津々の自分がいる。可笑しな事だ。

ミャンマー 051m

 

搭乗するとトートーマ(以降TTM)が私の方を振り向いて顔を顰める。『ヘーホー行きです』何?我々はマンダレーに行くのである。S氏から以前ミャンマーの飛行機は突然行き先の順番を変更することがあると聞いたことがある。その時は笑い話にしていたが、何とその笑い話が私の身に降りかかってきたのだ。これには驚いた。しかし今更どうなるものでもない。

 

隣の席はインド系の人であった。勿論彼にはミャンマー語は分からない。初めての国内出張だそうだ。不安そうに『この飛行機は何処に行くのだ』と聞く。ヘーホーと言うと、驚いて声も出ない。私にはTTMとスス(以降SS)がいる。良かった。昨年のように一人だったら流石にパニックだっただろう。または到着するまで気が付かなかっただろうか?いや、到着しても気が付かず、ミャンマー人についてぞろぞろ降りて行ってしまったのではないか。

 

飛び立った時からかなり揺れていた。SSはTTMの肩にグッタリと靠れて目を瞑っている。どうやら揺れる飛行機に乗ったのが初めてのようで、『私の子供の時からの夢が破れた』と降りる時に呟いていた。それはスチワーデスになることであったが、こんなに揺れるのであれば無理と判断したようだ。

 

隣のインド系もかなり精神的に参ったようで、顔を覆うことが多い。ミャンマーは恐ろしい所だと思っていたに違いない。私は高所恐怖症ではあるが、何故か比較的平気である。不思議。機内食(といってもパンにソーセージが挟んであるだけ)をパクつき、紅茶をお替りする余裕があった。

 

ヘーホーに着く。懐かしいヘーホーの空港。又戻ってきた。そんな感じである。今日このまま降りてしまいたくなる。しかしティンエーマー(以降TAM)はそこには居ないのである。楽しみは後に残そう。飛行機から大雨の中を西洋人が大量に降りる。そうか、ヘーホーに先に寄った理由はこれか。ミャンマーでは降りる数が多い方が先になるのである。不可解だが分かり易い。

 

(2)マンダレー空港

直ぐに出発して25分でマンダレーに到着。昨年も一度降りたが、相変わらず広くて何も無い空港である。ターミナルに入ってみると、実に立派で国際空港並みである。何でこんなに立派な空港がミャンマーに必要なのかと思う。こんなものがODAか何か出来ていたらたまったものではない。因みにマンダレーは国際空港であった。翌々日に出発を待っていると昆明行きの中国南方航空が飛んでいるのを見た。やはり中国系が強い場所である。中国人の侵攻??も進んでいる。

ミャンマー 053m

 

人は数えるほどしか降りなかったので直ぐに居なくなる。私は外国人であるからUS$10を支払う必要がある。これで観光地はタダで見られるというのだが、出張の人にとっては何なる入場料である。別に厳しく取り立てている様子もないので、すり抜けることも出来そうだが、捕まるだろうか。真面目が売り物のTTMがそんな行為を許してくれるとはとても思えないのだが。

 

午後2時過ぎ、チャーターした運転手も可哀想に2時間以上待っていた。しかしこの空港の周りは本当に何も無い。きっとアフリカの空港に着くとこうなのではないか?まるでサバンナを走るようだ。空港入り口と書かれた所までかなりのスピードで飛ばして10分以上掛かる。そこまで建物は1つも無い。更に行くと道路工事があった。運転手によれば一週間前に大雨が降り河川が氾濫。道路も通行止めであった。我々は運が良い。しかし舗装されていない道である。洪水が引いた後、道は水たまり宜しく、完全にデコボコになっていた。

ミャンマー 056m

 

1時間で街に入る。ヤンゴンとはかなり違う。高い建物が無い。バイク、自転車が多い。何となく忙しない。高い建物があったが、それはマンダレー駅であった。但し上はホテルだという。鉄道はどの程度走っているのだろうか。一度乗ってみたいと思うのだが、TTMがそれをしないところを見ると、外国人が乗車するのは大変なのかもしれない。

ミャンマー 055m

 

先ずはヤンゴンエアーのオフィスに立ち寄り、帰りのフライトのリコンファームをする。今や香港などでは電子化され、不要となっているが、ここミャンマーでは電話ではできず、チケットを持参して、窓口で確認するのは必須だ。全ては現物確認、80年代の中国を思い出し、懐かしむ。それからTTMの友人の所に行くという。そこはいったいどこなのか?楽しみだ。

 

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