ミャンマー紀行2003(8)パガン サンダル履きでプロペラ機へ

8月19日(火)
4.パガン (1)国内線

愈々地方都市へ行く日が来た。7時のフライトに乗る為、5時半にホテルを出発。明日バンコックに発つS氏とは大いに感謝して分かれる。TTMとSSは車で空港まで送ってくれる。流石にSSは眠そうで前の席で寝ているのが分かって微笑ましい。空港では国内線といえども、イミグレのようなものがある。パスポートを見せるだけの簡単なチェックポイント。何故か空港職員がチェックインなどを全て代わりにやってくれ、待合室に案内してくれる。どうやらアルバイトのようだが、お礼を言うのみ。先方も直ぐ引き下がる。外国人だからだろうか。

 

外国人の待合室は冷房が効きすぎて、寒い。隣のミャンマー人用?は冷房も無く、テレビが煩いがそちらで待つ。ミャンマーの国内線は実にユニーク、国内線3社は全てほぼ同じ時間に、同じ場所へ出発する(因みに午前便はパガン、マンダレー、ヘーホー、ヤンゴンの順に回り、午後は反対周りとか。料金はエアーマンダレーで1周US$269)。ミャンマーエアーは国営で評判が極めて悪く、外国人は誰も乗らないといい、値段も少し安い。ヤンゴンエアーはタイエアーの子会社。私が乗るエアーマンダレーはシルクエアー(シンガポールエアーの子会社)の子会社で評判が良い。ミャンマー、ヤンゴン、マンダレーの順に15分おきに出発。最初はどれが出発するのか分からず、自分のフライトに乗るのにかなり慌てる。

 

機体はプロペラ機ながら、新しくてきれい。機内はほぼ満員で、隣はどうやら日本人の若者。ほぼ全員がサンダル履きというのも珍しい。私も初めてサンダルで飛行機に乗る。機体が飛び立つとあの独特のフワッと浮きあがる感じがする。高所恐怖症の私にとってこれは気分が良いものではない。下を見るとあの岩にぶつかったら痛いだろうな、と思うだけで余計に気分が悪い。

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気を紛らわそうと機内誌を見る。CAが写真に写っているが、何と目の前に本人が微笑んでいる。前の席のタイ人がそれに気付いて、話かけて確認している。そういえば、ミャンマー全体でCAの数は少ないと聞いていた。航空業界はこれからの産業だろう。同時にミャンマーの若い女性にとっては花型の職業ということか。昔のアジアを見る思いだ。彼女が英字紙を持ってきた。見ると一面は軍政府のお偉いさんの記事ばかり。ところが裏を返すと何とJリーグのジュビロ磐田と浦和レッズの試合結果が載っている。ミャンマー人のサッカー好き、そして日本への関心が現れていた。政治に関係ない話題、情報はかなり開放されているようだ。

 

簡単な機内食も出て、直ぐにパガンの上空へ。やっと下を見るのに慣れてきたので、エーヤワディー川(イラワジ川)沿いに多くのパゴダが立っているのを空の上から眺めた。このような時はプロペラ機は高度が低いので、とても良い。今は雨季ではあるが、パガンは元々降水量が少なく、荒涼とした感じに見える。水田は無く、畑が少し見えるが、緑は少ない。

 

(2)パガンの市場

無事着陸すると一面青空の機外へ。非常に開放感があり、気持ちの良い景色。歩いて空港ロビーへ。入れ替わりに飛行機に乗り込む乗客と擦れ違う。如何にも田舎の空港だ。ロビーに行くとミャンマー人はさっさと外へ、外国人は入場料を支払うカウンターへ(外国人はミャンマー各地に入る際、入境料を取られる仕組みになっている。この制度は2014年頃廃止された)。今回もヤンゴン空港の強制両替のようにすり抜けようと思ったが、直ぐに見つかる。私は日本人らしくないといつも言われるのだが。FEC10。パスポートもしっかりチェックしている。

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外に出るとTTMが依頼してくれたガイドが見当たらず、まごつく。仕方がないので、トイレに行ってみる。まあまあきれいで使えるので安心した。戻って見ると全ての人が外に出てしまった模様で、一人ポツンと女性が立っていた。それがガイドのティティ(以下TT)であった。

 

TTと車に乗り込む。やはりトヨタ車。先ずはニァゥンウーの町へ。時間はまだ朝の9時、マーケットを見学する。入り口で少女が2人、ロンジーを手に『安い、安い』と日本語で話し掛けてきた。TTが非常に驚いた表情で『あなた、日本人なの?』と英語で聞いてくる。彼女は英語専門のガイド。何と私を日本人と思っていなかったようだが、市場の人が直ぐに私を日本人と見抜いたことに、ガイドとして少しショックを受けたようだ。市場の売り子は本当に目端が効く。

 

市場には様々な野菜が売られていた。ここは地元の人が日常の食材を買うための市場だ。一部観光客用の土産を売る店もあるが。売り子の女性と子供たちは一様に『タナカ』と呼ばれる日焼け止めを顔に塗っている。女性はタナカを使って化粧をするが、まるで顔に模様を書いているように見えて、何とも微笑ましい。子供たちは実に元気に走り回っている。今や日本では見られない光景だ。

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市場には日本の戦前の風情を残す店も並び、茶を売る店もあった。おじいさんとおばあさんと息子が茶を詰めたり、計ったりしている。そこだけ時間が止まっているような気がするほど、空気がゆっくりと流れている。ここパガンでは茶も米も取れないらしい。全てミャンマー北東部のシャン州より運ばれてくるという。シャン州とはどんなところなのだろうか?

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