《雲南お茶散歩2013》(5)大理 倉庫に原料を保管して

11月28日(木)

茶倉庫

翌朝はホテルで豪華なビュッフェ朝食を取る。と言っても若干の二日酔いがあり、お粥とフルーツ中心だったが。どうしてこういう時に巡り合わせが悪いのか。いや、天が食べる量を制御してくれているのだ、などと考えながら食べる。

 

そして猪さんが迎えに来てくれて、どこかへ向かう。大理も街の一角は賑やかだが、後は本当に田舎の風情が残る。そんな中を車が行くと、小高い丘の下に、倉庫が建っていた。これが茶廠の新しい倉庫だという。新しい茶工場建設の話は昨日出ていたが、先ずは倉庫か。

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中に入って分かった。大量の茶葉が詰められた袋が積み上げられていた。箱詰めもあった。『現在プーアール茶の原料は非常に不足している。特によい原料は今から確保しないと、数年先には手に入らなくなるだろう。我々は現在原料確保を第一とし、ここに保管している』というのだ。確かに工場を作る前に倉庫を作る、これが現状なのだろうが、何となくしっくりこない。

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そして別の場所にはこれまた大量のお茶が。『我々が2005年以前に出荷したお茶が市場で非常に高値になっている。ここにも良く売ってくれ、というお客さんが来るが、全て出荷済みで物はない。仕方がないので、広州あたりへ出した物を買い戻している』とのこと。出荷時の数倍の値段をつけているらしい。陳さんの目がこの時光った。『この茶、全て売ってくれ』と交渉に入ったようだが、ダメだった。

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『今は売る気がないが、韓国勢は我々の買戻し値の2₋3倍で買ってくれる』というのだ。実は沱茶はその昔は四川省など中国内で消費されていたが、今では韓国で人気が高まっている。陳さんのマレーシアと並んで、韓国にも下関茶廠の総代理店が置かれているそうだ。韓国人が沱茶を飲む、ちょっとイメージがわかない。

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ここの敷地は相当に広かった。2₋3年後には茶工場も建設され、保存した原料を使って大量生産が行われるのだろう。ただその時まで今のような消費が続くのかどうか。だから海外にも販路を広げたい、ということで、陳さんのような人材が求められているのだろう。

 

大卒のお茶屋

倉庫を後にして、大理の街へ。猪さんの車で送ってもらったが、どこへ行くのだろう。陳さんは『友達と会う』というのみ。取り敢えず下関茶廠の専売店を見学。かなりきれいなお店だった。観光客用。

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そして細い道を入った所に小さなお茶屋さんがあった。そこが今日のご縁。何と前回KLで会った復旦大学卒の華人の友人が経営しているのだという。しかしオーナーはまだ30代前半、経済系を卒業したエリートだったが、上海で働くのは嫌だといい就職口を断り、雲南にやってきて教師になった。そして数年前に大理でお茶屋を始めたという。出身は福建省だが、実家はお茶ではなく陶器の方の関係らしい。

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彼は茶産地へ出掛けて行き、自分が気に入ったプーアール茶だけを買い求め、それをネットで販売している。現代の目利き、セレクトショップ?彼のセレクションが良いせいか、お客は確実に増えているそうだ。実際飲ませて貰ったお茶も非常に美味しいものがいくつかあった。勿論陳さんも仕入れるのだが、『量が確保できないから商売にはならない』という。

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そう、これからは大量生産か、それとも少量、高品質か、そんな時代になるのだろう。本当に良い物はそんなにあるはずはない、だが、滅茶苦茶高いのもおかしい、と彼は言う。正論だと思う。

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ランチは雲南名物、過橋米線を食べに行く。彼は陳さんがお金持ちであり、しかも友人の紹介ということで、大変恐縮しながら案内していた。陳さんは『麺一杯食えば十分だ』というスタンス。どこまでも軽い。それにしても久しぶりに食べた米線は美味かった。

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