両岸三通の茶旅2015(24)南投 お茶の街 鹿谷を後にする

5月13日(水)

さらば鹿谷

今日は鹿谷を離れる日。U君は朝から自分の茶葉の焙煎をするということで、今日は会わない。そこで朝、一人で鹿谷を散歩してみた。どこの道を歩いても『凍頂烏龍茶、阿里山高山茶』などと書かれたお茶屋さんの看板が多い。ここはお茶で出来上がった街であるということを改めて感じる。他にも『茶梅』を売る店もあれば、有機肥料を売る店もあり、包装を専門にするところさえもある。大きな道路から少し入れば、実に静かな田舎ではあるが。

DSCN4801m

DSCN4802m

 

インドネシア語やベトナム語が時々見られ、出稼ぎの外国人が多いことも察知された。今やお茶の大きな問題点は労働力。茶摘みのためにベトナムあたりからやってくる、いわゆるベトナム新娘(ベトナム花嫁)と呼ばれる労働者を見掛けることも増えている。だが、その茶葉の摘み方は完全に現金主義。『出来るだけ早く、出来るだけ沢山摘む』ことになってしまい、製茶段階ではもはや修正できない場合が多いと聞く。台湾茶業と外国人労働者、どうやってきちんとした茶摘みをやってもらうか、良質な茶葉原料を確保するか、茶業の基本、実に大切な問題がここにある。勿論一般のお手伝いさんなども沢山来ていることは言うまでもない。

DSCN4804m

 

11時頃になり、腹が減ってくる。バスは12時発に乗ればよいので、昨日食べ損なった牛肉麺の店に行く。さすがに早過ぎたのか、奥の方で麻雀の音がするが、ちょうど主人が出てきたので『牛肉麺』と言ってみると、特に不機嫌でもなく、『はいよ』と言って作ってくれた。麺だけだと寂しいので、ついでに魯肉飯まで頼んでしまう。これはどう見ても食べ過ぎだとは思ったが、頼んでしまった以上、責任を持って完食した。これでいいのだ、美味いんだから。

DSCN4806m

 

12時前に世話になった宿を出た。自動の鍵でガレージを上げて外へ出てから、今度はガレージを下げるボタンを押して、素早くおばあちゃんに鍵を渡した。これで完璧、おばあちゃんはガレージの向こうに消えた。荷物を持って、バス停まで歩く。12時は過ぎていたが、果たしていつバスがここを通過するのか、分からない。見ていると『この停留所でも12時以降は毎号3席の座席を確保するので並んで待つように』との表示が出ている。確かにバスが満員だった場合、途中から乗車する住民は乗れないことになる訳で、このような配慮がなされているのだろう。

DSCN4808m

 

バスは20分過ぎにやってきた。小銭を用意していたが、何と遊遊カードが使えたので、お釣りの心配などなかったのだ。勿論平日なので、席にはかなりの余裕があり、普通に座れた。4日前の来た道を反対に走るだけ。周囲を見ることもなく、完全に油断して寝入る。気が付くと、既に目の前に台中駅が見えた。一瞬、高速鉄道の駅を通り過ぎたか、と焦ったが、何とか降りる。駅ではすぐに台北行きの切符が買えた。ロイヤルホストが駅弁、を売っている。ファミマでポカリスエットを買う。ここは日本か?高鉄台中駅は後から出来た高架駅なので、周囲が良く見渡せる。電車に乗り込むとその快適さからか、すぐにまた寝入る。そしてあっという間、1時間後にはに台北駅に着いてしまった。鹿谷の茶旅は夢の中で終了した。

DSCN4814m

 

7.台北2

古亭付近

駅前から定宿へ向かう。宿も駅前だから何とも便利だ。リビングでちょっとネットに触っていると、もう夕方になってしまう。今日は台湾最後の晩。何故か昨年台北で怒涛のように知り合ったお茶関係者Yさんが一昨日から台北に舞い戻っているのを知る。お互い『これは会うしかないでしょう』ということになり、まずは彼女の勤め先を訪ねることにした。その勤め先とは日本の台湾茶関係者なら誰もが知っているという有名店『小曼』。一体どんなところ?

 

ところが私は行ったこともなく、どんなところかも分からない。ただ人の話から総合して憶測すると、『私には似合わなさそうな場所』という先入観念が完全に働いてしまい、見に行こうとさえしなかったのだ。そこは女性が行くところ、女性が好きなところ、という判断はきっと間違っていないが、見てみるという柔軟性はあってもよい。だがある人いわく、『一度は見たほうが良い。如何にお客さんに物を売っていくか、いや何をお客が求めており、何を売るか、ということを考えさせてくれる場所だ』と。まあこれもご縁、行ってみよう。

 

地下鉄で古亭駅まで行く。そこから歩いていくと、台湾師範大学があった。私自身は初めて正門前を通ったが、その昔、台湾で中国語を勉強する人は殆どがまずここに来たのではないだろうか。そういう意味でとても有名な大学なわけだ。周囲には学生が沢山歩いており、欧米人や韓国人なども何人も見掛けた。今でもここで勉強する留学生が多いのだろうか。

DSCN4816m

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です