《雲南お茶散歩2013》(3)大理 お金持ちの心得

11月27日(水)

2. 大理

大理までバス

翌朝ホテルで朝食を取り、チェックアウト。タクシーに乗り込み、バスターミナルへ。陳さんは慣れているのでさっさとこなしていく。そして大勢が並んでいる中、自ら私の分までバスチケットを買ってくれた。感謝。

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バスは普通の長距離バス。陳さん、お金があるのだからタクシーなどで行かないのか。『そんな無駄は良くない』と一言。そして『バスの方が景色は良く見えるだろう。お前の為にそうしているんだ』とも。何とも申し訳ないが、陳さんも楽しそうにしているから面白い。

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バスから見える風景はきれいな田園だったり、天気が良いせいかくっきり見える山並みとか。確かにこんな風景を見ながら茶工場に向かうのが良いように思う。3時間ぐらい走ったらトイレ休憩。ちょうど昼前で食事タイム。乗客は店に駆け込み、次々に食べ物を買っている。陳さんは慌てない。最後になってからゆっくりと店員に『麺2つ』と告げる。

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それから店員が麺を作り始める。結構時間がかかり、食べ始めると周囲から人がいなくなっていた。ちょっと不安になったが、陳さんは『辛いな、これ』と言いながらゆっくり食べている。バスに戻ると運ちゃんが『やっと帰ってきた』という顔をして出発。我々を待っていたようだ。それでも陳さんは平然としていた。これが重要なんだろうな。

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それから1時間ほどで、大理の街に入った。ここには27年前にやってきたが、雰囲気としてはそれほど変わっていない印象があった。勿論ビルは建ち、人々の服装もよくなっていたが、きっと風が吹いていたからだろう。昔もそんな印象があった。

 

バスターミナルでバスを降り、白タクを避けて道へ出た。私はてっきり茶工場の人が、迎えに来ていると思ったのだが『それは断った』と一言。陳さん、せっせと自分でタクシーを拾おうとするが、なぜか捕まらない。結構困る。最終的に通りかかった白タクに拾われ?ホテルへ。

 

ホテル

そのホテルは実に立派だった。これまでケチケチできていた陳さんが大変身か、と思ったが、『下関茶廠が予約してくれるんだ。この辺では一番いいホテルさ。俺は泊まりたくないけど、彼らの顔を立てることが中国では何より大事さ。勿論部屋代は自分で払うようにしている』と。

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『ビジネスの世界では相手の行為は必ずしも好意ではない。相手は何か目的があって親切にしてくれるのさ。悪い人とか良い人とかではなく、その親切に甘えることが自分を追い込んでいくことになるのさ』とも陳さんは言う。本当にお金持ちは大変なんだな、とこのとき気が付いた。相手は頼めば何でもしてくれる。でもそれでいい気になっているとある日、その反動がやってくることをこの人は知っているのだ。いや、既に何回も経験しているのだろう。『折角引退して自由の身なんだ、お気楽にやらないと面白くないよ』、なるほどその通りだ。

 

それにしてもこのホテル、眺めがよい。横を流れる川が、湖に注ぎ込んでいる。空は青く、くっきりしている。今の中国ではなかなか望めない環境だ。『これでも一番安い部屋を頼んでいる』と言いながら、部屋もかなり広い。VIP待遇だ。

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約束の時間になり、茶工場へ向かう。しかしここでの迎えすら断っていた。ところがホテルなのに、タクシーは1台もいない。この街には普通のタクシーはほとんど機能していないのではないだろうか。今回は白タクすら来ない。いよいよ万策尽きて、陳さんは電話を掛けた。10分で茶工場の人が迎えに来た。『だから言ってくれればいいのに』と言われ、頭を掻く陳さん、何とも面白い。

 

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