両岸三通の茶旅2015(5)台北 青田から松菸へ

5月1日(土)

遊山茶房で

実は本当であれば、今朝金門島へ行くはずであった。だがなぜか金門行きのフライトが2日目に殆どネットから消えてしまったのだ。1日に5便もあるフライトが急にすべて売り切れるとはとても思えないので、何か操作があるのだろうが、いずれにしても翌日のフライトを買ったため、今日丸一日が、完全に空いてしまった。さてどうしようかと思っていると、東京の知り合いから、台湾人を紹介されたので、彼女に会うことになった。

 

私には1つ行かなければならいところがあった。これまでも何回か行っている遊山茶房。だが最近お客が多いらしく、連絡はしたものの、行くことができないでいた。今回偶々空いた1日、先方の時間が取れたので、急遽行くことになった。ついでに紹介された台湾人女性、シェリーも連れて行くことになった。何ともいい展開だ。

 

東門駅で待ち合わせ、昨日も行った青田七六を通り過ぎるあたりには、いくつか日本家屋がある。遊山茶房は予約制なので、いきなり行ってもドアが開かない。シェリーは初めてなのでちょっと驚いている。彼女は台湾生まれだが、3歳でニュージーランドへ移住し、日本の大学にも留学経験があり、英語は勿論、日本語を話す。会計士として、香港や北京でも働いたことがあるという異色の経歴の持ち主。結婚を機に台湾に戻ったという。面白そうだ。

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いつものように楊経理がにこやかに出迎えてくれた。ただかなり忙しいようで、ちょっと疲れ気味の様子。それでも、店内を案内した上で、お茶を淹れてくれる。シェリーは茶芸館が初めての経験のようで、とてもいい雰囲気だと喜んでいる。彼女は台湾人だが、感覚は外国人なのかもしれない。美味しいお菓子を出してくれたが、楊さんは用事があるといって、出掛けてしまったので、我々も直ぐに退散した。商売繁盛は良いことだが、ちょっと心配なほどだ。まあここが人に知られ始めると、そうなるんだろうな、とは思う。そんないい空間だ。

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松菸

どこかでランチを食べようと思ったが、休日の永康街は人で溢れており、ちょっと腰が引ける。シェリーは自分の地元に行こうと言い出し、地下鉄に乗り、市政府駅で降りる。駅のところにあるショッピングモール、その地下が穴場だという。立派なビルの地下なので、値段の高いレストランが並んでいると思いきや、リーズナブルな店もある。入った店は、『We share everything』という名前。

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その名の通り、キッチンをシェアして、各国料理を提供している。台湾料理もあるが、日本料理も洋食もある。私はなんとマレーシア料理、海南チキンライスを注文してみたが、これが意外や本格的。なかなかやる。店はシックな雰囲気で、広々としており、ソファー席もあったりして、リラックスできる。席と席がかなり空いているので高級感がある。これは確かに良い。

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食後、忠孝東路を歩いていくと、広々としたスペースが出てくる。日本統治時代のたばこ工場跡。こんなところがあったなんて、知らなかった。そういえば昨晩行った華山は酒工場だったな。最近このような場所が活用され始めたということか。ガラス工房があり、きれいな室内があるかと思えば、古い建物を活用しているところもある。松山煙草工場、という看板が掛っているところもある。工場や倉庫、事務所などを存分に活用しており、庭の雰囲気もなかなか良い。

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古い建物の中ではイベントなどが行われている。シェリーは私を単純に案内してきたと思っていたのだが、実はここのイベントに興味があったようだ。何と東京都の墨田区がブースを出し、ガラス工芸などを披露していたのだ。そしてそこには例のふうせん屋のSさんの会社の商品も展示されていた。初めてこれで繋がった。Sさんが来ていた理由は、このイベントへの参加だったのだ。墨田区以外にも日本のモノを売り込んでいるブースがいくつもある。そしてシェリーは日本のモノを買い付けて、台湾で売るのが今の仕事だったのだ。なるほど、この円安で、質の良い日本商品は大人気になっている。『昔は自ら日本に買い付けに行ったものだが、今では台湾に居れば、日本がやって来る』というシェリーの言葉を何となく複雑な思いで聞く。

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台湾の大型書店、誠品の建てたビルもあった。上はホテルらしい。この書店、すでに書店の域をはるかに超えている。このビルも1₋2階は生活雑貨のテナントが並ぶ。但しかなり高級、またはこだわりがある物のみ。いわゆる選りすぐりのグッズが売られている。そして3階は書店スペースだが、何と茶荘も沢山並んでおり、本とお茶のコラボが行われている。書店に喫茶スペースがあるのは今や普通だが、いくつもの茶荘が、それぞれの店を出し、お茶を飲むことも出来るし、買うことも出来る、こんな本屋初めて見た。

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そして地下へ。世界的な賞を取ったというパン屋がある。何とかなりの行列ができており、ビックリ。シェリーがパンを買うというので、一緒に並んでみる。20分ぐらいで店内に入り、明太子のフランスパン、クリームパンを買って帰る。値段は思ったほど高くはない。あとで食べたら確かに美味しかったが、並んで食べるほどかどうかは?今や台湾でもこの店を真似て、パンのブームが起きているとか。

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