四国・和歌山・静岡茶旅2015(7)徳島 スカイプ会議と農家民泊

温泉とスカイプ会議

本日宿のオーナーさんは多忙ということで、外で食事をとることになっていた。あの囲炉裏で食事ができるのかと期待していたのだが、ちょっと残念。まあこれもご縁。仕方がない。それでもIさんは色々と仕掛けてくれる。この上勝にある月ケ谷温泉に連れて行ってくれ、またまた温泉に浸かる。これで3日連続、何と贅沢な旅だろう。入浴だけなら520円。素晴らしい。

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入浴後、ここで食事をとる。一石二鳥、というか、周囲に食べる所がないのかもしれない。そこでは人気のご当地メニュー、かみカツ丼を食べる。どれだけカツ丼が好きなんだ、と言われそうだが、これはしいたけで作ったカツだった。サクサク頂く。面白いメニューだった。

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実はなぜここに来たのか、もう1つの理由があった。この温泉で午後7時から会議があるというのだ。てっきりお茶関連の地元の会議だと思って見学させてもらう気でいたが、何とスカイプを使い、東京と徳島市内及び上勝の3か所を結ぶスカイプ会議だった。この温泉宿の広い会議場のスクリーンを使い、他の2か所を映し出している。だが、この会場にはIターンしたという若者が一人いるだけ。あとの人は来ないのだろうか?

 

『この会場は私だけです』とその若者は言う。それで我々も参加者に入れられていたのだ。彼は彩ビジネスに興味を持ち、都会から意欲を持ってやってきた。いろどり晩茶を売り込むのも彼の仕事。現実はなかなか厳しいようだが、それでも前向きに取り込んでいるところがよい。

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スクリーンの向こうでは既に東京会場でワインを飲み始め、徳島のレストラン会場ではシェフが食事を作り始めた。なんだこれは、一体。聞く所に寄れば、東京の会社が『地方の商品をどのようにして売るのか』というテーマで仕掛けているらしい。どのように宣伝し、どのように売るか、それは重要なテーマであるが、地方には情報が乏しいということで、このようなスカイプ会議を企画し、地方の生の声を聞き、皆で話し合うらしい。

 

8時ぐらいになり、ようやく自己紹介が始まり、上勝の若者が阿波晩茶、彩事業としての商品名は『いろどり晩茶』のアピールをしている。先方は既にお酒も入っており、何とも楽しげな様子。これは会議だろうか?このラフな雰囲気が良いのかもしれないが、何だかちょっと腑に落ちない。東京会場からはK和尚に『瞑想とかに興味あるんですー』などという質問が飛ぶ。完全に迷走、酩酊している。

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商品はお茶の他、塩や麺があるようで、若者は話の機会を捉えては、先方に紹介していく。先方も自らの企画を紹介し、また商品の意見交換が始まる。地方で働きたい若者を送り込む、ということも検討されている。まあ楽しみながら、相互理解を図り、堅苦しくない連携を求める、それもまたよしか。日本では今こんな形態の連携が進んでいるということを知り、勉強になった。

 

真っ暗中、宿に戻るが道に迷う。田舎の夜は暗いし、道は極めて分かりにくい。何とか到着すると、家の中はかなり寒いがエアコンなどはない。石油ストーブが置かれているが、S君は『こんなの点けたことがない』としり込みするので、私が点けようとしたが、何と40年ぶりぐらいなので、ちょっと腰が引ける。ある意味、石油ストーブを点けるだけでもタイムスリップできるということを知り、驚く。布団はふんだんにあったので、厚めに掛けて、早々に寝る。

 

3月13日(金)

怒涛の朝食

朝は鳥の鳴き声で目が覚める。既に7時近くなっていた。疲れが出たのだろうか。そこへ少し開けにくくなっているドアが引き開けられ、人が入ってきた。薄目で見てみると、おじさんとおばさん、そして幼い女の子がやって来た。おばさんは台所に入り、朝食の支度を始めた。おじさんはその辺を整理し、囲炉裏付近を片付ける。皆慌てて起きる。

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野菜を刻む音、みそ汁の良いにおい、何だかとても懐かし気分になってきた。その昔のおばあちゃんの家を思い出す。女の子が何とも可愛らしいが、なかなか近づいてこない。僅か30分で、凄いボリュームの朝食が運ばれた。昼のランチより多いんじゃないか、と思うほど。囲炉裏を囲み、皆で食べると実に美味しい。食べ過ぎと分かっていても、お替りしてしまい、完全に腹がパンパンになる。

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ここのオーナーが言う。『過疎化していく農村を知ってもらいしたいし、とにかく人に来てほしい。そうすれば何かが変わる。その思いで農家民泊を始めた』と。実際は色々と大変なことも多いだろうが、少しでも村を変えて行こう、という姿勢が素晴らしい。昨晩は忙しかったが、いつもなら、この囲炉裏で鍋を囲むこともしているらしい。是非次回は鍋を食べてみたい。日本人のある程度の年齢の人なら、この懐かしさは伝わるだろうし、若者なら新鮮に映るかもしれない。そして外国人なら、日本の以前の生活を知る機会を得て、大喜びだろう。

 

フェリーで

農家を離れて、車で徳島市内へ向かう。元々の予定では四国一周だったが、Iさんが私の意図を汲み?和歌山県の龍神村へ行くことになった。ちょうどK和尚も高野山へ帰るのでそれを送る意味もある。車は途中道の駅に寄り、徳島の特産品を買う。それから市内のフェリーターミナルへ入る。このカーフェリー、何と夜中も出ている。四国と和歌山、私が思っているより遥かに近い。

 

車が2列に並び、船の口が開くのを待つ。車のナンバーを見ると四国全県、関西圏、名古屋圏など実に多彩。鳴門大橋を通って関西へ行くのかと思いきや、意外と和歌山ルートが便利らしい。バイクで日本一周している若者もいた。このフェリー、かなり認知されているようだ。

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客室に上がると、大広間のような場所に寝転ぶこともでき、座席に座って弁当を食べることも出来た。上の階へ行くと外に出られる。風が少し強いがいい天気で、周囲もよく見えるが、乗客は結構乗っているのに、ここに出てくる人は殆どいない。皆初めてではないのだろうか。フェリーは2時間ほどで和歌山に着いた。四国と和歌山の結びつき、を知る実に良い機会を得た。歴史的にはこのルートはかなり重要だったはずだ。お茶の流れにも関係あるかもしれない。

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