華南お茶散歩2015(5)広州茶葉市場で考える

茶葉市場で考える

I夫妻と合流して、芳村茶葉市場へ向かう。今日は土曜日なのでタクシーがいるか心配したが、タクシーに乗って食事に来る客が多く、すぐに捕まり、乗車するとすぐに着いてしまう。平日とはかなり交通量が違う。茶葉市場自体は閑散としていた。というより、この市場、大き過ぎるのだ。茶荘が5700も店を構えているという。最初は小さな店の集まりだったのだろうが、いつの間にか大型ビルができ、それが広がり、道の両側一杯にお茶屋が広がった。文字通り、中国一、いや世界一の茶葉市場かもしれない。

 

初めてやってきたMさんは目を丸くして『こんなに沢山あるんですか?』と。彼女は日帰りで広州に来たが、茶荘を2₋3見て、それから布市場にも足を伸ばそうなどと考えていたらしい。半日程度ではそれは全く無理であることを瞬時に悟ったのであろう。私がもう少し情報を与えるべきだったと反省した。

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前回も行ったお茶屋に入る。ここの奥さんはやり手の潮洲人で、高価な単叢などを扱っている。旦那は人の良い湖南人だが、最近この付近の家賃が急激に上ったこと、更にはビル全体の改装費の徴収など、出費が嵩んでいるようで、色々な商品を出してきて、何とか買わせようとしている姿がちょっと痛々しい。それぞれ事情というものがあるとは思うが、今の中国で長い付き合いをしていくのはなかなか難しいなと感じる。結局いつものプーアール茶を購入して去る。

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それからアーケードの下を歩いていく。ここは古くからある場所で、I夫妻の昔の馴染の店に立ち寄る。家賃もここの方が安いようで、かなり温和なムードが漂う。その代りトイレなどは入り難い。お客も殆ど歩いていない。いつも思うのだが、この人達はどうやって商売しているのだろうか。卸売だからいいのだ、という声もあるが、いくら中国人でもそんなにお茶ばかり飲まないだろう。コーヒーもあれば他の飲料も増える中、どこに収益源があるのか、不思議でならない。

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ビルに戻り、いつもの茶道具屋に行く。ここにはいつも人がいる。Mさんはパッと茶器をみて、早々に姿を消す。女性だとここに入ったら、30分は出てこないことを経験から知っている私とIさんはゆっくりとオーナー夫人の淹れるお茶を飲む。オーナー夫妻は旧正月にフランス旅行に行くとかで、フランスの話で盛り上がる。この店、相当に儲かっているなと分かる。オーナーは実に地道な商売をしている。20歳の娘(1995年生まれ)と17歳の息子(1998年生まれ)も学校が休みになると手伝いをしている。景気に左右されず、1つずつ丁寧に物を売る姿勢、それが財を成す根幹のようだ。

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大通りを渡り、道の反対側へ行く。前回も行った全く愛想のないおばさんの店へ進む。愛想はないが、品揃えは凄い。今回は100年前の茶の化石?が店頭に置かれていた。一体何なのだろう?その疑問は誰もが持つが、それに答えてくれる人はいない。お茶の試飲も出来ないが、また紅茶を買ってしまった。ここの紅茶がなぜうまいのか、それも謎だ。仕入れはご主人の担当らしい。いつかいる時に話を聞いてみたい。

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何だかんだで時間が過ぎた。Mさんは帰りの電車も予約しているため、ここでタイムアップとなり、皆でタクシーを捕まえて、Mさんを地下鉄駅で下ろし、ホテルに戻る。付近は土曜日の夕方で人の波、パワーを感じる。何だか腹が減ったので、近くのファーストフードっぽい店に入り、軽くご飯を食べる。広州では何を食べても美味しい。幸せな気分で部屋に戻り、ごろ寝。

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ウトウトしていると、時間はどんどん過ぎ、I夫妻の部屋でマカオの英記茶荘で仕入れたお茶などを試飲して過ごす。するとまた腹が減り(広州ではとにかく腹が減るのだ)、夜の9時頃I夫人と共に食事調達に出る。ホテルの横で牛雑という煮込みを買い、馴染の店で雲吞麺や腸粉などを調達。これを部屋に持ち帰り、食べる。これは安上がりでしかもうまいので、言うことはない。食事に関して広州は誠に贅沢な所である。

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1月25日(日)

再び茶葉市場へ

今朝はゆっくり起き上がり、テレビなどを見て過ごす。何だか疲れが出てきていた。自覚がある場合無理はしない。それでも書かなければならないものなどもあり、午前中は瞬く間に過ぎていく。今日はI夫人の知り合いの日本人女性が香港から来るという。到着を待って茶葉市場へ行く。彼女は東京から出張で香港に数週間滞在しており、今日は休みで合流予定とか。

 

電話が来て、ホテルロビーに行くと、I夫人が『お昼食べた?』と聞く。勿論食べていなかったのだが、何と『私たちは食べた』という。この辺が如何にもI夫人らしいところ。私たちのランチはどうなるの?すると近くの沢山人が並んでいる店に入り、肉まんをテイクアウトする。これを持って茶葉市場へ行き、昨日も行った茶具屋でお茶をもらって食べるようにとの指示だ。さすがというか、何というか。

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茶具屋の娘、大学で英語を専攻する彼女は前回会った時から好印象だが、さらに磨きがかかっていた。何とこの茶具屋、このビル内に5店舗もの店を出していた。通販も好調だという。今日は彼女が我々を連れて、各店舗を回った。置物の店、本屋、通販、凄い発展ぶりだった。しかしこれだけ拡大してお客は居るのだろうか?この店のオーナーのことだ、ちゃんと計算はしているだろう。娘は嬉しそうに案内して回る。彼女が将来ここのオーナーだろうか。

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