華南お茶散歩2015(4)これぞ広州、夜飲茶

夜はいつもの陶陶居

夕方までネットを見たり旅行記を書いたりして過ごした。その内、サッカーのアジアカップが始まった。今日は日本対UAEの準々決勝がある。その前にイラン対イラクの因縁の一戦を見る。非常に激しい試合だったが、何とイラクが上手く試合を運び、PK戦をものにした。イランの方が格上と思っていただけに嫌な予感が。そして日本戦、相変わらず活力が感じられない。結局PKになり、簡単に破れてしまった。何だか拍子抜けだな。

 

この試合はなぜかI夫人もやって来て一緒に観戦した。私の悪い癖、自国チームを応援しない、を出さないように努力した。家でこういうイライラした試合を見ているとかみさんに『非国民』呼ばわりされるので困る。それにしてもこの敗戦がアギーレ監督に決定打を与えてしまった。混迷の日本サッカーはどこへ行く?

 

そして夜も9時前になり、お決まりの陶陶居へ繰り出す。I夫人の言う『夜飲(夜の飲茶)』の時間である。広州の人は本当に贅沢だ。朝は早くから飲茶(何度も書くが飲茶は朝するもの)、そして夜遅くは宵夜(夜の軽食)を楽しむ。この時間でも沢山の人が店に詰めかけ、席がないこともある。今晩は2階の反対側も開放(昨年8月はなし)、さらに3階も営業しており、席にあり付く。I夫人からは『明らかに広州経済は上向いている。昨年とは大きな違いだ』と言われたが、私個人はこの時点ではかなり懐疑的だった。確かに店に客の入り、そして席の配置や営業時間など、広州ではこの辺が1つの参考指標になることを学ぶ。

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気候的に寒い時期、冬瓜スープを頼んだが、既になかった。広東人はスープが命、健康の秘訣はお茶もあるが、スープの存在が大きい。そして体に良い根菜類を自然に食べている。ラインナップを見るだけでも、香港や広州の人々の食と健康に関する考え方が良く分かる。体を冷やさないことが基本だと思う。日本人は西洋の真似をして、生野菜をサラダとして食べているが、少し考え直すべきかもしれない。愛想のないおばちゃん店員を宥めすかして、お湯を注いでもらいながら、好物の焼きそばを食べる。これぞ広州だ、と感じる。

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部屋に戻ってもネットが繋がるので遅くまで格闘してしまい、その上NHKも入るのでたまのテレビを楽しむ。そして何とシャワーも浴びずに寝る。ベッドがフカフカで心地よい眠りが保証される。

 

1月24日(日)

お湯漏れで

朝もスッキリ起きる。そして湯船にお湯をため、朝風呂を楽しむことにした。だが、お湯がなかなか溜まらない。よく見てみるとバスルーム全体が濡れているではないか。何とバスタブから湯が漏れている。これではいつまで経っても入れないし、何よりバスルームから下の階への影響が心配される。このホテル、かなり古いので表面的な改装はしていても基本的な水回りの老朽化は否めない。

 

フロントに電話すると掃除のおばさんが駆けつけてきた。実はこのおばさん、チェックインした時に言葉を交わしており、既に仲良くなっていた。湖南省から来て10年以上働いているらしい。彼女は一目見て状況を理解し、修理工を呼んでくれたが、すぐには治らないことは明らかとなり、部屋変えを申し出た。担当者が『朝はまだお客がチェックアウトしていない』などと四の五の言うので一喝し、部屋を移った。

 

ところがその部屋は先ほどの部屋より明らかにダウングレードしており、納得できない。迷惑をかけた上で、悪い部屋を提供するバカがどこにいる、というと、すぐさままた別の部屋を用意する。この辺の中国流、顧客対応術に慣れない日本人はかなり翻弄されて、怒り心頭に発するだろうが、こちらは顔では怒っている振りはするが、それは芝居で、先方の出方を読みながら交渉に当たる。これを日本で行うと『クレーマー』とか『強請たかり』と呼ばれることは肝に銘じなければならない。繰り返すが中国ではこれを『交渉』と呼ぶ。

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次の部屋は広さとしては左程変わらないが角部屋であり、明らかに雰囲気が良かったので、ここにお引越しした。そして早々に湯を溜めて、風呂を楽しんだ。時間をかなり使ったが、そこは中国、諦めるしかない。そこへ電話が鳴る。今日は香港在住の日本人女性Mさんがやって来て茶葉市場ツアーに参加する予定になっていたが、随分早い到着だった。彼女は予定より早い列車に乗ってきたらしい。

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このMさん、確か3年ぐらい前に香港で知り合いの紹介で夜10時にいきなり会ったKさんに付いてきた女性。そしてその2日後には私の全行動に1日付き合い、恐るべきバイタリティでその人脈を吸収し、香港転職も成功させ、今日に至っている。当初は英語もできないとのことだったが、今では立派にこなしている。

 

ちょっと早いがランチに繰り出す。ところが今日は日曜日、どこも満員で入れない。辛うじて、以前行った店に空きがあり、相席で滑り込む。ここも地元民がダラダラお茶を飲んでいる傍らで、外から来た観光客が忙しなく、点心を食べている。このギャップがすごい。相席のばあちゃんが『これ美味しいよ』と食べ物を差し出してくる。そんな光景がいいのだが。

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