ミャンマー決死行2014(13)ヤンゴン 洪水の中で

買い物

昼過ぎに雨が止んだ。TTMは早々に動き出す。タクシーを呼んで買い物に出掛ける。私も付いていく。橋を渡る。今日もスムーズ、嬉しい。車は一軒の絨毯屋?の前で停まる。絨毯の他、様々な種類の敷物を売っている。しかもそれは完成品ではなく、あくまで材料。お客はそれを買って行って、自分で加工するのだという。今や日本ではなかなかない形態だが、ミャンマーではお客のニーズに合わせた商品がないので、こうなるらしい。

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TTMは一体何を買おうとしているのか。聞いてみると、雨に備えて、玄関のところに敷くマットが必要らしい。玄関のサイズを図ってきており、それに合わせて、中国から来たプラスチック製の敷物を買う。布と同じで1mいくらという計算で売っている。お客と店員が知恵を出し合って材料を選び、自分で加工する。私にはできない技である。それにしても中国のプラスチック製品は安くて豊富。アジア市場を独占している。

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それからTTM家のある住宅地区のスーパーへ行く。色々と買い物するのに付き合った。どんなお茶が売っているのだろうと見ていると、突然の停電。まだ暗くなっていないので問題はなかったが、いまだに、しかもこんな時期でも停電があるのか、ヤンゴンは。ここが郊外の古い住宅街だからだろうか。ちょっと驚く。ここでかゆみ止めを買う。蚊に刺されたので、仕方がない。地元の薬の方が効くだろう、という判断。

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最後にケーキを買う。私からの愛ちゃん誕生祝だ。と言っても愛ちゃんは食べられないのだが。愛ちゃんは今のところ、母乳生活。SSも結構苦労しており、体力を付けなければならない。好物のチーズケーキでも食べて、元気を出してもらおう。

 

Tさん

夕方、ご近所のT先生のところへ行く。T先生は、ミャンマー滞在10年の日本人、建設系のお仕事をしておられた方で、時々お邪魔している。いつもブログでミャンマーの庶民の生活を織り交ぜた生情報を提供しており、有力な情報源である。

 

ちょっとご挨拶のつもりが、まだ陽のあるうちから、お酒が出てきた。日本のおつまみを食べながら話を聞く。ミャンマーの物価が急に上がったような気がするのだが、という問いには『ミャンマーには少額貨幣がないので、値上げする時は上げ幅が大きくなる。ミャンマーの庶民のためにはまずは少額貨幣を作るべし』との答え。なるほどのその通りだ。タイなどは細かすぎると思うほどの、少額コインがあるが、ミャンマーにはコインもない。

 

昨日走って来た高速道路にしても、建設専門家から見えれば『完全な手抜き工事』らしい。入れるべきものを入れていないとか。だから補強工事が必要なのであり、しかし補強するぐらいならやり直した方が早いらしい。突貫工事もよいところ。これではトラックを走らせるなど、できるはずもない。

 

ちょっとのつもりが気が付けば、2時間も長居してしまった。申し訳ない。それにしてもミャンマーは奇想天外。昔の中国を思い出させる。今や中国は普通の国に近づいたな。ミャンマーも来るたびに変化しており、その内に普通の国になって行くのだろう。でも普通とは何だろうか?

 

ビジネスビザへ

実は数日後に息子がTTM家に世話になりに来ることになっている。彼はバンコックでビザを取り、ミャンマー入りする予定となっているが、色々と話しているとどうも観光ビザではなく、ビジネスビザの方が良いという結論に達した。ビジネスビザなら、ヤンゴンの空港でアライバルビザが取れるという。その為の書類作りが急遽始まった。

 

その関係で息子のパスポートコピーが必要だと分かり、メールで東京に依頼する。だが私のメールは何とか、向こうに着いたものの、向こうから来たメールを開くことが出来ない。パスポートコピーが重いようだ。これがないと作業が進まない。結果、電話連絡により、Faxで貰うことになった。何だかレトロな世界だな。

 

3種類の書類を作ってもらい、手渡された。これと申請書を空港で出せば取れる、と言われたが、ちょっと前のミャンマーでは考えられない変化がここにもあった。事実息子がヤンゴンの空港に行ってこの書類を出すとすんなりビザがもらえたらしい。ただし、アライバルビザを申請する人が増えており、空港でかなりの行列になったとか。1時間は待ったというから、それもまた大変だ。

 

11月6日(木)

洪水発生

夜中に屋根を叩く音がすごかった。大丈夫かなと思うほどだったが、朝起きてみると、本当に私のベッドの横が雨漏りしていたのには驚いた。凄い状況だ。そして外を見ると、家の玄関の外側に水が近づいていた。このまま降り続ければ、床上浸水もあるのではないかと思われた。しかも昨日のT先生の話では、この住宅街の灌漑も酷いらしい。とても大量の水を捌ける状況にはなく、本来ならモーターを買って汲み上げなければならないが、それもしていないという。どうなるんだろう?

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その後も雨は降り続いたが、なぜか水位はそれ以上上がらず、結果的には事なきを得た。なぜだろうか?よくわからない。ただこの2日間、殆ど雨、雨季は終わっていなかったばかりか、更に続いていたのだ。タイとミャンマー、バンコックとヤンゴンでも気候はかなり違うようだ。

 

美味しい炒飯を食べ、フルーツを食べ、何だか実家でボーっとしているような気分だ。既に私には実家というものがない。ここが実家になるのかもしれない。TTMは『我々は家族だ』とよく言う。私も段々そう思えてきた。息子もそう思うだろうか。

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タクシーを呼んでもらい、空港へ向かう。既に水はある程度退いており、靴が嵌ることはなかった。しかし車が走り出すと、至る所で水が浮いていた。ミャンマー人は洪水になれており、この程度なら裸足で傘を差して歩いている。そこで生きていく、ということは全てを受け入れなければならない。私はまだミャンマーの全てを受け入れることはできないようだ。

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空港に着くと、呆気なくTTMと別れた。まあまた会えるだろう、と思うので。空港のフリーWiFiは繋がりにくいので、カフェに入り、ネットを繋ぐ。ようやく現世と繋がったような気分になる。今回はシャン州の山の中で世俗と離れた生活を送った。これはとても大きな経験だった。

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