ミャンマー決死行2014(10)発展していないマンダレー

メミョーの牧場

車は3日前に走った道を戻って行く。が、3日前がかなり昔のように思えるほど、ミョーテイ村の衝撃は大きかった。メミョー手前に牧場があるというので、寄って見ることになった。ところがなかなか見つからない。表示も何もないので、Tさんも以前の記憶が頼りだ。ようやく見つかり中へ。

 

ここは牧場というより、ちょっとした自然公園にレストランが併設されている感じ。かなり奥まで行ってみたが、馬が少しいただけだった。これから牛を入れてテーマパークになるのだろうか。それでもミャンマーとしてはきれいな造りの庭があり、いい感じではある。ミャンマー人の国内旅行ブームが始まりそうな中、今後が楽しみだ。

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レストランまで歩いて戻り、食べ物を探す。プリンが目に入ったので頼んでみる。思ったほど甘くなく、まあまあ美味しい。プリンもお茶もそれほど値段は高くはなく、お客さんも結構入っており、取り敢えずは成功なのかもしれない。家族連れが多くみられ、これからのマイカー時代の到来を予感させる。道路を見ると、中国製の大型バスが停まっていたが、乗客はいない。何と中国から新品の輸送中だったのだ。これからはバスもどんどん増えていくだろう。ビジネスも従来とは変わってくるかもしれない。

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因みに道路を何となく眺めていると、車のナンバープレートは圧倒的にヤンゴンが多い。やはりヤンゴンばかりに車が集中しているのかと思いきや、『ミャンマーでは輸入された場所で車を登記して、その後地方へ持って行っても登記変更しないことが多い』とTさんに説明されて納得。

 

それからメミョーを走り抜け、3時間ほどでマンダレー市内へ入った。まだ暗くはなかったがTさんが予約してくれたホテルへの道が良く分からない。道には番号が付いていて簡単だと思ったのだが。それでも何とか到着すると、そこには目立つ立派なホテルがあった。

 

5.マンダレー

発展していなかったマンダレー

そのホテルは周囲を圧する高いビル、如何にも華人がやっている感じだった。フロントでは英語が通じ、サービスもよかった。10年前にマンダレーに宿泊した時も、ミャンマー内でこの街だけにはホテルサービスというものが感じられたのを覚えている。ようはお客のニーズにこたえようという姿勢があることだ。

 

部屋は広くはないが、きれい。とにかくミョーテイ村ではシャワーすら浴びていなかったので、まずはシャワー。お湯が出るのが何とも嬉しい。久しぶりに爽快感を味わう。日本人は何と言っても風呂が大切、と実感する。ただこの部屋はきれいなのだが、シャワーの水周りは悪く、トイレに行くのは大変。ミャンマーはまだまだ見掛けを整えている段階だと強く思う。

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既に暗くなっていた。夕飯に出掛ける。10年前に泊まった旧市街とは違い、この付近は新たに拡張された土地のようだ。殆ど見覚えはない。ヤンゴンが急速な発展を遂げていることを考えると、第2の都市マンダレーもさぞや発展している、ビルが乱立しているでは、などと想像していたのだが、大きな間違いだった。どうみても、ミャンマーの田舎街に毛が生えた程度。これはどうしたことだろうか。

 

新しくできたマンダレー初のショッピングモールに行ってみたが、店も閑散としており、お客も殆ど歩いていなかった。街にも人はあまり見られない。寂しい感じだ。日本ではミャンマーの発展が伝えられているが、発展しているのはヤンゴンだけ、後の都市は以前とそれほど変わらないことを証明している。この実態を見ないでミャンマーを語ることなかれ。

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それにしても10年前は中国人がどんどんやって来て、投資をしていた。『マンダレーは中国人の街』とまで言われていたのだが、その中国人が土地を押さえたのに、開発しなかった、というのは、余程儲からないのだろうか。少なくともこの2₋3年、民政移行後は少しずつ開発が進んでいてもよさそうなものだが。

 

夕飯はTさんが行ったことのあるレストランへ行く。ビールが飲める2階建てのオープンな空間、そこには大勢の客がいた。やはりビールが飲めるところに人が集まるのだろうか。でもビールのつまみに、スイカが出てきた。何だか新疆ウイグルのラマダンの夜、を思い出す。食事は中華系、従業員はインド系、客はミャンマー系、何だか面白い取り合わせだ。

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その夜は久しぶりのネット接続で、メールなどを処理した。3日間全くネットを見なかったが、既に必要な所には、接続不可と連絡してあったせいか、特に重要なメールはなかった。これからは時々接続不可、と事前連絡して、雲隠れしようか。ミョーテイ村での生活は自然で快適だったな、と今になって思う。

 

11月4日(火)

朝飯

翌朝は早めに起きる。山の上とは異なり、街の喧騒で夜が明ける。このホテルの最上階がレストランになっており、ここで朝食を食べる。昨晩は暗かったが、ここからマンダレー市内が一望できた。やはり高い建物はあまり無い。落ち着いた街並みが広がっている。これはこれで好感が持てる。

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朝食は在り来たりのビュッフェだったが、ここ3日間毎日カオソイだったので、これも新鮮。自分ではあまり自覚はなかったが、山に行ったことで、何か感覚が変わっているのかもしれない。このホテルは出来たばかりなのか、お客はあまり見かけない。マンダレーもホテルは増え過ぎなのだろうか。

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朝食後、ホテルを離れ、再び車で高速道路へ向かう。10年前、雨季に来て、この辺が大洪水だったことを懐かしく思い出す。今や道は整備されているが、洪水が来れば防ぎようはないかもしれない。空港へ行く道から高速に乗る。

 

また高速道路の単調な旅が始まった。しかも既に一度通っている道だから、ワクワク感もない。消化試合、という雰囲気で、ミョーテイ村訪問の反省会のように、Tさんと話をする。今回の旅は一体なんだったのだろうか?との思いが強い。何かの啓示なのか、単なる試練だったのか。今後に繋がる何かが見えたが、Tさんのお役にはあまり立たなかったようだ。これは申し訳ない。

 

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