インドムナールお茶散歩2014(7)ムナール 世界一高い所にある紅茶工場

Factory visit断られる

それから街中でランチ。ターリーを食べる。もうそろそろインド食にも飽きていたが、他に選択肢もない。ターリーにも各地の物があり、南インドのターリーを頼むと、ホテルの食事と同じになってしまった。おまけにこのベジ店にはチャイすらなかった。ラトールさ餡は中部インドのターリーを頼んでいる。やはり故郷の味が一番のようだ。

午後はいよいよ工場見学、と意気込んで出掛ける。北の方へ向かうと茶畑が広がる。いい感じだなと思って下りてみたが、茶畑に入ることはできなかった。全ての場所が厳重に管理されていた。またスリランカのように観光用の茶園もなく、工場やオフィスへ入るための看板も見当たらない。観光客も単に茶畑の写真を外から撮っているだけ。

ようやく工場の入り口があったので、入れて貰おうと交渉したが、門番が頑強に拒絶する。門には『訪問者お断り』の札もあり、歓迎されていないことが分かる。聞いてみるとこの辺りの工場はどこも受け入れないという。サンプルを売ることすらしない。実はタタ系列の工場が殆どであり、会社の方針でそうなっていることが分かる。

ここまで来てどうしようか。運転手が情報を持ってきた。ムナールから離れた場所なら受け入れる所があるという。但しこの小型カーでは行けない、ジープをチャーターして行くのだとか。何だか面白くなってきた。それこそ茶旅だ!

車で小1時間行き、そこでジープを待つ。ジープの後ろの席に乗り、揚々出掛けたが、途中から厳しい山道へ。その道の悪さは途轍もないもので、ジープの上のバーに頭を4回も打ち付けるほど、激しい揺れだった。道はデコボコでおまけに石が敷かれており、悪路そのもの。周囲は素晴らしい茶畑と山々のビューだったが、そんなものを悠長に鑑賞する余裕もなく、ただただバーに捕まり、振り落とされないように努めた。写真など撮ろうにも焦点も定まらず、突然の揺れにカメラを取り落としそうになる。

世界最高地の紅茶畑へ

急斜面に人影が見えた。何とこの斜面で茶摘みをしていた。大きなはさみのような物で茶葉をカットしている。この労働は大変である。しかも摘んだ茶葉を担いで山道を運ぶと聞くと、気が遠くなりそうだ。厳しい環境である。

1時間近く乗っただろうか、いい加減疲れてきた頃、『歓迎!コルクマレイ茶園』という看板が見えた。1930年創立、標高は2100m、世界でもっとも標高の高い紅茶畑とある。これは期せずしてすごい所に来てしまった。茶園ツアーというよりは、アドベンチャーツアーである。欧米人などがジープでここまで来て、景色を眺めているではないか。

ところがここは終点ではなかった。何とも素晴らしい景色を見ながらジープは少し下って行く。そしてようやく茶工場が見えた。一面茶畑だ。気持ちが良い。これまでの疲れが嘘のように晴れた。入場料を払って工場内へ。他にも何人か見学者がいる。本当にこんな場所で紅茶が作られているのが不思議。子供たちは実際に茶作りの一部を体験できるようにしている。

その後お茶の試飲も行った。ところがあそこまで過酷な茶摘みをして、この標高でお茶を作っている割に品質はそれほどでもない。これも全てオークションへ送るだけの生産で長年改善がなかったからだろうか。とても残念でならない。お茶博物館のスニール氏が言ったとおり、この辺りの人々は新しいお茶の作り方を学ぶこともないのかもしれない。

帰りは経験があるので、かなり楽に車に乗れた。時間も短く感じられた。そしてジープから車に乗り換え、街に戻る途中には、道路周辺が一面霧に包まれる。これはお茶にとって悪いことではないが、朝霧は良いが夜霧はどうなんだろうか。運転手も前が見えないと難儀するほどの霧、これは怖かった。ホテルに戻り、昨日と同じ様な夕食を食べ、熱いシャワーを頭から浴び、疲れたので寝てしまった。

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