杭州日本茶の原点を見に行く2012(3)体調不良で昔泊まったホテルへ転がり込む

6月2日   4.  体調不良    ユースホステルを替わる

前日径山寺から戻り、西湖を眺めている内に体調不良に気が付く。兎に角体に力が入らない。ところが今日は宿泊先が満員の為にホテルを移ることになっていた。別のユースホステルを紹介され、そこの人が迎えに来てくれる。

今度のホステルは西湖から少し離れているが、やはり雰囲気は悪くない。ただ部屋がかなり狭い。窮屈感は否めない。取り敢えず昼を食べに出る。この付近も観光客が来るスポットがあり、レストランは賑わっていた。私は普通の食堂に入り、レバー炒めを食べる。これがなかなか美味しく、腹一杯食べてしまう。

そして、午後。本格的に体調が悪くなり、動けなくなった。ナンにもする気が起こらない。どうしようか。ひたすら寝る。それでも回復しない。明日は宜興へ行く予定だが、果たしていけるだろうか。それより、今夜の約束をどうするか。

実は今晩は北京時代の知り合いから紹介された中国人経営者と会うことになっていた。指定された場所はハイヤットリージェンシーの中華。何とか這って行き、食事をしたが、殆ど食べられず、彼に悪いことをしてしまった。彼との話の一端はコラムに書いている。

http://www.yyisland.com/yy/terakoyachina/item/5031

会食終了後はそれこそ喘ぐようにホテルに戻り、寝込む。もう宜興へ行く気力はなかった。

6月3-5日  5.   ホテルライフ  25年ぶりの予約

翌朝も目覚めは良くない。宜興へ行くにはここから遠いバスターミナルへ行き、そこからバスで3時間掛かるという。直感的に無理だと感じる。ではこのホステルで寝ているか、と言えば、正直それも辛くなっていた。体調が良ければ気にならないが、やはりこんな日は少し良いホテルにでも泊まって疲れを癒す必要がある。そこで思い付いたのが、25年前、上海留学中に泊まった友好飯店。調べるといまだにある。電話してみると予約が取れたので、先ずはそちらに移る。

友好飯店の思い出(http://hkchazhuang.ciao.jp/asia/china/mukashi13hangzhou.htm )は何と言っても電話予約が出来たことと料金が予約時の4分の1になったこと。そして何よりも部屋がきれいだったこと。今はどうなのだろうか。

行って見るとやはり綺麗だった。最近改装したようだ。岐阜との合弁は既に解消され、中国資本になっていたが、サービスも悪くなかった。実は予約した時点では食欲がなく、朝食不要で申し込んだのだが、ここに来た瞬間腹が減ったので、朝食付きに変更してもらった。朝食なしの方が良い部屋だったらしいが、「25年前に泊まった老顧客」だと告げると、あっさり変更してくれた。

そういえば、初日に法浄禅寺を案内してくれたO先生は私が25年前に宿泊した当時、このホテルで働いていたという。その話で盛り上がり、ご縁が繋がっているのである。人はどんなところでどんな繋がりを持つかは分からない。

ホテルで寛ぐ

部屋は角部屋でベッッドはふかふかで快適。取り敢えず数時間寝る。この寝る環境というのが大切だ。若い頃バックパッカーで鍛えていた人なら出来るだろうが、私はその経験が無く、かなり長い間、人に紹介されるままに、または料金が安いというホテルを泊まり歩いてきた。
ここへ来て、ガタが来たようだ。これまで疲れを感じることはあっても、先に進むのを拒む気持ちはなかった。だが今回初めて明らかに、先に進みたくない、休みたいという気持ちが出た。このシグナルは大切にしよう。人は時には休まなければならない、いくら自分のしたいことをしていても。

夕方腹が減って起きたが、外へ出る気にはならず、最上階にあるレストランへ。ここは25年前からあった回転展望レストラン。80年代のホテルに流行ったタイプだ。取り敢えずお粥だけ頼み、体の様子を見る。かなり回復しているようだが、本格的に食べるのは明日にして、さっさと風呂に入って寝る。

翌朝は最上階レストランで朝食。このホテル、実は結構すごい。和洋中、何でもある。しかも相当の量である。おかゆを食べて、パンを食べて、スクランブルエッグにみそ汁を飲むこともできる。フルーツも豊富。床が回転していくので、位置が分からなくなるほど、色々とある。これなら、朝食代を払っても正解だろう。たらふく食べた。

そして掃除の時間以外は殆ど外に出ずに、誰とも連絡を取らずに、部屋で過ごす。NHKのワールドプレミアムも入るので、何となく眺めていたりする。何もしない時間が過ぎる。改めて、この1年を超える旅を振り返ってみる。そして何となく次の旅への闘志が涌く。まだまだいけそうだ。

そしてとうとうホテルに2泊して杭州を去る。結局2日間何処へも行かずに、北京に戻ることにした。偶にはこんな旅があってみ良いだろう。2回目の朝食をゆっくり味わい、杭州の景色を堪能する。飛行機の予約をして、空港へ向かう。今回は珍しくタクシーに乗る。これは少し贅沢だったが、偶にはこんなこともしてみよう。私の旅には広がりがあり、またかなりの落差がある。それもまた良い。

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