ヤンゴン茶旅2020(2)ヤンゴンの再会、そして茶旅報告会

1月17日(金)
ヤンゴンの再会、そしてお話し会

朝、ホテルで朝食をとる。ここは老舗だからやはり種類が多い。パンもあればお粥もあり、フルーツもそれなりにあるので十分だった。それから暑くなる前に外へ出た。1年2か月前、何度か歩いたダウンタウンだったが、既に土地勘が無くなり、思い出しながら歩いてみた。途中インド系の多いエリアでは、インド風のチャイが飲まれており、ミャンマーのティーミックスの起源かな、などと思う。それにしてもなぜヤンゴンにはインド系が多いのだろうか。

 

そうこうしているうちに、華人街に入り、漢字が増えてくる。その昔、張彩雲が開いた茶行、張源美のあった場所も懐かしく通り過ぎた。そして彩雲の孫が今も細々とやっている茶荘に何とか辿り着いた。丁国さんは私のことを忘れていたようだが、話をしながら書いた文章を渡すとにわかに記憶が蘇ったようで、嬉しそうに相手をしてくれた。

 

その後、少し離れたホテルに向かう。何と現在は香港在住のIさんが今朝バンコックから飛んで来ているはずだった。彼女と会うのは台湾の基隆以来だろうか。ちょうど到着したIさんと二人で慶福宮に向かい、そこに彩雲の息子を訪ねた。Iさんの北京時代の同僚で、ヤンゴン在住のICさんも加わった。

 

家栄さんも私のことなどすっかり忘れていたのだが、あれから厦門へ行き、安渓へ行き、遂には彩雲の長女にも会ったことを告げると、目を丸くして驚いていた。全てはこの宮から始まったのだ。もう一度会って話ができることは双方にとって何とも喜ばしいことであった。家栄さんがお菓子を勧めてくれたが、これは彼の息子が作っているらしい。やはり張家は実業家一家なのだ。

 

そこへ男性が入ってきた。聞けば家栄さんの長男だという。何と聴診器をぶら下げており、医者だとすぐに分かる。茶業で儲かった家は必ず子供によい教育をさせており、医者や弁護士が出ることは珍しくはない。このお医者さん、政府内幹部にも患者がいるようで、なかなか興味深い人物だ。

 

更に奥さんは華人ではなかった。どうして華人以外の人と結婚したのかと問うと『うちの嫁は美人なんだ』というからビックリしてしまったが、家栄さんも満更でもない、という顔をしている。後で知ったことだが、このお医者さんのお嬢さんは、ミスミャンマーやミスインターナショナルミャンマー代表などの栄冠に輝いた、自慢の娘だったのだ。張彩雲の曾孫はミスミャンマー、知っていればエピソードとして書いたのに、残念だ。次回は是非曾孫にインタビューしに行こう?

 

外を歩いていると、やはり旧正月が近いことが分かる。正月の麒麟舞(獅子舞?)の稽古が行われており、正月飾りなどが売られている。お昼はチャイナタウンで麺を食べる。汁なし麺。豚肉がうまい。スープはホーロー缶で煮込まれている。昨晩ほど高くもなく、満足できる味だった。

 

午後はもう一度丁国さんの店に行く。折角なので、ICさんたちにも、このお店を紹介しておこうと思う。今や張彩雲関連のお茶は、ほぼここでしか買えないからだ。以前はシティーマートに置かれていたが、一部を除いて取り扱われなくなったらしい。ここは看板も出ていないので、一見さんが来るのは難しい。丁国さんも来訪を喜んでくれたのでよかった。

 

ここでICさんとは一度別れて、Iさんと二人、フラフラ歩きながらホテルへ戻った。ロビーで待っているとジュースが振る舞われる。何とも有り難く、美味しく頂く。それから、今日の講座の会場へ向かう。タクシーに場所を説明して、何とか辿り着く。今やGoogleマップもあり、何とも便利になっている。

 

着いた場所は、ダウンタウンから少し離れており、周囲はお寺が多い場所だった。そこにベトナムで成功した日系ビジネスホテルが出来ていた。この宿にはホーチミンで8年ぐらい前に泊まり、経営者とも会ったことがあったので、懐かしかった。会場はその建物の一番上、夕日の沈む、そしてライトアップされたシェンダゴンパゴダがよく見えた。

 

会には駐在員夫人や現地在住者など10数人が集まってくれ、かなり驚いた。これも主催者ICさんのネットワークの広さだと感心すると同時に、ミャンマーに住んでいるのだから、ミャンマーのことを知りたい、という意欲が他国よりも一層感じられた。話の内容はミャンマー茶の歴史及び華人茶商の歴史についてだったが、色々と質問も飛び出し、興味深い会となった。

 

その後場所を移して、夕飯を有志で食べた。中華料理とのことだったが、どこの料理かは分からない。そこでもミャンマー事情を伺うことができ、また少数民族のこと、茶の起源などについて、様々な情報が寄せられた。やはり現地でこのような問題提起の報告を行い、それによって皆さんの知識・経験などを呼び起こすことも大切かな、と思われた。

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