バンコックお寺巡り2014(3)地下鉄工事で大渋滞

ワットサケット

陽が西に傾き始めた。カオサンから今日最後の訪問先であるワットサケットまではちょっと距離がある。街歩きが仕事のような私は疲れを覚えたが、Iさんは驚くほどに元気だった。これもヨーガの成果なのだろうか。道もちょっと分かりにくかったが、運河を越え、何とか辿り着いた。タイの寺はタイ語の看板しかないところ、また俗称を使っているところもあり、ここが本当に目的地なのか、迷うことがある。この寺もそうだった。

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ここは小山の上に本堂がある。登り口で入場料を支払う。ちょっと奇妙な置物などもある。そして意外や登っていく人が多い。その理由は登って行ってみて分かった。眺望がよいのだ。欧米人などはここから夕陽を見ようと頑張っている。しかし登るのはそれなりに大変。頂上までの高さは78mほどある。

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堂内にも沢山の仏像が安置されている。一周回ってみる。更にてっぺんに上ることが出るようだが、遠慮しておいた。外にも仏塔があり、実に多彩だ。これまで歩いてきたどの寺とも違う。何故だろうか。ガイドブックにも要塞のような寺、となっている。これには何か訳があるのではないか。だが特に何の説明もない。

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もう時刻は4時を過ぎた。そろそろ帰宅ラッシュが始まりそうな気配がある。丘を降りて、寺を後にし、広めの道路に出ると、既に車が詰まり始めていた。ここでタクシーが拾えないと大変だと思い、周囲を見渡すと、ちょうど1台見つかり、乗り込む。これで安心。ホテルには予定より早く着いてしまうが、それもまたよし、などと勝手に思いを巡らした。

 

地下鉄工事で大渋滞

ところが事態は驚いた方向へ進む。車が全く動かないのだ。初めはちょっとした事故でもあったのかと思ったが、10分で100mも進まないことにイライラしてくる。勿論運転手もそうだろうが、タイ人はこのような時にイライラしているという様子を決して見せない。ここが中国人との決定的な違いだ。中国人の方が我々により近いと感じる瞬間だ。

 

30分経過しても殆ど動いていない事態にはさすがのタイ人も苦笑する。それでも運転席から外へ出て、事情を確認しようとしない姿勢は凄いとしか言いようがない。タイ人の真骨頂はズバリ忍耐、だ。逆に忍耐強いIさんが『私は歩いていきたい』と言い出す。私もそうしたいのだが、BTSの最寄り駅まで何キロあるのかさっぱり分からない。下手に降りてしまえば、あとでタクシーを拾うことも難しく、道を間違えればそれこそ路頭に迷うので自重した。

 

Iさんとの会話もなくなり、ただ時間だけが過ぎていく。タイに来てこんなことは初めてだ。そしてついに渋滞の原因に行き着いた。そこは地下鉄工事現場となっており、今日の作業の撤収が行われていた。その作業の間、通行が遮断されただろうし、そもそも道が片側通行だった。これはかなりひどい工事だと思うが、タイ人は慣れっこのようだ。しかしそこを過ぎても直ぐには着かない。約束の6時は過ぎてしまい、ホテルで待ち合わせているIYさんには携帯で遅刻を告げる羽目になった。

 

タクシーに乗り込んでから、何と2時間後、ようやくBTSのサラデーン駅に着いた。当初はサパンタクシン駅へ行くはずだったが、そこの渋滞を避けた結果だが、とにかくタクシー内が寒いので、早く脱出したいという事情もあった。足が凍り付いたように動かず、上手く歩けないほどだった。一種のエコノミー症候群かもしれない。それでも歩き出すと何となく元気になっていた。

 

ご縁

BTSに乗ろうとすると、携帯電話が鳴る。既にほぼ電池切れ状態だったが、その電話は和尚からだった。帰りにレモンかライムを買ってきて欲しい、というもので、相当に弱っていた。一日寝たのに治らないらしい。明日は8時間のバスの旅と聞いている。大丈夫か?ホテル近くのショッピングセンターのスーパーに寄る。レモンを探したが、何と2個で360バーツ、日本円で1000円を超えていたので驚いて持った手を離した。何でこんなに高いんだ。確かにタイでレモンは殆ど見ない。高級輸入食材らしい。横にライムがあり、小さい物が4つで35バーツだったので迷わずそちらを買う。

 

ホテルに戻り、和尚の部屋を訪ねると、多少回復した様子の和尚が出てきて少し安心した。が、引き続き物は食べられないというので、そこで別れた。そしてロビーへ戻り、待ち合わせたIYさんに連絡する。彼女はこのホテルの横のマンションに住んでいるのである。実は2か月前にIさんから『バンコックで泊まるホテル』を教えられた次の日、たまたまIYさんの家を訪ねた所、何と横にそのホテルがあったのでビックリしたのだ。

 

そしてよく考えてみれば二人とも兵庫県西宮付近の人。IYさんは日本茶アドバイザーで私のお茶会のサポート役、これも茶縁というのだろうか。そこで二人を引き合わせることにし、3人で楽しく食事をした。だが、私は疲れからか、またタクシー内の寒さからか、体調がすぐれずに十分に食べることが出来なかった。もしやするとランチの食事のせいかもしれない。帰りのBTSでは疲れのあまり、不覚にも寝入る。明日の夜行便で日本へ帰るのだが、果たして大丈夫なのか。和尚の心配どころではなくなっていた。

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