チェンマイ散策2011(1)ランプーンの花園で

《チェンマイ散歩2011》  2011年12月24日-27日

シェムリアップからバンコックに戻ったが次の日にはもうチェンマイへ。今日はクリスマスイブだ、などと思う間もなく、旅から旅へ。スワナンプーン空港では何故か飛行機が飛ばない。機内でずーっと待たされる。機長のアナウンスの中に『VIP』という単語を発見。もしや、今日は中国の習近平氏がタイ訪問中だったことを思い出す。

飛行機の窓から外を見ると飛行機がまさに数珠繋ぎ。20機はあったろうか。やはり習氏のために飛行場が実質閉鎖されていたのだ。これは参った。それにしてもこんなことはあるのだろうか。タイの中国重視の表れではあるまい。

12月24日(土)   1. チェンマイ1

Oさん

チェンマイ空港ではOさんご夫妻が2時間以上も待っていてくれた。全くの初対面で、友人の紹介でちょっとお訪ねしようと思っただけなのだが、とんだご迷惑を掛けてしまい、恐縮。

空港からタクシーで20分ほど、Oさんのご自宅はチェンマイ郊外のマンションの一室。ここで既にロングステイ生活を数年送っている。チェンマイには数千人の日本人がロングステイしているが、中には悪い人もいて、トラブルがあったり、日本人コミュニティーは大変なようだ。

Oさんは大手企業を退職後、チェンマイにステイ。チェンマイのお寺を1つずつ訪ね歩きながら、その歴史などを纏めて雑誌に発表している。また月1回メルマガを発行するなど精力的な活動をしている。タイだけではなく、ネパールなどにも在住経験があり、その幅は広い。奥様は現地各地でボランティア活動をするなど、溶け込んでいる。

7階のお部屋は気持ちの良い風が吹き抜け、実に爽やか。郊外で比較的家賃も安いとのこと、このようなロングステイは一つの理想かもしれない。お昼をご馳走になりながら、色々な話を聞く。途中からは紹介者であるバーンタオ氏がバンコックから車で乗り付け、合流。

2. ランプーン    ランバンとランプーン

Oさん宅を辞し、バーンタオ氏の仕事用1トンピックアップに乗り、次の訪問先へ。チェンマイから50㎞ほど離れた場所で、花農園を経営されているSさんを訪問し、泊めてもらう予定となっていた。

道は高速で非常に快適。タイも道路は良いようだ。色々と話しながら進んで行ったが、1時間以上経っても高速を降りない。50㎞は過ぎたような気がするのだが。ようやく目印を見付けて、間道に入るが、既に日は落ち、あたりは暗く、なかなか見付からない。仕方なく、ガソリンスタンドにより、道を聞くと・・。バーンタオ氏の顔が引きつる。そして何度も同じ会話を繰り返す。

携帯で電話をしたバーンタオ氏は愕然とする。そしてその携帯を近くの人に渡し、現在位置を確認。ガソリンスタンドの人も親切に対応し、ちょうどガソリンを入れに来たバイクの後ろについて、道を行く。

又もとの高速道路に戻る。何が起こったのか。『ランバンとランプーンを間違えたんです。しかも目印の病院が両方の街にあって、それで迷いました』。え、ランバンはチェンマイから100㎞離れており、我々はまた50㎞チェンマイ方面に引き返す。しかし珍しいこともあるもんだ。

結局4時間ほど、掛かってランプーンの農場に到着。周囲は非常に静かで環境が良い。Sさんに案内され、農場内の宿泊施設に。2部屋あるコテージ風の建物。部屋の前のテーブルには夕飯も用意されており、バーンタオ氏とビールを飲みながら疲れを癒す。イヤー、これは快適。ぐっすり寝る。

朝 カオトーン

寝ている部屋の朝日が差し込む。外へ出てみると、昨夜は気が付かなかった広大な花農園が広がっていた。そして一つ一つが良く手入れされ、朝の空気を穏やかなものにしていた。木々の力を感じる。

庭を歩いて見る。実に様々な草花がある。木々がある。私は草花の名前を殆ど知らない。タイの木々を知らないのではなく、日本の木々も花も知らない。名前は問題ではないかもしれないが、ここに滞在して、植物に親しんでみたいという気が起こる。

この農園のオーナー、Sさんがやって来て、朝ごはんを食べようと言ってくれる。農園内の小屋に行くと、既に朝ごはんが用意されている。カオトーンというタイ北部でよく見られるお粥。これは粗く煮込んだ粥にニンニク、胡椒などで味付けがされ、朝から力が出る。

そして何よりこの自然環境の中、日の光、木々の間を流れる爽やかなそよ風。バンコックやチェンマイなどの都会では決して味わえないタイがそこにある。

海外から日本を見て考える

この素晴らしい自然の中にある農園のオーナー、Sさんは日本人。若い頃は日本で政治的な活動にも参加、その後色々なご縁があり、関東で花の栽培を開始。海外にも輸出する規模で花農園を経営していた。

そして還暦も近くなった頃、日本の農園を部下に譲り、タイに移り住む。ランプーンにやって来て、ここで農園を始めた。それから10年以上経つ。今では様々な草花が花開き、タイ国内は勿論、日本をはじめ海外にも輸出されている。そして単にビジネスと言うだけではなく、色々は新しい試みをこの地で行っている。Sさんのこれまでに培った花栽培の技術、輸出などの商売のノウハウ、そして何よりも気持ちが込められた農園である。

広大な敷地の中には外から来た人々が宿泊できるコテージなどがいくつもある。一度に30人は宿泊できるという。何故このような施設を作ったのか。『初めて自分と同世代の日本人のロングステイを考えた』のだと。

当然興味を持って見学に来る日本人は沢山いたが、いざロングステイという段になると、考え方の違いが露骨に出た。『XX万円支払うとこの土地の権利は自分の物になるのか』など、予想外の反応があった。理想的な環境で穏やかな余生を送る、と言いながら、結局はお金から離れられない人々を見た。

『面倒だから止めたんだ』という。何だか残念な話だが、それが今の日本の現実。代わりに『日本の若者に海外での農業体験をして欲しい』と現在は日本の農業関係の大学生、インターンなどを受け入れているという。『若い人なら大歓迎。海外での就業経験も役に立つはず』と前向きだ。

海外に居ると日本の現状が良く見える。日本国内でガッカリして生きているより、タイに来て、将来を考えてみるのもよい。若者に無理に海外に出ろとは言わないが、海外で考えてみるのは必要な機会だと思う。





1 thought on “チェンマイ散策2011(1)ランプーンの花園で

  1. 私は1992年からランプーンに住んでいますから日本人では古い方です。パワナガーデンの久保田さんは開業当時から友達です。現在のマイペースの経営に至るまでは相当苦労した様ですが、私よりズット若いけれどシッカリした信条の持ち主です。登場する他の人達も大体誰か判りますね。

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