シェムリアップで考える2011(8)日本人が作るカンボジア土産

8. ベンメリア

ベンメリアはかものはしの先、5㎞の所を左に曲がって行く。その曲がり角で昼ご飯を食べる。完全なローカルフード。チキンスープに、ブタ肉と野菜炒め、ご飯が進む。2人で食べて3.5ドル。市内に比べて非常に安い。氷入りのお茶は無料。

午後の日差しを浴びながら、ベンメリアを目指す。途中何度も居眠り。サレンはしっかり前を向いて運転している。実にのどかな田園風景。気が付けば、空も実に青い。小1時間掛かって到着。入場料は5ドル。

中国人の団体客の後ろから、ベンメリアへ入る。目の前に大きく崩れた建物が見える。ここは廃墟だ。右手から中に入る階段を上る。しかし中をどのように歩いてよいか分からない。そこへおばさんが「こっちから入れ」と指示を出す。建物の中に入るとそこは瓦礫の山。その中にシバ神やラーマーヤナが描かれた壁画がわずかに残る。

おばさんに導かれて、あちこち見て回る。基本的にきちんと整った場所は殆どない。崩れた石を乗り越えて進む。建物が残っている所は図書館だという。中に4つも図書館があったとか。それ程に書物があったのだろうか。

この遺跡、アンコールワットなどと異なり、整っていない分、神秘的。森に埋もれ、修復もされない。基本的にアンコールワットと同型で、東のアンコールと言われる。遺跡の建造年代は不明、発見当時の雰囲気が味わえ、探検気分にはなる。

殆どジャングルジムのような、いや障害物競走のような見学をする。石を上って降りて、また上り。午後の日差しで遮られているにも関わらず、汗が出る。息も上がる。結構きつい。おばさんは全く疲れを知らず、どんどん進む。他の観光客もこのおばさんのような人に連れられて進む。彼女は非公式ガイドらしい。特に説明はないが、従う。

40分ぐらい掛けて、一通り見学終了。おばさんはチップとして5ドルを要求した。特に頼んでもいないが、まあ案内してもらったんだから、と渡す。実は気になっていたのは背後に居た男性。Policeと書かれた服を着ている。どうやら彼が認めて案内役が出来るらしい。こういう所は、改善した方が良いと思う。

帰りは行きと異なり、国道ではなく、農村の中を行く。最近道が整備されたらしく、道は平たん。ヤシやバナナの木が生える中、高床式の家々が点在。子供たちはトゥクに向かって盛んに手を振る。畑は収穫が終わったらしく、何もない。今はお休みなのかもしれない。実にのどかで、嬉しい。

9. 土産物     キャッサバ焼酎

基本的に旅に出ることが多いので、土産物は買わない。荷物になるからだ。但し誰かに頼まれたら、これを奇貨として、買いに行く。これが私の旅のスタイル。私の知らない世界に連れて行ってくれるものには感謝して従う。今回はキャッサバ焼酎と言う希望が寄せられた。キャッサバはイモの一種だから、焼酎にはなるだろう。でもなんで?ネットで引くと、

「ソラークマエ」、カンボジア西部バッタンバン州タサエン村で生まれたキャッサバ焼酎。地雷撤去後の大地にキャッサバを植え、村が自立発展するためにと、元地雷撤去家、高山さんの指導のもと始められた焼酎です。愛媛の酒造メーカーによる技術協力もあり、日本人にも好まれる味になっています。**キャッサバ・・・タピオカの原料になるお芋

とある。日本人にもいろんな人がいる。Khmer Yuengと言う土産物屋で買えると聞き、早々訪ねる。しかしネット情報では水曜日は休み、しかも場所がよく分からない。兎に角行ってみた。クローマーのオフィスで場所を聞くと4軒ほど向こうだった。こぎれいなショップに、カンボジア産のスカーフや小物などが並べられていた。

店の奥に行くと焼酎を発見。お店は日本人女性がやっており、話を聞く。カンボジアに来て6年、旅行社に勤めていたが、日本人向けのお土産が無いことから、ショップを2年前に開店。アンコールクッキーの社長と同じようなきっかけ。カンボジア各地から日本人に好まれそうな商品を集めている。特に日本向けに加工などはせず、原則そのまま売っているとか。とかく日本仕様を求める傾向がある中、これは一つの試みではないか。ヨーロッパ人なども草木染に興味を持ち、買っていく人も出て来ているそうだ。

ちょうど店の前でNHKがカンボジア人女性の取材をしていた。この店を背景に何かを語らせていた。ついでにお店の様子も撮影していたが、これが放映されることはあるのだろうか。オールドマーケット近くにひっそりと建つお店、何だか不思議に惹かれた。

アンコールクッキー

続いてこちらも興味あり、との話でアンコールクッキーを買いに。夕方6時前、夕食前の買い物ということか、日本人観光客でごった返していた。そこそこ広い店に入りきれないほどのお客さん。その勢いは想像以上だった。シュエムリアップに来る日本人観光客は必ず寄る、という賑わい。

ここのクッキーはカンボジアの感覚ではバカ高い。日本の土産物の値段から考えても、それほど変わらない。味も日本とそうは変わらない。何故ここまでお客が来るのか。何か仕組みがありそうだが、恐らくは旅行会社とのタイアップであろう。勿論カンボジア土産が無い、というポイントは高い。また駐車場スペースが広い。オールドマーケットでは大型バスの駐車は難しいが、このショップにはバスが停まれる。これは大きい。元々この状況を想定して場所を選んだのであれば、凄い。

シェムリアップ最後の夜はサレンの意向でBBQとなる。ローカルBBQは非常に混んでいて、カンボジアの所得向上が伺われた。飲み物は飲んだだけ支払う。ビールのキャンペーンガールもおり、雰囲気はタイに近い。肉はちょっと硬いが、塩を付けて食べるとなかなかイケル。サレンは別のソースを使い、ゴマなども混ぜ、自分のソースを作って食べる。きゅうり、キャベツ、トマトなどの野菜は氷の上に乗って一緒に出て来た。一瞬大丈夫かと思ったが、何ごともなく、美味しく頂く。

ひっきりなしに物売りが来た。女の子、男の子、お姐さんなど、様々。卵やスナック、タバコなどを持って各テーブルを回る。買っている人はいないが、これで商売が成り立つのだろうか。この風景は以前も東南アジアでよく見たが、何となく物悲しく、現実を突きつけられているようでやるせない。

12月23日(金)

お別れ

何ということもなく、5つ星ホテルに3泊し、ここを離れる日が来た。午前11時にホテルをチェックアウト、サレンのトゥクで空港へ向かう。何だか直ぐに到着してしまい、呆気ないお別れ。でもまた会える気がして、お互いさらっと別れる。

空港内に入るとバンコックエアーのカウンターの前が長蛇の列。あまり待つのが気にならなくなった私でも異常さに驚く。前に行ってみてみると、何とフライトが2時間ほど遅れているらしい。そして1つ前にフライトに変更したい客の応対でてんやわんや。

結局50分ぐらい掛かってチェックイン。こういう時にヨーロッパ人の忍耐強さは発揮される。あれだけ待ってもカウンターではにこやかに「グッドアフタヌーン」などと言う。私にはできない。修行が足りない。

カウンターで文句を言ったせいか、クーポンをくれた。遅れたお詫びの食事券?行って見ると簡単なサンドイッチと飲み物が貰えた。何よりそこでネットが繋がり、旅行記が書けたこともあり、気分はすぐに転換した。実に現金な物だ。

フライトは2時間遅れてシェムリアップを飛び立ち、何事もなかったように2時間遅れてバンコックに戻った。





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