3.ヤンゴン
変化するヤンゴン
空港にはSSと婚約者が迎えに来てくれた。空港の外に出ると。1年半前より遥かに広告の看板が増えている。ミャンマー企業より外国企業が目立つのはそれだけミャンマーが外から注目されていることを示しているのだろうか。
夕方市内に向かう車は多く、渋滞が発生していた。タクシー、と書かれた車がかなり増えている印象。聞けば正規のタクシー車両が増えているのであり、従来の白タクが減っているらしい。またその車体が妙にきれいだ。『ミャンマーは車を外国から輸入しなければならない。これは相当な利権である。もし新車を入れると税金がバカ高いため、出来るだけ新車に近い中古車が好まれる』からだそうだ。
因みに市内の至る所に、カーディラーの展示スペースがある。車の数より遥かに多いのではないか、との冗談が出るほど、車を買う人が増え、取引する人も増えている。ヤンゴンは僅か1年半で相当に変化していた。
ホットポット
ヤンゴンのホテルは急激に値上がりしている。1年半前に泊まったホテルを予約してもらおうとしたが、何と50ドルが80ドルになっていた。これではもったいないと思い、安いホテルをお願いした。1泊40ドル、朝食付き。このホテルならトートーマさん(TTM)まで歩いて行ける。部屋も見た感じは悪くない。どうやらミャンマーの地方からヤンゴンに出てきた人が泊まるところらしい。外国人もいたが、殆どミャンマー人だった。これもミャンマーの流れの一つだろうか。
先ずは結婚式に使うケーキを予約しに行く。ヤンゴンにこんな立派なケーキ屋があったのか、と思うような場所だった。所謂ウエディングケーキが並んでいた。近年ヤンゴンの結婚式もどんどん派手になっていく。
実は明日はSSの誕生日。ここは父親代わり?の私がケーキを買ってお祝いすることに。皆で食べるので大きなケーキを注文したら、何と日本円3000円ぐらいした。これはもう値段が日本に近づいてきている。そんな値段でも周囲のミャンマー人もいくつも買っている。この国には『金持ちと貧乏人しかいない』という言葉が頭から離れない。どうやってこんなお金を稼いだのだろうか。
夕飯はもう定番となった火鍋、ホットポット。これは10年以上前から私がヤンゴンに来た時に必ず食べる物。なぜならSSが大の好物で他の物では承知しないのだから。火鍋屋もどんどん豪華になっていく。そしていつも超満員。
味が落ちるとすぐに潰れるとの話もあった。確かに味は悪くない。店員のサービスもきびきびしている。昔の薄暗い、あのダラダラした雰囲気はない。勿論素晴らしいことだけれど、どこかミャンマーっぽくない。
ホテルに戻る。WIFIもちゃんと繋がる。この変化は喜ばしい。だがこれも以前のミャンマーではないと思うとどこか寂しい。昔はネットも繋がらず、携帯もなく、逆にここに来れば全てから解放された気分があった。どんなに忙しい人でもリラックスできた。でも今は。そんなことを考えながら寝ていると虫に刺されて痒い。寝ることに集中できなくなっていた。