インド アユルベーダの旅(2)プネー たき火を見つめる心

2.プネー1

27年かけて作っている家

本日私はプネー郊外の家にホームステイすることになっている。車はプネー市内から少し外れた道を行く。農村、と聞いていたが、そこには建物が立ち並び、郊外の住宅地のような雰囲気だった。一軒の家の前に停まると、犬が大声で吠え始める。

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ここは大学教授、ゴレ氏の家だった。27年前にここに引っ越してきたという。庭には沢山の木が植わっており、自然の中で生活している。母屋の脇に小さな建物があり、そこが私のねぐらとなったが、ここはこの夫婦が最近自分たちで建て増ししたという。簡易なベッドとトイレもちゃんとついていた。何とも不思議な感覚だ。中国でも農民が自分で家を作るという話は聞いたことがあるが、大学教授が自ら家を作る、何とも変わっている。

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尚ゴレ家はゴレ大学教授と夫人の2人暮らし。息子と娘はアメリカで暮らしており、当日ゴレ教授は息子の所へ行っていて、家には夫人しかいなかった。全く私には縁もゆかりもない所、A師の導きはあるものの、こんな所へホームステイしてよいものなのだろうか。

 

因みに2匹の犬はチャボーとマヌンという名前で、実に忠実に吠える。そして遊んでほしいのか、物凄い勢いで飛んできて、やたらに絡みついてきて困る。ゴレ夫人は容赦なく2匹を一角に閉じ込めて平穏を保つ。これがまた面白い。

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ATMの横にはガードマン

夕方暗くなる前にゴレ家の周囲を探索した。プネーの街の郊外ということだが、農村ではなく、小さな街のようになっており、商店なども立ち並んでいた。先ずはATMを探し、キャッシュカードでインドルピーを引き出すことを試みる。ところが、地元の銀行のATMはいくらでもあるのだが、カードを入れても一向にお金は出て来ない。どこでやっても一緒なので、カードの問題らしいと分かる。

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尚インドのATMの入り口には必ず銃を持ったガードマンが座って見張りをしており、この国の安全には問題があることが分かる。それにしてもこんなに沢山のATMに一人ずつガードマン、ある意味で雇用対策ではないだろうか。

 

街を歩いているとのどが渇き、その辺の屋台でマンゴジュースを飲んだ。10rで冷たいがかなり甘いジュースだった。あとでA師にその話をすると『それはよく中る飲み物だ』と言われたが、私自身はインドで何にも中ったことがなく、今回も問題はなかった。

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またインドでも少しずつペットボトルが普及し始め、その中に見慣れない飲み物があったので買ってみた。ニンブー、というらしい。ようはレモンジュースだ。これも後でA師に聞くと、インドでは家を訪問すると先ず水代わりに出て来るものだそうだ。これがペット飲料になるということは、インドにも変化が出てきているということではないか。

 

コラム ⇒ http://www.chatabi.net/colum/606.html

 

手作りチャパティ

ゴレ家にはWIFIもあり、特に普通と変わらない都会生活のように見えた。だがゴレ夫人は『お茶を淹れよう』と言って外へ出ていき、何と庭に落ちている木々を燃やして、お湯を沸かしてくれた。これがゴレ家の自然な生活だと分かる。夕暮れ時、庭の火を見ていると、幼い頃たき火をしたのを思い出す。あの頃はどこに家でもたき火をしていた。そして焼き芋などもしていた。何とも懐かしい気分になる。人間は火を見つめる時間が必要なのではないだろうか。都会生活では火は使うものの、見つめる時間は殆どない。

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そして夕飯の前に沸かした湯を使って、体を洗った。湯はスイッチをひねったら沸くものではない。沸かした時にできるだけ使うのだ。至極当たり前のことが分からなくなっていた。部屋の奥に体を洗う場所があり、じっくり沸かした湯を大切に使う。世の中では『エコ』などという言葉が氾濫し、何をするにもエコなのだが、本当のエコとは、『人の心が大切に使うことを知る』ことではないだろうか。それを教えてくれるのが、この生活なのである。

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ゴレ夫人がチャパティを作ってくれた。これは台所のガスを使っていた。あとで聞くと普段はあまり食事なども作らないらしい。わざわざ私に家庭生活を見せてくれていた。有難いことだ。インドの食事は如何にチャパティやご飯を美味しく食べるかの為におかずがあることが分かる。とてもシンプルで満足した食事を取り、早めに寝る。

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