北限のお茶を訪ねて2015(6)佐渡金山から歩く

佐渡金山へ

佐渡へ来たらまずは佐渡金山へ行くべし。ということでバスの時間を見ると、路線バスは本当に少ない。一般観光客はやはりレンタカーを使うのだろうか。仕方なく時間まで海辺へ行ってみる。確かに海は青い。天気が良いので良く映えている。街は相当に古い。この小さな街で、飲み屋の看板がやけに目立つのは海の男が多いからだろうか。バス停の建物になぜか伊勢丹が入っている。もちろん土産物専門だが、こんなところに何故伊勢丹が?謎だ。

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バスがやって来て乗り込んだが、乗客は殆どいない。金山までは途中海岸沿いを行き、そこから山沿いに進んでいく。最後は結構上って到着する。チケット売り場へ行くと、江戸と近代の2つのコースがあるという。バスは1時間後と2時間後の2本で今日は終了となるので、2時間後のバスに乗るべく、2つのコースを行くことにした。合計料金1200円はかなり高い。

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まずは近代コースの方から。こちらは機械化された明治以降の展示。坑道も明るく、トロッコが通るなど、近代的な造りとなっていた。坑道を歩いていくとスーッと冷気が走るとことがある。鉱脈は8本あり、その最大のものが『道遊の割戸』と呼ばれている。ここでは平成元年まで採掘が行われていたようだ。

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取り敢えず一気に歩いていくと坑道を直ぐに抜けてしまい、明るいところへ出た。ここには当時使われていた機械などが展示されていた。案内を見ると、ここから少し登ると、道遊の割戸が実際にあるというので、上ってみた。確かに岩が大きく割れているが、ここに金が埋まっていた、という実感は沸かない。小さな神社が祭られており、そこに微かに貴重な物、という認識を生み出せる。そしてまた小さな坑道を抜けると、土産物店があり、近代は終了した。

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次に一気に江戸コースへ向かう。こちらは坑道も狭く、暗い感じだが、所々にライトアップされた人形が浮かび上がり、その作業状況が見て取れ、その大変さがよく理解できる。この採掘作業はどう見てもかなりの重労働。確か佐渡送りになった犯罪者が労働者として使われたと聞いていたが、実際にはその数は少なく、各地から仕事を求めてきた人々が作業に当たったらしい。こちらも一気に通過してしまい、2つのコースを1時間で見てしまった。

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ちょうどバスが来たので乗り込んだが、これで帰ってしまっては如何にも面白くない。1つ目のバス停付近は佐渡奉行所などがあるようだったので、そこで降りてみる。また1時間後にバスに乗ればよい、そんな気分だった。だが、この付近は皆後から作られた観光用施設で面白みは薄かった。バスは来ない。仕方なく、小道を歩いてみた。するとちょうどトレールをしている一団とぶつかった。今日、明日は佐渡で大きなトレール大会があるようだ。

 

トレール組が来た方に歩いてみる。彼らは長坂という名の海に向かった、眺めの良い下り坂の階段を下りていく。その先には旧家を改造した休み処があった。鐘楼もあった。更に行くと、京町通りという細い道があり、両脇に昔の風情を残す。この相川という場所は佐渡金山の街であり、昔はかなり栄えていたのだろう。古い寺なども見え、その歴史を感じさせる。

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歩いて下り、海沿いに出る。とても疲れていたが、相川の街はとても静かで、お茶を飲むようなところもなかった。陽が西に傾いていく。相川支所というこの街に不釣り合いな役所があり、その横のバス停からバスに乗っていく。佐和田BSまで、ゆっくり戻る。乗客は殆どいなかった。1つ前のバス停で下車して、散歩してみる。落ち着いた街並みがいい。バスチケットについていたクーポンが使えるお菓子屋を探したが、見付からなかった。とても残念。

 

佐和田で

佐和田の宿の近くまで来ると、諏訪神社がある。いい感じの古さだ。その横の商店街では何やらお祭りかイベントが行われていたが、既に夕暮れとなり、片づけも終わろうとしていた。そこへ足を踏み入れると、向こうから携帯を持って話しながら通り過ぎた人がいた。どこかで見た人だな、と思って通り過ぎたが、何とそれは拉致被害者の曾我ひとみさんだったことをあとから思い出す。

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確かに曽我さんは佐渡の人。そして佐渡で拉致され、未だにお母さんは見つかっていない。彼女の人生は激動だったと思うが、今は地元で普通の生活をしているだけ、なのだろう。ある意味では、それはホッとする光景だったが、彼女は誰にも言えない、解決できていない色々な問題を抱えているのかもしれない。しかし一体誰を責めれば良いというのだろうか。

 

相当に疲れた足を宿で休め、夜また外へ出る。大きな道沿いを行くと、来年大型ショッピングセンターの開設を目指して、工事が進んでいた。佐渡もこれから発展していくのだろうか?夕飯は得意のB級グルメを食べたいと思ったが、なかなか見付からない。歩いていると、肉つけうどん、という名前が目に飛び込んできた。これが食べたい、と思い、中へ入る。

 

店内はかなりきれい。店主はなぜか本日の定食を勧めてきたが、それを断り、初志貫徹、肉つけうどんを注文した。店に客は1人しかいなかったが、出てくるのに結構時間がかかる。手間をかけて作っているようだ。出てきた麺はうどんだが、野菜がタップリと乗っており、まるでタンメンのようだった。和中折衷の食べ物ということだろうか。つけ汁はカツオと煮干しでだしを取り、そこに肉みそが入っている。これは一体誰が発明したのだろう。中華と和食の見事なコラボだと思うのだが、中華料理を知らなければ出来ない。中国人は関与していないのだろうか。満腹になって外へ出て、小さなスーパーで飲み物を買い、宿に戻った。

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