ダラダラ佐賀まで茶旅2015(7)広島 厳島神社と大聖院

宮島へ

午前8時前に広島駅へ行く。地下街には広島カープの監督や選手のポスターが貼られている。そういえば、昨日電車が広島駅に近づくと、幼い女の子が急に『カープ、カープ、カープ広島』と歌い出し、マツダスタジアム(旧広島市民球場)が見えてきたのは、何となく懐かしい。今でもこの歌なのかと感慨深いものがあった。名古屋が近づくと、ナゴヤドームが見えてくるのに似ているが、この球場は実に素朴で、場内まで見えてしまう。広島はサッカーのサンフレッチェも強い。駅前には路面電車が停まっており、思わず写真に収める。

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今日はFBで友達になっているロビンさんと待ち合わせ。会うのは初めてだが、お茶好きということは分かっているので、折角広島に来たのだからと、コンタクトしてみたところ、快諾してくれた。更に彼は色々な案を提示してくれたが、最終的には宮島へ行くことになった。実は当初の予定では、原爆ドームにも宮島にも行けない可能性があり、広島初めての私としては、ちょっと残念に思っていたのだが、ちゃんと神様は願いを叶えてくれた。素晴らしい。

 

日曜日の朝の広島駅、人は少ない。ロビンさんと難なく落ち合い、昨日ひと悶着あったJRの改札を抜けて、そのままホームへ。ここから宮島口駅まで約30分、山陽本線に揺られていく。その車内でお互いの人となりを確認していくのが面白い。ロビンさんは勤め人だが、台湾茶が大好きで、台湾にもよく行っており、かなり詳しい。出身は松江で、毎朝抹茶を自分で立てて飲むのだそうだ。松江にも今度是非行って、その茶文化に触れてみたいと思う。

 

宮島口に着くと、駅から外へ出て、歩いてフェリー乗り場に向かう。JRの連絡船を待つ人がちらほら。今日は日曜だが、まだ時間が早く、お客は多くない。宮島観光はこんな物かと思っていたがそうではない。もう少し経つとドッと観光客が押し寄せてくるらしい。フェリーはかなり立派な造りだったが、僅か10分で宮島へ着いてしまう。『宮島って、島だったですね』などと私は無邪気なことを言って、ロビンさんを呆れさせる。今日も天気は快晴で、船上からも厳島神社の鳥居が見られたが、海に半分以上沈んでいた。

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フェリーを下りて改札を通る。昨日広島駅でおじさんが『広島エリア内はどこでもスイカが使える』と言っていたので、スイカで出ようとしたが、またもはねられた。職員によれば『JRではあるがフェリーでスイカは使えない』という。またもやローカルルールか。因みにロビンさんが持っていたローカルカードはちゃんと使えた。どうなっているんですか、JRさん??

 

厳島神社といえば、何となく平清盛を思い出す。その像がちゃんと水辺に置かれていた。西海を稼ぎの場としていた平家の海の守り神。何とも鮮やかな空が広がっている。日本三景の1つ、安芸の宮島、実は松島も天橋立もちゃんと行ったことはないので、この歳にして初めて三景を訪れたことになる。参道をいくが、まだ店も開いていない。ゆっくり歩ける。混雑を避けた時間設定をしてくれたロビンさんに感謝だ。

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世界遺産、厳島神社は艶やかな社殿が水に覆われている。なぜここまで海に面しているのだろうか。ドイツ人観光客が盛んにシャッターを切る。五重塔も視野に入れ、これぞ日本の風景、といった顔をしている。混雑時には社殿を巡る回廊は一方通行らしく、単に歩いて参観し、外へ出る。今なら逆走しても文句は出なさそうだが。行きつ戻りつして、伽藍を眺めているフランス人もいる。外では海に沈む、いや浮かぶ鳥居を撮ろうと、皆が列をなしている。引き潮だと鳥居まで歩いて行けるのだろうか。清盛はここに一体何を見て、このような竜宮城のような物を作ったのか。それは単なる夢だったのだろうか。珍しく歴史上の人物に思いを馳せてしまう。

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まだ時間が早かったので、ロビンさんは神社の後ろ側の坂道を登り始めた。普通の家が並んでいる。少し行くと、如何にも日本的な、鮮やかな樹木が生い茂る空間に出る。ここに山門がある。真言宗の名刹、大聖院、の階段を登る。これは意外と急でかなりきつい。一体何段あるのだろうか。ようやく上に登ると、神社の屋根に隠れるように海が微かに見える。

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ここで空海が修行して寺を開いたというが、当時は絶景であったかもしれない。十一面観音菩薩をはじめ、見事な仏像も豊富に安置されている。何となく心が安らぐ。これはただの寺院ではあるまい。明治天皇も行幸、ここに宿泊された。2006年の開祖1200年祭の折には、ダライラマもここへきて弥勒菩薩の開眼法要を行ったとある。相当の格式を持っている。

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外にも沢山の仏像が置かれている。全部をお参りするのにはかなりの時間がかかる。仏像に見とれている台湾人夫婦がいた。観光客は厳島神社には行くが、ここまで登ってくる人は多くないかもしれない。木々を眺め、仏像の1つ1つ丁寧に見入る。観光資源として、活用されていないなら、かなり勿体無い話だと思う。特に天気が良かったので、爽快感がある。

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階段を下りて山門を出ると、ハイキングコースの表示がある。ここから歩いて弥山の山頂を目指す人々がいる。ロープウエイもあるようだが、折角なら歩いて登りたい。私ももし時間があれば、是非一度ハイキングしてみたい。宮島観光は厳島神社だけではない。いい資源を持っている。そして下に降りて、古い街並みを歩く。土産物にはあまり興味はなかったが、もみじ饅頭にはちょっと惹かれる。ようやく10時を過ぎてきて、観光客の数が増えてきた。

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