ミャンマー紀行2005(19)ヤンゴンで疲れをいやす

9.ヤンゴン2

(1)空港

飛行機から降りると荷物が気になった。考えてみれば荷物を預ける習慣がなかったので何と帰国のエアーチケットなど大切なものを入れたままにしてしまったのだ。もしこれがなくなれば、香港に戻れなくなってしまう。しかも毎回御馴染み、国内線の荷物は乱暴に扱われた上、放り出されると同時に皆が群がる。荷物運びを雇って運ばせるので、間違いも当然起こる。果たして大丈夫か?SSは懸命に交渉して、運び人を捕まえた。しかし私の荷物は認識できずに放置されていた。何とか自分で運び出す。

 

外ではTTMが本当に心配そうに待っていた。出て来ると荷物を奪うように持ち去り、車へ向かう。後から誰かが着いてくる。誰だ?車に乗り込むと皆乗ってくる。私が前に座ると後ろに4人。TTM、SSとTTMの妹が2人だそうだ。何で来たんだ?後ろでは実に賑やかに話が弾んでいた。意味は全く分からないが、SSに旅の話をさせている。時々大声で笑っているのは失敗談だろうか?兎に角狭い車内で恐ろしくけたたましい。今日はこれからどうなるのだろうか?ちょっと不安になる。

 

ところが少し行くと2人は降りてしまう。『さようなら』だけが日本語であった。どうなっているのか?後で聞けば、初めて親以外と旅行したSSのことを心配したのと、その旅行の相手を見に来たらしい。要するに私に会いに来たのであった。それならそうと言ってくれれば?

 

(2)昼食

長い旅からようやく戻った。TTM家は既に私には自宅に思えた。ましてや初の大役を果たしたSSにとっては夢にまで見たスイートホームであっただろう。見るとSSは伸びをしたり、笑顔になったり。いくら強心臓の彼女でも今回は堪えただろう。よく頑張ったと言ってやりたい。

 

2階に上がり、ベッドに横になる。外は暑いが中は心地よい。心地よい疲れである。下からTTMの声がする。昼飯が出来たようだ。何だか凄く懐かしい気分になる。子供の頃おばあちゃんが食事を知らせてくれた時のことを思い出した。下にはTTMのもう一人の妹(TTMは全部で4人姉妹、今日はこれで全ての妹に会ったことになる)が作ってくれた食事が用意されていた。TTM妹は娘と共にやって来ていた。二人とも顔にしっかりとタナカを塗っていた。何となくユーモラスで可愛らしい。

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SSは一人貪るように食べていた。空腹と安堵感から食欲が出たようだ。またどうやらシャン州の料理は彼女には味が薄すぎ、食欲も沸かなかったらしい。私が食べてみると逆に、この料理の方が味が濃く感じられる。スープも濃い。これはこれで温かみがあって美味しいのだが、日本人的にはシャン料理の方が口に合う。

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しかし何より丸テーブルで開放感一杯に食べる食事は美味しい。私は今回の旅でミャンマー旅行の辛さを初めて味わった。充電が満足に出来ず、昼飯の時も充電しているデジカメを常に気にしていた。1日10時間も車に揺られ、そして熱いシャワーを探すのにも苦労した。そんなことを思い出すと、意味もなく泣けてくるのである。

 

熱いミャンマー茶を飲みながら、午後は休息に当てようかなどと甘い考えを起し始めた頃、TTMが『長い旅で疲れたでしょう。マッサージへ行きましょう』と誘う。疲れた体にマッサージ、何と心地よい響き。是非!!でもヤンゴンにそんな快適なマッサージがあるのだろうか。

 

(3)マッサージ店とネットカフェ

それはビルの2階にあった。韓国人が経営しているというその店の前にはハングル語で体のツボが書かれている。一見ヘアーサロンのようでもある。中に入ると水槽に金魚が飼われている。このあたりは中国系の風水のようにも見える。何とも不思議な空間に来てしまった。

 

中はやはりヘアーサロンを改造、というより髪の手入れも出来るサロンであった。主に女性が利用するようになっている。ここも昼間は電気を節約して消しているがそれが返って落ち着きを出している。簡易ベッドに横になると女性がマッサージを始める。横ではTTMもマッサージを受けている。彼女は当初日本人のお客さんを連れてきただけだったが、その内マッサージの気持ちよさに目覚めてしまったという。

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涼しい部屋の中で、40分ほど首から全身を揉み解してもらった。体が軽く感じられる。マッサージ師はミャンマー人だが、誰が教えたのか、皆それなりに訓練を受けているようで、かなり上手い。娯楽の少ないヤンゴンでは、観光や仕事で訪れた人には実に有り難い場所である。

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TTMによると日本人の出張者で時間が出来ると常にここに来る人がいるという。何しろ1回のマッサージが8000k。日本なら10分、1000円が相場だから、40分800円ならかなり安いわけだ。脚マッサージも受けられる。しかもヤンゴンの喧騒の中、これほど静かで、クーラーが効いている場所は少ない。貴重である。このビジネスは伸びそうだ。次回もまた来よう。

 

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