ミャンマー紀行2005(14)メイミョウの朝

街外れの方に歩いて行くと、日本的に言えば長屋と思われる建物がいくつか見える。ミャンマーでも長屋生活があるのだろう。きっと昔の日本のような助け合う生活が繰り広げられているのだろう。ヤンゴンでもTTMの場合は、十分に昔の長屋のおかみさんをやっていたのだから。工場がある。TAMの友人はずかずかと入っていく。ここは一体なんだ?大きな壷が沢山置かれている。隣の工場内には入ると女性たちが何かを選り分けている。見ると大きな梅の実である。ということはあの壷の中は、梅干?チャウメイのウメは梅だったの?

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聞けば、この工場はチャウメイ一の生産量を誇り、全ミャンマーに出荷している。更には半完成品の状態で日本にも輸出されていると言う。半完成品を輸出するというのは関税の関係だろうか。そうか、日本の梅干は実はこんなところから来ていたのか。壷の列を前にて暫し考え込む。ミャンマーと日本の関係は途切れているようで、実は色々とあるものである。

 

夕陽が工場に映える。きれいな陽である。しかしこの強烈な西日が我々にチャウメイを離れるようにと告げている。本当に名残惜しいが車に乗り込む。TAMの友人のお陰で短時間に色々と見ることが出来た。感謝してもし切れない。と同時に突然の訪問にも拘らずきっちりと対処してくれたTAMには脱帽である。次回は最低1泊してじっくりとこの街を眺め、あわよくばバロン族の住む山中に分け入り、茶園と茶作りを見てみたいと思う。

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7.メイミョウ

(1)夕飯

それから2時間半、またもや車に揺られる。昨日来た道をひたすら戻るのみである。そして坂道を登る。既に夜の闇である。ようやくホテルに入る。前回TAM、SSと3人で来た時と同じ場所である。SSは早々にK氏宅に電話を入れている。K夫人がやってくるという。確かに我々は夕飯を食べていない。この街で夜8時というのはかなり遅い時間の範疇に入るらしい。そういえば前回街で食事をした後、馬車でホテルに戻った時に闇が暗かったこと。シャーロックホームズのドラマを思い出した。

 

K夫人が知り合いのレストランに連れて行くという。到着するとTAMは運転手とどこかへ消えてしまう。日本語の出来ない彼女にとって、日本語の会話の場所は遠慮するらしい。レストランは中華系の割には油が少なく、あっさりして美味しかった。日本人で年配のK氏に合わせたあっさりした料理をお願いしているからだそうだ。確かに普通のミャンマー料理、カレーなどを食べると油がかなり浮いていることがある。私はTAMやTTMの配慮で油の多い料理を食べることはあまりない。生活していく上では非常に重要なことであろう。

 

薄暗いレストランで夕食を取り、話をしていたが、TAMがなかなか現れない。最初は気を利かせたのかと思っていたが、どうも遅すぎる。やっと帰ってきた時には大分時間が過ぎていた。暗くて迷ったと言う。確かによく知らない街で夜間車を運転するのはかなり太変なことであろう。それに私も疲れた、を連発しているが、一番疲れているのは勿論運転手だろう。ホテルに戻ってゆっくりデジカメの充電して、深い眠りに着く。

 

1月19日(水)

(2)朝の散歩

翌朝は気分良く起きる。朝5時過ぎか。さすがに早過ぎると思ったが、体はもう起き上がっている。昨日も車に一日揺られ続けたが、ここメイミョウの涼しさが眠りを深いものにしたようだ。少し明るくなっていたので外に出て見る。高原の朝は実に爽やか。恐る恐るではあるが、道を下って行く。やがて高原の道から畑の道へ。そして小高い丘へ。朝日が昇る方向に一本道が続く。どこかの犬が私を導く。不思議な雰囲気の中で、丘に登ると神々しい朝日が一筋の光明のように光を放つ。

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ただただ見とれる。ジーっと立ち竦む。犬は横で寝転んで尻尾を振る。永遠に時が止まりそうな朝であった。直ぐ下にメイミョウの街が見えている。来た道を振り返ると、日の出とともに農民が鍬や鋤を担いで、農地に赴く。まさに原始的な風景である。彼らとすれ違い、そして彼らが来た方へ行く。小さな村がある。決して豊かとは言えないが、静かな暮らしがそこにある。彼らの営みは我々が今本当に必要としているものにも思われるが、それは。

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帰りに大きな庭を有するホテルを見学する。前回も気になっていたが、今回は一人なので思い切って広い庭に踏み込んでみる。1903年に建てられたこのホテルはなかなか雰囲気が良い。如何にも避暑地のコロニアル風ホテルといった趣が心地よい。次回はここに泊めて貰いたい。

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ホテルに戻るとTAMとSSが朝食を食べていた。もうそんな時間か?パンと目玉焼き。前に買ったアボガドをTAMが切っていた。ゆったりした朝食である。しかしこの時点で私達は重要な決断をしていた。それは今日の、いや今後の日程を全面的に変更すること。既に疲れ果てていた私にはこれから8時間掛けてガローまで行く元気はない。ガローでは2年前にお会いしたウラミットさんが待っていることを知りながら、どうしても車に揺られる気力が出ない。

 

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