ミャンマー紀行2005(5)ビンダヤ 夕食と朝市

(4)ビンダヤの夕食

山を下りると辺りが暗くなっている。過去2回はビンダヤには来たが、泊ったことはなかった。1回目はインレー湖から来て、マーケットを見てから、山に入りお茶の木を見て、ガロウに泊った。2回目は山の中で食べるお茶、ラペトゥ作りを見学し、夕方タウンジーに行ってしまった。夜になるとこの小さな街の人通りは全くなくなり、かなり寂しい。ホテルに荷物を置いて、シャワーを浴びる。何とかお湯が出て嬉しい。さすがに山登りは疲れた。心地よくベッドに体を沈める。ほの暗い電灯は眠りを誘う。

 

下に集合して夕食へ。ホテルの向かいにある中華食堂だ。この『正来食堂』は地球の歩き方にも載っている。さすがに客は誰もいない。かなり暗い中でメニューを見るが良く見えない。が、TAMは見えるようだ、何品か注文するといきなり持ち込んできた弁当箱を開ける。中に干し肉と挽肉のようなものが入っていた。

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食べてみると味が滲みこんでいて美味い。一つは肉と思ったが、フルーツのサラダであった。もう一つは干し肉。疲れた体には実に心地よい味だ。フルーツはしゃきしゃきしている。驚いたことにこれを作ったのは、さっき我々の道案内をしてくれた男性だという。実は彼はプロのトレッキングガイドだったのだ。

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今日のような短い旅では不要であるが、数日山の中を歩く過程では、当然自分で食事を作る。更に非常食として今食べているような物を持参する。かの食べ物はガイドとしての彼のプロの技なのである。何だか分からないが感動してしまった。

 

そして中華料理。肉団子と野菜のスープは塩気が十分に効いていて疲れた体には、美味い。空心菜炒めも新鮮。チャーハンも昔風(地球の歩き方のお勧め)。鶏肉も地鶏を使っているのか、歯ごたえが良い。腹が減っていたこともあるが、恐ろしいほど沢山食べてしまった。食後にミャンマー茶を飲んでご機嫌になる。

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この店の子供達は皆店を手伝っている。中国系の家族経営がここに生きている。高校生ぐらいの長男は鍋に向かい、中学生ぐらいの次男と三男はテーブルを拭いたり、皿を洗ったり。夜遅く来た珍客にもめげず、明日の為に働く姿が素晴らしい。感動的。ホテルに戻ると何も考えずにベットに入り、ぐっすり寝る。明日は朝が早い。

 

1月17日(月)

(5)朝市

翌朝は5時過ぎに起きた。さすがにまだ辺りは暗かったが、何となく騒々しい。既に5日に一度のマーケットのために多くの少数民族が山を下りてきていた。ホテルの前にはトラックもやって来た。大きな荷物を抱えた女性が何事もないように歩いて行く。すると湖の向こう側が明るくなり出した。朝日が湖面を捕らえる。実に美しい光景だ。少数民族の人々も一瞬湖面を眺める。そして忙しそうに市場へ向かう。お寝坊のSSも起き出して来たので、市場へ出向く。といっても隣なのだが。

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このマーケットは思い出深い。初めて訪れた際、TAMから揚げ出し豆腐と白玉を食べさせてもらった。きれいとは言い難い市場で物を食べることは中国で鍛えてきた私としても抵抗があった。ほんの申し訳程度に一口口に入れてその美味しさに驚き、全部食べてしまったのである。昼食はこの2品であった。

 

今回もあの豆腐を食べたい、TAMは早速探してくれたが、朝が早くまだ出来ていないらしい。薄暗い中を歩き回るとやっと1軒作っている店があった。早々に食べる。美味しいが、少し油っぽい。ビニールに入れてもらい持ち歩きながら熱々をほお張る。昨日山の中で食べた天然煎餅も売っている。まだまだこの市には昔の日本の食べ物を売っているに違いない。

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TAMが1軒の店を指す。屋台と違ってちゃんとした店構えである。ここが昨夜食事をした正来食堂のオーナーが始めた店であった。1954年創業、彼はここから身を起こして今ではビンダヤの茶など商品を大きく扱っている。昨夜一生懸命働いていたのは、息子達であろう。成功した家庭であるが、気を抜いていない。さすが華人。雑貨や食料品が所狭しと並んでいる。

 

市場からいったん外へ出ると朝日が神々しい。湖面に映える朝日はまるでこの世のものとは思えない輝きがある。市場の場外でも皆が店開きをしている。山から下りてきた少数民族の人々が野菜を並べている。子供も連れて来ている。眠たそうな子供に哺乳瓶(いやペットボトル??)を持たせている。朝は少し寒いので毛糸の帽子を被っている。もしかするとかなり厳しい生活をしているのかもしれないが、お兄ちゃんと二人、並んで市場が開くのを待つ光景も実に和む。

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