ミャンマー紀行2005(2)ヤンゴンに住むということ

(3)Kさんの話

事務所(宿)に歩いて戻る。事務所の部屋でお茶を飲む。ミャンマー茶である。暖かいお茶を飲むとホッとする。この感覚は以前なかったものである。TTMがフルーツを出してくれる。ヤンゴン郊外の実家で取れたグレープフルーツのような果物。これが甘くて美味しい。色は鮮やかな赤。身が締まっている。何という名前だろうか、どんどん口に入ってしまう。

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SSはメールチェックに励む。これは仕事である。Kさんも隣人であるからこちらにジョインしている。Kさんは意外なことにミャンマー人にフラワーアレンジメントを教えている。私はてっきり日本人の駐在婦人向けだと思っていたが、ミャンマー人で習う人がいたとは、ちょっと驚きだ。お父様がミャンマーと繋がりがあり、その関係でいつの間にか、ヤンゴンに来て、住み始めたという。『ご縁です』という言葉が何度も出て来たのが、実に印象的だ。

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ヤンゴン暮しについては、やはり旅行で来るのとは訳が違うという。好きとか嫌いとかではなく、全く思い通りにならない毎日である。1つのことをするのにものすごい労力と時間が掛かる。普通の日本人には耐えられないことも多い。彼女の話を聞いていると昔の中国を思い出す。こちらが好きかどうかは関係ない。しかし本当に情熱がないと何事も進まない。そんな国があるのである。

 

ミャンマーに関して書かれた日本語の本も沢山読んだという。だが真実を伝えるものは少ない。大抵は私みたいに、『兎に角好きになったのでミャンマーは何でも良い』という話か、『アウンサン・スーチーと人権』みたいな話。どちらも一部しか伝えていない。ミャンマー人の親日についても、考えるべきことがある。何故親日なのか??ミャンマー人にも色々な人がいる。損得を考える人も当然いる。親日家との付き合い方もなかなか難しいとKさんは言う。

 

話は尽きない。夜も12時頃になってしまった。今までのミャンマー生活で最も遅い時間まで起きている。風呂に入るために二階に上がる。シャワーから温いお湯がちゃんと出ている。今日はそれで十分。疲れが取れる。ミャンマーで得られるいつもの、深い深い眠りに着く。

 

1月16日(日)

(4)朝の散歩

朝は爽やかに目覚める。窓から朝日が差し込んでいる。6時過ぎだ。階下に降りるとTTMがおはようといいながら、『朝ごはんは?』と聞く。いつもは食べないと答えると、横のSSががっかりした様子。どうやらSSは朝ごはんを外に食べに行きたいらしい。わざわざ早起きして待っていたSS、そう察して散歩を申し出るとTTMは申し訳なさそうにしているが、SSは早く行こうと促す。こちらも散歩は是非したいし、ミャンマーの朝ごはんも食べてみたい。

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外に出ると朝靄が掛っていて何ともいい雰囲気。昨夜行ったセブンアップのある広い道に出る。僧侶が大勢で托鉢に歩いている。後ろの方に小坊主がちょこちょこと付いて行く姿が何とも可愛らしい。しかし彼らの境遇はどうなんだろうかと考えてしまう。裸足で袈裟を着て托鉢の坪を持つ。自分の子供の姿だとしたら???いや、傍から見て可哀想だと思っても当人は案外それほど思っていないかもしれない。

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そんなことを考えていると曲がり角の所に突然『資生堂』の看板が出ている。何でこんな所に??どうやらビューティーサロンらしい。ミャンマーも急速に変わってきている。一部の女性はロンジーを着ずに、タナカでない洋風の化粧を始めた。うーん、ミャンマー、それでいいのか??当然TTMはSSを厳しく躾けており、スカートなどは履かせない、というのだが。

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更に歩いて行くと立派な木造の家がある。最近出来た土産物屋らしい。珈琲も飲める。観光客は増えているのだろうか??昔は西洋人や日本人がお客であったが、今は中国人が主だろうか。その店の近くに病院があった。何気なく見ると日本語が書かれている。SSも初めて見るという。恐らく日本で勉強した医師がいるのであろう。ヤンゴン在住の日本人は100名前後であろう。お客さんはいるのだろうか??むしろ日本帰りを売り物にしているのかもしれない。

 

セインハルヤンという名のレストランに着く。SSは麺と野菜などを混ぜて食べるシャンヌレが美味しいという。頼んでみると非常に麺がシコシコしている。からめる汁もあっさりしていて美味い。別にスープも付いていてこれがまたあっさり味だ。漬物もなかなかいい味を出しており、満足。尚、店では大勢のミャンマー人が朝食を食べていた。以前別の店に行った時も日曜日。やはり子供連れが多かった。皆楽しそうに食べているのがとてもよい。

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