ミャンマー紀行2004(12)メイミョー 雲南から来た製茶技術

茶摘み娘がいる。笠を被りロンジーを着て、靴を穿いていることを除けば、伝統的な雰囲気。なかなか良い。摘んだ葉を青年が丹念にチェックし、かなりの部分は捨てられてしまう。茶摘みの指導が行き届かないのか、茶摘み娘が新人なのか、品質管理はかなり難しいようだ。

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建物に戻ると横に倉庫がある。中に入ると天井がとても高いが、今は使われていない。昔イギリス統治時代に紅茶の栽培をした名残だという。紅茶プランテーション、以前マレーシアのキャメロンハイランドで見たものと殆ど同じであった。イギリスはここでも紅茶を作らせていたのか。

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倉庫の横の事務所でお茶を頂く。最初はミャンマー人が普通に飲む緑茶。次に台湾人と合弁で作った緑茶。このお茶は1998年に台湾人がここまでやって来て技術指導して作ったものだ。ヤンゴンまではちゃんと冷凍して運んだものの、その後船便に載せてしまい、台湾到着前に全て腐ってしまったと言うから凄い。私は結構美味しい味だと思ったが、TTMやSSは美味しくないとはっきり言う。ミャンマー人の味覚が我々とはかなり違うことは鮮明である。

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輸出には懲りて現在はミャンマー国内のみで売っている。1.6kgで2,500k。昨年ビンダヤの茶農家で聞いた値段よりは大分高い。製造コストは機械によりむしろ低くなっているように思うのだが、何が影響しているのだろうか。流通コストを考えればそんなものか?少しお土産に貰った。

 

ノノの家に戻る。そこには彼の父親がいた。40年前に雲南省から移住してきたと言うが、北京語が実に上手い。雰囲気は素朴な農民といった風情である。製茶技術はこの父親が雲南から身に付けて来た。だから伝統的な中国の製茶法で作っていることにようやく納得した。

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尚雲南なら何故プーアール茶を作らないのか、と聞いてみると、『ミャンマー人には合わない』の一言。やはり味覚の問題か、現地で生産するのだから、消費者のニーズに応えるのは当然である。この家のお茶の袋には中国炒茶と書いてあった。素朴な感じが良い。次回父親からここに来るまでの物語を是非聞いてみたい。

 

(6)メイミョーのコーヒーショップ

TTMが是非見せたいものがあるという。余り見るべき所のないメイミョーではあるが、コーヒーショップだと言うから驚きである。何で??到着して分かる。確かにこの街から見れば圧倒的にお洒落なお店が出現した。店の名は『ゴールデントライアングル』。何だか意味深な名前である。

 

店の前はオープンカフェ。綺麗なガラス張りで中の椅子やテーブルもヨーロッパ風。スターバックのようなカウンターでコーヒーや紅茶を注文。凡そミャンマーには似つかわしくない店であるが、ここメイミョーではOKであろう。SSは隣のケーキケースに心を奪われている。確か昨日はダイエットを強調していたのだが。まあ仕方が無い。ここなら食べたくなるだろう。

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デニッシュも本格的で、私も食べたくなってしまう。ミャンマーで美味しいパンが食べられるとは、何とも嬉しい。プリンも絶品。コーヒーもいい香りがする。とても不思議な気分。雰囲気のせいであろうか?コーヒーが400k、プリンが300k、デニッシュ・ケーキが500k。大満足。

 

オーナーはアメリカ人らしい。アメリカにメイミョーのコーヒーを輸出しているともいう。日本に輸出したらどうなるだろうか?ここに住む外国人が増えればこの手の店は必ず必要になる。お金持ちのミャンマー人相手に中国茶の店でも出そうか??台湾式の茶芸館などは結構いけるかも?

 

(7)植物園

メイミョーの国立カンダウジー植物園へも行ってみた。昔からある植物園らしいが、近年日本とシンガポールの資金・技術援助が入り、綺麗になったという。これがまたやけに広い。入り口には電動カートがあり、歩かなくても回れる。しかしこれだけ環境が良く、木々が生い茂る中をカートで回ってもせっかくここまで来た甲斐が無いとばかり、皆で歩いていく。

 

池があり鴨が泳ぐ。花は咲き乱れ、花壇はキチンと綺麗に整理されている。ここには日本の庭園技術が生かされており、シンガポールやマレーシア式のイギリスガーデンスタイルでもある。ミャンマーの自然な様子からするちょっと違和感があるが、妙に落ち着く所でもある。

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平日と言うこともあるのか、人は殆どいない。ミャンマーにはこの時点で観光というものは、殆どないようだった。何とも勿体無い話だが、実に贅沢な気分が味わえた。TTMもSSも楽しそうにはしゃいでいる。写真を撮りまくる。全くの自然の中、美味しい空気を吸い、花を愛でる。心の余裕ができる。ピクニック気分で愉快に遊ぶ。こんな散歩もいいものではないか?

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