ミャンマー紀行2003(2)ヤンゴン トートーマ母子に初めて会う

(2)ヤンゴン市内
案内されて外に出て、車に乗り込む。聞けば、強制両替をしなかった人は初めてだし、こんなに早く出てくることも無く、驚いてしまったようだ。(強制両替とは、外国人個人旅行者に対して、US$200を強制的にミャンマーの外貨兌換券FEC200と両替すること。実際の価値は当然1:1ではないので、両替することは大きく損することを意味する)その後の情報で強制両替は翌週の月曜日より正式に無くなったという。私は何と幸運だったのか、その恩恵をいち早く受けたことになる。

 

既に夜になっていた。空港から一般道に出る。80年代の中国、北京あたりを想定していたので、道はガタガタで暗いと思っていたが、大分違っていた。片道2車線、明るいとはいえないが、街灯も光っている。走っている車は日本車が殆ど。私が乗った車もかなり古いがトヨタのクラウンだった。

 

道の両側には家やレストラン、商店などが見られる。時々漢字の看板などもあり、中国系の存在も確認される。S氏が『先に会社に寄って腹を空かしたのをピックアップします』と言う。てっきり会社の日本人かと思ったが、それがスースー(以下SS)だった。実は空港にはS氏以外にS氏の会社のヤンゴン事務所の女性社員、トートーマさん(以下TTM)が一緒に迎えに来てくれていた。彼女は娘と共にヤンゴン事務所に住み込んでおり、SSがその娘なのである。ヤンゴン事務所は大きな通りから少し入った1軒屋であった。頑丈な門があり、車が着くと門番が開ける。建物は2階建て、2階は二人の住まい、1階は事務所とダイニング。

 

夜も7時半となり、直ぐにレストランへ。SSの好きな火鍋屋『セブンアップ』という店に行く。南国に有りがちなプレハブ、オープンスペースであることを除けば、そこは普通の中華の火鍋屋であるが、席数はかなり多い。味は中華風で、初めてのミャンマー料理が食べられるか緊張していた私はホッとして大いに食べてしまった。SSは海老、蟹が大好物とかでせっせと食べる。SSは20歳の女子大生、食べ盛りといった感じ。鍋の中には鶏肉、しいたけ、空心菜などが入れてある。最後は麺で〆る。何だかタイのコカレストランを思い出す。

ミャンマー2003 090

 

ミャンマービールも飲んでみた。全く冷えていないが、味は悪くない。S氏は冷えたビールを要求したがないようで、氷を加えて飲んでいる。私も倣おうと思ったが、氷は中る危険があるというアジアルールに鑑み、殆ど入れずに飲む。

 

途中から客も従業員の男性たちもテレビに見入っている。よく見ると何とサッカー、しかもイングランドのプレミアリーグである。ビデオ映像とのことであったが、どう見ても今日の開幕戦の試合である。ミャンマーにもタイから衛星放送が入り込み、見られるようになったようだ。ミャンマー人もサッカー好きが多く、テレビが無いレストランは流行らないとのこと。尚従業員は男ばかりで数はやたらと多いが、ちゃんと働いている者はあまり見られない。

 

夕食後、本日から泊まるミンガラガーデンへ。このホテルはS氏のヤンゴン定宿で、僅か1泊FEC20である。どんな宿かと思ったが、高級住宅街にあり、ガーデンというぐらいで広い庭があり、部屋もかなり広い。ボーイ(何故かボーイしかいない?)も皆、とても親切。熱いお湯のシャワーを浴びることも出来て満足。

 

テレビをつけると先程の衛星放送が見られる。丁度2つのチャンネルで、プレミアリーグ2試合が同時に進行している。思えば昨年の開幕戦はペナンのホテルのバーで見た。また北京語チャンネルもあり、何と深田恭子主演の日本のドラマの吹き替えをやっている。ミャンマー語字幕だ。ミャンマーでこんなものが見られるとは、何とも驚きだ。更に窓を開けるとそこには微かにライトアップされた、ヤンゴンを象徴するシェンダゴン・パゴダが見えた。実に申し分の無い宿だった。

 

8月17日(日)

(3)朝食
S氏の指示で朝食をホテルで取らずに、8時に車が迎えに来て出発。ローカルレストランへ向かう。レストランは割りと広く、中華風飲茶、粥、ミャンマー料理など数種類の朝食が食べられる。我々(S氏とTTM、SS)はミャンマーの典型的料理である『モヒンガー』を頂く。

 

『モヒンガー』はぶつぶつに切れた米の麺に魚ベースのどろどろのスープをかけた物。バナナの芯が入っているのが珍しい。香菜の香も良く、予想以上に美味い食べ物である。これで150チャット。更に本日は贅沢をして?ゆで卵をのせており、合計250チャット。ミャンマーに来て初めてのミャンマー料理であり、少々緊張したが、こんな美味しいものが食べられるとは思いも寄らなかった。お替りも食べたかったが、結構ボリュームがあり、断念。

 

もう1つ『ナンジー』という麺と具を混ぜて食べるものにもトライしたが、こちらの味はまあまあ。レストランの客は家族連れが多く、普通の格好をしているように見えたが、皆車で乗り付けてくる上流階級のお金持ちとのことで、中には大型の携帯電話を持っている人もいた。因みにミャンマーで携帯を使用するには電話機を含めて1台US$5,000もするとのことで、先進国ではとても信じられない値段であった。これが持てる人は途轍もない金持ちだと言う証明になっている。しかしそんなに電話す相手がいるのだろうか?本日は日曜日で多くの人々が食事をしていたが、香港のような煩さが無く、時間もゆっくり流れていて良い。

 

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