《雲南お茶散歩2013》(4)大理 下関茶廠

下関茶廠

下関茶廠の敷地は広かった。博物館のような展示場へ案内される。ここは1902年に設立された由緒正しい茶工場。雲南省の茶馬古道(茶葉の集積地)が思芽(現在の普洱市)から、ここ下関に移ったことにより作られた工場だという。沱茶の生産が有名だが、その理由は『大理は風の街、風の影響で水分が早く飛び、独特の風味が出るから』と副総経理の猪さんから説明を受ける。

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国営工場時代は沱茶が中心。またチベット向け磚茶も政府の指示で作られる。パンチェンラマへ寄進するために作られたという班禅茶の生産も行われていた。2005年の完全民営化後、現在は沱茶と餅茶が半々。売れる物を作り、利益を上げること、それが株主への還元だ、という。当然のことを言われているのだが、何だかちょっと残念な気分。

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陳総経理も加わり、お茶を頂く。予想以上に飲みやすいお茶である。午後の風に吹かれながら戸外で飲むお茶、素晴らしい。陳さん、猪さん、共に安徽農業大学の出身でお茶の専門家。儲け第一主義に対して、どんな考えを持っているのだろうか。

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工場も見学した。お椀型の沱茶の製造工程を見るのは初めてだったが、基本はプーアール茶。蒸す工程の湯気が濛々と上がる中、手早く型を取る。広い工場内ではいまだに磚茶も作られていた。『政府の指示』は今も生きているらしい。

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大宴会

そのまま夕暮れの工場を後にして湖のほとりへ。雰囲気が実にいい。ここのレストランで宴会が開かれた。少数民族、白族の衣装を着た若い女性が出迎える。27年前、大理では街のあちこちでこの衣装を着た人々を見かけたものだが、いまではこのような観光客も来る場所でしか、お目に掛かれない。それが最大の変化かもしれない。

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ここの料理はおいしかった、と思ったのは最初だけ。何と中国式の大宴会が始まってしまい、料理を味わうどこではなかった。先方は陳さん、猪さんに加えて、女性2名、男性1名、当方は陳さんと私だけ。陳さんは最初だけ適当に乾杯して、何とあとは私に任せたという。普段は酒を飲まない私だが、ここは陳さんのお役に立ち、かつ先方の意にも応えるべく、しこたま飲んだ。こんなに飲んだのは何年ぶりだろうか。

 

結局白酒を4本ぐらい飲んだらしい。帰りはフラフラだった。夜風が心地よかったが、ホテルの部屋でバッタリ倒れ込む。翌朝陳さんが『昨日は助かったよ、みんなも日本人が飲んでくれたんで面子も立った』と言ってくれた。中国の地方では未だに『お茶よりお酒』なのである。

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