フラフラと沖縄2015(4)久高 神の島を一人旅

4月23日(木)

一人で島めぐり

合宿に途中参加したため、殆ど何もしないうちに、最終日となる。朝から瞑想、アーサナ、プラナヤーマ、いい感じで1日の始まりを迎えた。どうして日常的にこれができないのか、1日は24時間しかないという事実、そして年々下がる作業効率、どうしても落ち着いて目を瞑ることが出来なくなっている。ましてや会社に行っている人には無理だろう。しかしそれでよいのだろうか。人間関係が益々ぎすぎすしている日本、皆が朝ゆっくり目を瞑ってから外へ出れば、少しは落ち着いた雰囲気が出るような気もする。ミャンマーなどでお寺に行ってゆったり座る、ということの重要性が分かってくる。でもできない。

 

午前10時まで講義があり、皆さんそのままフェリーで帰る。何ともいい天気で海が眩しい。20人以上が一度にいなくなると急に寂しくなる。A師夫妻など残ったメンバーは数人。港近くの店でアイスクリンなるアイスを食べる。何だろう、これ。お客さんは殆どいないが、経営は成り立つのだろうか。余計なことを考えた。

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昼になり、何となく交流館が用意してくれたお弁当を食べる。このお弁当、毎回実にうまいので楽しみ。しかし昨年まで大きな葉っぱに包まれていたのが、今回は発泡スチロールの容器に変わっている。葉っぱを大量に使うのは良くないという、自然資源保護のためらしい。でも発泡スチロールを使うのはどうなんだろうか。よくわからない。

 

午後念願の?一人旅に出る。他の皆さんは自転車などで夕方回るということで、一人とトボトボと歩き出す。畑の脇にバケツのようなものがある。『水が欲しい時はフタを開けておいてください』とあるから、定期的に水が供給されるのだろう。島には水が豊富にあるわけではないだろうから、共同体のように水を管理しているのかもしれない。皆で歩いているとこんなことにも気が付かない。

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タチ浜というところで、誰もいないきれいな浜辺を見る。水も透き通っている。続いてシマーシ浜では、自然の岩に祈りが込められている場所を見た。何というのだろうか。ウパーマ浜は道から浜までプチジャングルを抜けていく。そして浜に出るとごつごつした岩が沢山。それから真っ直ぐな土の道が続く。まるで映画のセットのようだ。それにしても暑い!

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歩くこと30分、ついにこの島の一番端、カベール岬へやってきた。暑い日差しの中、果てに来たという感じが実に心地よい。何故か車が一台停まっているが人影は見えない。火曜サスペンスドラマなら、確実に事件が起こる場所。ここはこれまで見てきた浜とは明らかに違う。浜に降りるのも岩をつたい、ちょっと大変。

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浜と言っても海に入るようにはなっていない。少し歩くと気持ちよさそうな岩陰があり、そこに腰を下ろす。横には誰かのサンダルとバッグが置かれている。これがさっきの車の人のモノだろうか。とすればこの人は海に入っているのだろうか。全く分からない。涼やかな風がスーッと吹き抜ける。日差しも岩で遮られ、暑さも感じられない。そして・・・?それから20分ぐらい、記憶がない。なぜだろうか?きっとただじっと海を眺めていたのだろうが、その意識がない。波の音も聞こえなかったし、何も感じなかった。ヨーガの講義でも出てきたが、ある意味で無の状態が訪れたのだろうか。

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不思議な時間を過ごした。これは神の島だからだろうか。それとも私の心に何か変化が生じたのだろうか。分からない。立ち上がる時も、ここに残りたい、という気持ちが強く出てきた。どうしようか、そんな気持ちを振り切った。何故振り切ったのかも分からない。あの車はまだ停まっていた。車の持ち主はどこへ消えたのだろうか。魚でも採っているのだろうか、それとも?

 

それから来た道と反対側を歩いてみる。アダンの実がなっている。本当に様々な木が自然に生えている。道の脇にはひっそりと隠れるように墓のようなものがあった。昨日のYさんの説明では昔この島の人は墓など作らなかったという。であれば、何らかの理由で他から来た人が作ったことになる。漂流民であろうか。その人生を見てみたい。

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海辺のかなり整備された道に出た。なんだここは?蝶々が舞い、花が咲く。ロマンスロードと呼ばれるこの道、何のために作られたのだろうか。この島には不要のようにも思われるのだが。これも行政の予算の一環だろうか。勿論歩いている人はない。こちら側は崖になっており、浜へ降りるのは大変。景色を眺める場所なのだろう。ぶらぶら歩いているといつの間にか、フボー御嶽にたどり着く。御嶽の前に立っても、横を歩いてみても、やはり何も感じない。岡本太郎はここで爆発したらしいが、私は不発。ヤグルガーという場所を通り、そして墓の沢山ある所を通る。墓は基本的に新しく、何かの規定により作られたものと感じられる。古来この島の人が墓を重視していない様子がよく分かる。

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海ぶどうの養殖をしている建屋を通り過ぎ、港へ出る。ここから船が出て魚を採ってくるらしい。今は寂しい風景だ。そして家々が連なる所を歩く。完全な迷路のようになっているのは、外敵の侵入に備えるためだろうか。石垣が見事だ。何だか歩いていると楽しくなる。人影は殆どない。観光客が自転車で通り過ぎるのみ。

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交流館に戻り、A師他と合流して、夕食へ。何だかやたらに腹が減る。焼きそばが食いたいと思い、注文するが、やっぱりそばも食べたいと追加。なんだこの組み合わせは?麺ばかり食べてどうするんだ。目の前では炭水化物を全くとらないKさんが呆れた顔で見ている。Kさんはガラス工芸作家。製作現場は富山、ということで、バタバタ茶の話などをして過ごす。

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