タイ北部お茶散歩2015(15)アユタヤ散策

アユタヤ散策

午後は車をアレンジしてもらい、X氏のお供をしてアユタヤ観光に出掛けた。私自身何度かアユタヤに来てはいるが、ちゃんと観光したことがなかったので良い機会が訪れたといえる。本来は私がガイドをしなければならないのだが、その役目はOさんと20年来付き合いがあるタイ人の運転手さんに委ねた。

 

まずはウィハーン・プラ・モンコン・ボピットという名前の寺へ行く。ここには高さ17mの大仏が安置されていた。やはり大仏はかなり人気があり、礼拝堂内には多くの人が祈りを捧げ、写真を撮っていた。この大仏、昔ビルマ軍によって破壊され、ラーマ5世によって再建さらた。礼拝堂は60年前ビルマからの支援も受けて作られたという。以前は露座の大仏だったのだろうか。今は黄金に輝いている。

 

 

続いて、ワット・プラ・シー・サンペットへ。アユタヤ王朝の王宮の南側にあった寺院。ビルマ軍に破壊され、いまは3基の仏塔が残るのみ。そこには3人の王が眠っているらしい。かなり日差しが強くなり、その日差しを遮るものもない。隣の王宮跡と一緒に眺めていると『兵どもが夢の跡』を思い出さざるを得ない。そんな雰囲気が漂う。アユタヤは街自体が世界遺産、かなり修復した跡があり、何とか遺跡を保存している状況なのかもしれない。

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更には有名なワット・マハタートへ進む。アユタヤは小さな街、車で回るとすぐに次の観光スポットに行けるのが良い。運転手さんは敬虔な仏教徒のようで、どこでも自ら花を買い、それを供え、深く祈りを捧げている。実はこの観光、彼のためにあるのでは、と思うほど、積極的に動き、花や線香を買い、タンブンしている。我々にも水を買ってくれるなど、甲斐甲斐しい。X氏は水をもらっても、ココナッツジュースに手を出していたが。まあそれほどに喉が渇く。

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この寺には誰もが見るという、木の根に取り込まれた仏像の頭部がある。これはいつ見てもやはり不思議であり、常に見る者の方を向いているように見える。ここには外国人観光客も大勢集まっており、一斉に写真を撮っている。その横にはメインの仏塔があったようだが、100年前に崩れたらしい。周囲の囲いには首のない仏像が並んでおり、ビルマ軍の進攻を想起させる。でもビルマも仏教国ではなかったのか。何故異教徒のような振る舞いをしたのか、よくわからない。一説には破壊された後、ヨーロッパ人が美術品として首を落として持ち帰ったとの話があると聞いた。

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運転手さんがこの寺の裏へ案内してくれた。ここまで来る観光客は少ない。見ると1体だけ、完璧な状態で残っている仏像があった。奇跡の仏像を呼ぶらしい。タイ人はここで皆手を合わせて、熱心に祈っている。実はX氏も敬虔な仏教徒であり、自らの作法に則り、時間を掛けて祈りを捧げる。本当に有難い、得難い物を見る目だ。

 

そしてもう1つ、寺に行ったが全てが運転手さん任せのため、名前は思い出せない。運転手さんはこの寺に一番時間を掛けていた。恐らくは彼が個人的に最も崇拝している所なのだろう。まずは表のお祈りする場所で、線香をあげ、祈る。そして建物の中に入り、そこに座ってまた祈る。外に出ると、学生が民族楽器を奏でていた。これは教育資金を得るための活動のようだった。

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更に裏に回り、そこにある建物の中へ入る。こちらは先ほどの場所とは雰囲気が全然違っている。黄金の仏像の後ろにはヒンズーの神かと思う像が飾られている。反対側にはどう見ても中華系の置物?が多数陳列されており、漢字まで書かれている。どうやらここは華人が寄付をして作った場所ではないか。しかしこの雑多な状況は正直理解できない。外にも祠があり、仏像が穏やかに安置されている。このあたりは観光地ではなく、地元民が祈る場所なのだろう。

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最後にお決まりの場所、ワット・ローカヤースッタへ行く。全長28mの涅槃仏が、野晒しの状態で横たわっている。ただこの像は新しく、1954年に作られたものとある。この広々とした空間に寝そべっているのは、何とも羨ましいことだ。涅槃仏といえば、バンコックのワットポーを思い出すが、こちらは実にシンプル。丸みがないのがちょっと滑稽に見える原因だろうか。子供の頃見た横山光輝のジャイアントロボ、を何となく思い出して、ちょっとおかしかった。

 

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かなり疲れてきた。X氏はまたココナッツジュースを買っている。私も分けてもらった。甘くて美味い。こういう飲み物は普段飲むのではなく、このような場所で疲れをいやすために飲むのだと分かる。テーブルの下に20バーツ札が落ちていた。X氏が拾って律儀に店の人に渡そうとしたが、何やらやり取りが。私が見る限り、この札を落としたのはX氏自身だと思うのだが、どうだろうか。

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『さあ帰ろう』ということで、車は一路バンコックを目指した。途中から高層マンション群が見えてくる。X氏が『バンコックの街は大きい』と言っていたが、中国の核都市に比べればどうだろうか。さしたる渋滞もなく、1時間ちょっとでホテルに着いてしまう。アユタヤって、本当に近いんだな、と思うが、もう1回行こう、とも思わない。これもご縁、果たして次回はあるのだろうか。

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