タイ北部お茶散歩2015(10)ソンテウでメーサイへ

2月19日(木)

ソンテウで山を下りる

朝、散発的な爆竹の音で目覚める。今朝は皆さすがに早起きしている。オーナーのお母さんが来ているせいだろうか。この方、以前聞いたところでは黄埔士官学校を出た中尉さんだったとか。かなりのお歳だろうが、背筋が伸びている。国民党の歴史を知る生き証人だが、今はもう何も話したくはないのだろう。普段は山を下り、平地メーサイで暮らしている。

 

スタッフの女の子たちもチャイナドレス風の上着で着飾り、正月気分で嬉しそうだ。そう正月はやはりウキウキしないといけない。近年日本では正月だから嬉しい、と言った経験がなくなったことを残念に思う。楊さんが湯圓を出してくれた。台湾では正月15日の元宵節に食べるものだったが、ここでは元旦に食べるのか。団子が甘い。オーナー夫妻と記念写真を撮る。

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9時30分発のソンテウで山を下りる予定にしていた。Gさんは昨日借りたバイクに乗っていき、私は歩いてソンテウ乗り場へ向かうつもりだったが、李さんが車で送ってくれる、というので、お言葉に甘える。そして夫妻と別れた。お土産にお茶もらってしまう。申し訳ない。Gさんのバイクも別途返してくれることになる。何とも有難い話だ。

 

ソンテウはビラの前を通るものだとばかり思っていたが、実は違う道を行くため、村の中心へ行かなければならない。新生という名のゲストハウスがあるあたりで待っていれば来る、ということだったのでかなり余裕を持って出たが、何と車がそこへ着くと同時にソンテウもやってきたので驚いた。慌てて荷物を持ち込み、屋根の上へ上げてもらい、乗り込む。60バーツ。出発予定時間より15分も早い。しかもビラの方向へ向かって走っていく。これはどうしたことか、これならビラの前に居ればよかったのに。

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結局ビラの少し先でソンテウは停まり、一人の地元民と荷物を下ろして、また元のところへ戻った。単に時間前に地元の知り合いでも送ったのだろう。田舎はこれがあるから困惑する。慌てるんじゃなかった。9時半に村の中心で数人を乗せ、昨日行った茶畑の方向へ走り出す。ドイツ人の夫婦、フランス人、そして少数民族の母子。中国人に見えた女性(首からキャノンの一眼レフを下げていたので)がいたが、実は韓国人だった。一人でここまで来るとはすごい。

 

行きのチャーターとは違い、定期便なので、途中で交差するソンテウを待ったり、時々人を乗せたり、下ろしたり。野菜を担いだおばあちゃんが乗り込むと皆で手伝ったり。小さい子はどこでも人気者だが、彼は相当の照れ屋。如何にも少数民族、山の子だ。何だか和気藹々で進む。急ぐ旅でもないので、こんなのも悪くない。

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メチャンに着くのに2時間ほどかかった。ソンテウを下りると、すぐにメーサイ行きのロットーが来たが、2人しか乗れないというので、ドイツ人夫婦に譲った。他のメンバーはチェンライ方面のバスに乗り込む。我々もメーサイ行きバスが来て乗ることができた。一昨日と同じバスだ。25バーツでメーサイ郊外まで30分で到着。

 

そこで携帯が突然鳴る。先日チェンマイで会ったEさんから『よかったら家へ来ないか』という意外なお誘い。現在メーサイにいるというと迎えに来てくれるというではないか。これもご縁、今日はGさんに同行して国境を渡り、ミャンマーのタチレクへの日帰りを考えていたが、それは取りやめ、Eさんの話に乗る。それが私の旅だ。

 

5.メーサイ

国境の街で

郊外のバスターミナルから国境行きソンテウが15バーツで出ている。この料金は正直高いが他に行き様がない。すぐに大きなテスコロータスが見える。ここで買い物をしてミャンマーへ行く人も多いのだろうか。国境までは10分もかからない。この国境、2006年にここを通ってチャイントーンまで行ったことが思い出される。帰りのバスが故障して大変だったな。8年ぶりだが建物は変わっていない。ただミャンマー情勢は大いに変化したはずだが。

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まずは昼時なので、食事をすることにしたが、付近は土産物屋ばかりでレストランがない。仕方なく裏へ入ると、お茶を激安で売っている。袋に入っているのでどんなお茶か分からないが、6袋100バーツは信じられない。売り子に中国語で話し掛けるとちゃんと返事がある。買っていくのはミャンマー人らしい。何も買わないのにレストランの場所を教えてもらう。

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ローカルな店であんかけ焼そばを食べる。これが意外に美味い。そしてGさんは国境を通り、ミャンマーへ行ってしまった。思えば彼女は昆明を出て、中国側からミャンマーに入ろうとして拒否されて(ビザを持っていながら)およそ2週間、ついにミャンマーの土を踏んだ。だがその後彼女を悲劇が襲ったようだ。やはり彼女にとってミャンマーは鬼門なのだ。

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お迎えまで

国境の横に道がある。国境は小さな川なのだが、その小川に沿って道があり、アーケードがある。ここにも土産物屋が並ぶ。土産物と言っても民芸品ではない。全て日常生活品。服から食べ物から、皆これを買ってミャンマー側へ運ぶらしい。ビスケットやチョコも1個ずつ売るのではなく、大きな袋に入ったまとめ買い用。タイ人の観光客が珍しそうに眺めている。

 

そのアーケードを抜けると、小さな商店が並び、更に進むと『タイの北限』という表示に出会う。目の前の小川を越えればミャンマーだ。こんな川、すぐにでも越えられる。向こう側で洗濯している人の顔もよく見える。実際地元民は夜陰に紛れて、国境越えをしているかもしれない。この付近がゴールデントライアングルであることからも、昔は良からぬ貿易もあったことだろう。

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