梨山に登る2014(12)台北 小楊の大宴会と陸羽茶芸

大宴会

昼は先日企画された小楊主催、Tさん送別会が決行された。場所は永康街の大来小館。この店はガイドブックでも絶賛されており、3月にFさんと行こうとして、日曜日の夜に2時間待ちと言われた所。特に魯肉飯が美味いと評判で、先日Yさんと友人の日本人シェフは魯肉飯を食べたという。だが小楊は『ここで魯肉飯なんか、食べなくてもいい、他に美味い物が沢山ある』と言い、今日の宴会となった。

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先日突然会ったYさん、日本人としては少しかっ飛んでいる。初対面の小楊に対して知り合いを3人も連れてくると言い出す。しかも3人とも料理人、面白い。店に行くと大きなテーブルが1つ確保され、小楊と奥さんが待っていた。そこへ日本人男性が2人、Yさんの友人だ。Tさんの送別会だが、全く関係ない人が来るのがまた一興。Tさんは小さい息子と二人で現れる。彼らは7月にはニュージーランドへ旅立つ。

 

しかしYさんは来なかった。彼女は携帯を持たず連絡も取れない。小楊が料理を注文し、出てきた頃にようやく登場。日本から来たシェフの彼氏を空港に迎えに行っていたというが、待ち合わせ場所を間違え、随分探したらしい。さすがYさん。

 

料理は基本的にお店に推薦、そして小楊の希望を加味して作られた。サラダ風のもの(台湾のマヨネーズを付ける)、ソーセージ、肉と野菜炒め、揚げた魚、どれもメニューには無さそうなものが並んだ。そして何といってもご飯によく合う。おかずというのは本来ご飯を食べるためにある物だ、ということを感じさせてくれる。

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8人で卓を囲むと料理数もかなりあり、昼から大宴会となる。でも酒は飲まない。これは健康でよい。本当に美味い物は店の看板メニューではない、ということも良く分かる。シェフたちも満足した様子。店は相変わらず混んでおり、食べ終わると早々に退散する。それでも名残惜しいということで、小楊に家へ行き、更にお茶を飲むことに。

 

シェフである日本人男性3人は、小楊の畳の部屋、劇的な空間を見て、喜び、『至極の時間』を味わう。料理を作る者にとって、『何が本物か、何が本当に手の込んだ素晴らしい物か』を感じることは大切なのだろう。お茶の一杯、一杯をじっくり飲み、香りをかぎ、そして話を聞く。良い時間を過ごしたのではなかろうか。

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Tさんとじっくり話すことはできなかったが、不思議な送別会となった。これもまた台湾らしくてよいのかもしれない。次回はニュージーランドで、と行くのだろうか。名残惜しいが分かれる。帰り道、なぜか夕日がきれいだった。思わず写真に収める。

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そしてGHの部屋を移る。本来は今日までしか予約をしておらず、どこか台湾の地方へ行こうと考えていたのだが、結局面倒になり、取りやめた。だがGHは混んでおり、今の部屋は他の予約で埋まっていた。仕方なく2号館へ。ここの場所は悪くないのだが、入口への階段が急激で、疲れる。Hさんからは『50歳以上には勧めない』という言葉を振り切り、突入した。

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6月2日(月)

陸羽茶芸

さすがに疲れてきた。連日出掛け、人に会い、美味しい物を食べる。一見とてもいい生活に見えるが、疲れは溜まってくる。私の旅には休息日が必要だ。その日が今日ではないかと思い、午前中は部屋から出ずに休む。と言っても貧乏性、旅行記などを書き始めた。

 

空模様はさえないが、返って外は暑くない。昼には外へ出て、散歩する。総統府周辺、いい感じだ。台湾銀行本店の建物は重厚だ。25年の昔、若者だった私はこのビルに入るたびに緊張したような気がする。それくらい重みがある。今は使われているのだろうか、平日だが扉は閉まっている。

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今日はまたまたFacebookで見つけた懐かしい人と会う。Aさん、8年ほど前に東京の代々木でお店を開いていた人で(あとで聞くと手伝っていただけ?)、2₋3度そこへ行き、1度は自分のお茶会を開いた。その後そのお店はなくなり、Aさんとの音信も途切れていたが、昨年成田に転居したことを知る。今回偶然台北に居ることを知り、連絡してみると『陸羽茶芸に来て』とメッセージがあり、出掛けた。

 

陸羽茶芸、台湾で茶芸を広めた中心と聞いており、その茶芸コースは厳しいらしい。北京で一緒だったKさんはそこの卒業生で、日本でも有数にお茶淹れが上手いが、ここで習得したものだという。『まずは中国語を覚え、1年間コースに通い、試験に合格する』、簡単なことではなかったという。いい加減な私は『そこまでやらなくても』などとかる口を叩いてしまい、嫌われる。どうも敷居が高く、足を踏み入れたことはなかった。

 

今回初めて行ってみると、そこは天仁銘茶のお店の上?しかも2階は先日も行った喫茶趣が入っている。そうか、ここは天仁だったのか、と分かる。でも確か3階に来てくれと言われていたので、階段を上がる。3階は全く違う雰囲気だった。静かで、何となくピリピリしていた。

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Aさんはここで先生と言われている。実際に教えている訳ではないが、時々茶芸を披露するらしい。私が知っているAさんではなく、白老師なのである。彼女が適当にお茶を持ってきて淹れてくれる。そしてこの8年の空白を埋めるように色々と話し出す。話は尽きない感じで、どんどん広がる。白老師は茶芸で世界を回っていた。私のアジアより遥かに広い空間だった。

 

途中から生徒がやって来て、『お茶を飲んで』と持ってくる。何とこれも試験勉強だというのだ。何種類ものお茶を自分で淹れ、人に勧める。今日は自習ということで、勉強に来た者同士がお茶を淹れあっている。奥の方には日本人もいるようで、日本語も聞こえてきた。なんだ、この空間は。

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3階には茶葉や茶器もふんだんに置かれており、買うことも出来る。一応ここの生徒用なのだろう。値段もリーズナブル。1階のお土産用とはかなり違うので、お茶関係者には3階に上がることを勧める。結構珍しいお茶もあり、またお茶関係の本もあるので、次回はゆっくりここに来よう。Aさんとは日本での再会を約して別れる。

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