神の島久高を再訪して(3)久高島 久高の掟

3.久高島 5月14日(木)昼‐18日(土)昼前

 

天気はいつの間にか快晴になっていた。チケットを買い、これまでのヨーガ合宿で一緒だった皆さんとご挨拶、そしてフェリーに乗り込む。昨年は波が高く、大揺れだったが、今年はそれもなく20分ちょっとで島に着いた。荷物は車で運んでもらい、歩いて交流館へ。昨年も来たのに、道を覚えていない。散歩もしなかったからだろう。

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宿泊先の交流館、特に何も変わっていなかった。A師夫妻は昨日先着しており、早々に昼ごはんに行く。港まで戻り、これまた昨年同様のレストランでチャンプルを食べる。午後には参加者が大体集まり、合宿がスタートした。

 

昨年の久高島 ⇒ http://www.chatabi.net/asiatabi/2620.html

 

ヨーガ合宿

ヨーガ合宿の細かい内容はここに記さない。ただ朝は5時過ぎに起きて、5時半から30分瞑想、6-8時はアーサナ、プラナヤーマ、8-9時はティータイム、9‐12時は講義、12時からランチ、そして休息。14‐16時は講義、それからアーサナ。夕飯の後はまた講義。今回は久高オデッセイと言うドキュメンタリー映画を見る。

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食事は日に2回。島のおばあが作ってくれる。島で食べられている海鮮類や海ぶどう、野菜類などが実に健康的に口に運ばれる。『食事の美味い場所で合宿をする』がA師の考え方。合宿は苦行ではないので、美味しい物を食べて健康的に過ごす、いいやり方だ。この合宿のように朝早く起き、規則正しい生活をし、健康的で美味しい物を食べていれば、ヨーガをやらなくても(すみません)健康になれそうな気分になる。

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因みにこの合宿の参加者は25名程度。男性は少ない。私の部屋は3人で寝ているが、一人は3年前の穂高で一緒だった金融マンM氏、そしてもう一人はインドでも修行してきた若手のHさん。彼は現在宮古島の横にある伊良部島に住んでおり、偶々休みがあってここに来たという。面白い。

 

4泊5日と言ってもあっという間に過ぎてしまう。スケジュールがかなりきつい合宿なので、今回も自分でゆっくりと島を回る時間はなかった。次回は合宿前か、後に一人で散歩してみたい、そんな日程を立てたい。

 

久高島について

この島で脈々と受け継がれてきた伝統。それは『神の島』であるということ。海岸の石ころ1つ、木の枝一本、島から持ち出すことは許されていない。それは神のものだから。島の木も勝手に切ってはいけない。神に許しを請う祈りを捧げた後、必要分だけ切る。だから島に残る原生林。

 

男は海に出て海人となり、神に使えるのは女。12年に一度行われる、島で生まれ育った三十歳以上の既婚女性が神女(神職者)となるための儀礼がイザイホー。ただこの儀式、既に過疎化したこの村には該当者がなく、1978年以来行われていない。600年以上の歴史を持つこの儀式、当然伝統を守るためと称して、該当者が無ければ条件を緩めそうなものだが、『神が決めたことを人間は変えられない』との理由で、変更はなく、12年に一度に当たる今年も『中止』が伝えられている。

 

16日午後には恒例の久高島散歩があった。昨年同様案内人のYさんが登場し、相変わらずのギャグを飛ばす。前回同様島を巡り、御嶽へ。御嶽の字は当て字、本当はうた気、気のある場所であろうという。御嶽には目印となる石以外全く何もないという。我々は入ることが出来ないので確かめようはない。きれいな海辺へも行く。この海、なかなかいい。

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『平等とは何か』を考えた。島では男が15歳になると300坪の土地がもらえる伝統があるが、その土地は10区画に分かれている。台風などの被害を避けるための分散、などとの説明もあったが、一番の理由は『平等な分配』ではなかったろうか。男は海に出るので畑は女の仕事。10か所にも分かれた土地を耕すのは如何にも効率が悪いが、逆に言えば『平等とは効率の悪いもの』と言うことを我々に教えてくれる。力のあるものがいい場所を占拠してしまう世の中、実に原始的な、平等主義がここに見られる。

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因みにこの島では月1度以上、祭事が執り行われており、その時は入ってはいけない場所が存在する。最近はパワースポットなどと言われ、時折観光客がやってくるが、単に島を回っただけでは、都会暮らしの我々には何も感じることはできず、何も見えないだろう、と思う。黙って毎年通う、それが良い。

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