懐かしの安渓を再訪する2014(6)漳州 絶品の麺を食べて

5月7日(火)

4.漳州

乗り合いタクシー

今日は朝から出掛ける。これもご縁だ。実は昨年紹介されていた厦門のお茶屋さん、前回は都合が合わずに会えなかったが、今回は会えることになった。ただ彼女は厦門ではなく、漳州という街に移っており、そこへ来るようにとのことだった。行き方が良く分からないので聞いたところ、乗り合いタクシーの電話番号が送られてきた。中国で偶にある地元民が使うタクシーだった。ホテルの名前を言えば迎えに来てくれるので、とても便利だ。しかも一人35元とバス並みの安さ。

 

乗車20分前に電話を入れるとちゃんとやってきた。前1人、後ろ3人を乗せている。漳州までは1時間以上かかった。渋滞は特になく、意外と遠い。この厦門の衛星都市にも万達集団がビルを建てており、そこで降りるように言われていた。よく聞くとその前に茶市場があるらしい。因みに万達が不動産開発をするとその付近の地価が上がるらしく、地方政府はこの会社の誘致に懸命だとか。

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茶市場で降りるが、まだ時間は早かったので、近くのレストランで腹ごしらえを。粥でも食べるようと思ったが、白粥はなく、広東粥になった。野菜も付けて食べたが、安渓の張さん宅の食事のように美味くはなかった。既に張さん宅が懐かしい。

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翁さん

携帯電話で相手を呼び出す。彼女は直ぐに迎えに来てくれた。翁さん、思った以上に若い女性でビックリ。彼女の知り合いがやっているという店に入り、鉄観音を飲む。この時期、商売はかき入れ時、お客が引っ切り無しに入ってきて試飲して出ていく。『これはなかなか美味いだろう』などと言っていても、正直それほど高級ではなかったりする。そこは商売の駆け引きだ。皆真剣勝負。必ずしも高級なものを求めているとは限らず、基本的に売れる物、割安な物を探しているのだから、我々とは観点が違う。

 

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外は小雨が降っていた。私は折角漳州に来たのだから、天福茶の茶博物館へ行ってみたいと言い出す。だが皆が、『あの博物館はここから60㎞も離れていてバスもあまり通っていない。しかも行っても面白くない』と止めるので断念。やることがない。

 

もう一軒彼女の知り合いの店へ行き、岩茶を飲む。これはなかなかいい味だったが、値段は結構高かった。ここで分かったことは実は翁さんはこの市場で働いているのではなく、ここから更に30㎞も離れた村に住んでいるということ。私の為にわざわざ出てきてくれたのだ。そして昨日まで安渓に行っていたと知ると『じゃあ、お茶はいいわね』と言ってタクシーを探す。

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ルーミエン

午後1時頃だった。腹が減ったなと思っているとタクシーが停まる。『ここの麺は美味しいのよ』と翁さんが小さなレストランに入っていく。店頭に具材が並んでいたが、それを見ただけで『美味そう』と思ってしまう。内臓系の物が並んでいた。

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麺は普通だが、スープはドロッとしており、絶品だった。そこに内臓系あり、練り物あり、根菜類あり、具沢山のスープを飲む感じで頂く。麺は1人前だが、具が物凄い量なので、腹は直ぐにパンパンになる。美味い、ウマイと食っていると、周囲のおじさん、おばさんもそうだろう、美味しいだろう、という顔で眺めていた。この街自慢の麺なのだ。ルーミエン、という名前だけを聞いたが、字も良く分からない。美味ければ字などどうでもよい、という心境だった。

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ここは昔ながらの街並みがかなり残っており、市政府もそこを売り物にすべく、整備しているようだった。古城と銘打って、古い家が並ぶ。昔風の寺もある。車より自転車が走っている。小雨の路地に入ると、そこは別世界。子供の頃に帰ったような雰囲気だ。

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大きな公園があり、その周辺はちょっとおしゃれなカフェなどもあった。今中国では子供から老人まで楽しめる施設が求められている。それが人を呼ぶ一つのモデルになっているようだ。古い茶屋の前には昔ながらの老人が、椅子に座って茶を飲み、話し込んでいる。平和な平日の午後だった。

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バスで戻る

翁さんが『よかったら、うちの村まで来ないか』と誘ってくれた。ここより田舎だという。行ってみたい気はしたが、今日中に厦門に帰れない可能性があった。『泊まればいい』と彼女は言ってくれたが、明日は既にツアーに申し込んでいたので断念した。既にこの街でやることは無くなっていた。

 

帰りはバスで戻ろうと思っていると、目の前にバスが来た。彼女が『それは厦門行きだ!乗って』と言って私をバスに押し込んだ。実に呆気ない別れとなってしまった。彼女には何のお礼もしていない。どうしようか?紹介者にも申し訳ない。だが既にバスは彼女から遠く離れてしまった。

 

バスは来た道を戻っているようだったが、街中をぐるぐる回っているようにも見えた。きっとお客を沢山拾ってから厦門へ行くのだろう。途中から何人もが乗り込んできてほぼ満員になった。厦門へ向かう一本道。途中には台湾の政治家の出身地などの看板が見える。この辺りから台湾へ渡った人々が大勢いただろう、と思う。

 

結局バスに乗ってから2時間以上かけて厦門に着いた。ただ突然ここで降りろと言われ、自分がどこにいるのかも分からなかった。ちょっと歩くと地図の表示があり、何となく歩いて行くとホテルに着くと分かる。相変わらず小雨は降っていたが、まあ仕方がない。濡れて行こう。

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結構歩いてようやくホテルに着いた。正直かなり疲れた。夜遅く少し腹が減ったので、ホテルの横の麵屋で麺を食う。辛い四川風、昼間のルーミエンが懐かしい。あれなら何杯でも食べられるのに、と思いながら寝た。

 

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