ある日の台北日記2024その3(2)ミャンマー街の正月

仕方なく他を当たる。しかし意地でも上海料理にしようということになり、かなり歩いてもう一軒に辿り着く。ここは昨年1度来た所。土曜日の昼でほぼ満席だったが、奇跡的に2人席が空いており、滑り込む。店がきれいで場所も良いのだが、意外と安くてうまい、という穴場だった。

味付けが濃い目のタウナギや菜飯などを食べていると、何となく37年前の上海が蘇る。Bさんと当時それほど接点があった訳でもないが、同じ空気を吸っていた、そして今も同じ空気を吸っていることに、必然性を感じてしまう。当然上海時代の話しに花が咲く。あれから随分と時間が経ったが、今の上海はもう我々の知る場所ではない。

その後カフェに移って更に話を続ける。Bさんは俳優や歌手などをやっているが、なんとラジオパーソナリティーというのもやっている。今度その番組に出て欲しいと言われ、何となく承諾する。ラジオでお話しするなんて、もう10年以上なかったかもしれないので、ちょっと興味が沸く。

4月21日(日)ミャンマー街の新年

タイの正月はソンクラーン、水掛祭りだが、何と台湾でも水掛祭りがあると聞き、興味本位で出掛けてみる。場所は例のミャンマー街。かなりの規模のイベントが開催され、人々が集まっていた。中には北タイから来た華人などもおり、その繋がりが思い起こされる。国民党議員など政治家も来ており、テレビ中継が入っている。やはりここは政治が絡むのだろうか。

開幕イベントの背後の限られたスペースで、子供たちが水掛けに夢中になっている。バンコクなどでは、道を歩いていても無作為に水を掛けられ、バスに乗っていても乗り込んできて水を掛けるので、不愉快極まりない祭りという印象だったが、こちらは可愛らしいものだ。常連のAさんもカフェの椅子に陣取って状況を眺めている。先日のUさんは当然のように来ており、約束無しでもいつの間にか合流する。

それから台湾大学の学生(留学生を含む)が我々に合流した。ミャンマー街という響きに興味を持ったのだろうか。水掛祭りが気になったのだろうか。市場を抜けて昼ご飯を食べに行く。だが行きたかった店は、既に麺が売り切れとなっていた。すぐ近くの店が開いていたので、そこで麺を啜る。

私がお茶の歴史を調べていると告げると、中国から来た留学生がいきなり、自分の知っている茶芸館の話をまくしたててきた。正直私の方が茶の歴史知識はあるはずだが、彼はお構いなく一方的に話を進める。同室だという台湾人は黙りこくって下を向いていた。実に久しぶりにこういう中国人に出会った。私が簡単な質問をすると彼も黙ってしまい、本当に残念だ。日本人留学生は私が北京にいた頃、母親と共に北京にいたらしい。共通の知人が多い。食後は疲れたので、一人帰る。

夕方また外へ出た。日曜日は近所の食堂は閉まっているところが多いので、新規開拓を目指した。横町を入ると鴨という文字が目に入り、吸い込まれた。暑い日だったので鴨肉乾麺を注文したら、乾麺に鴨肉を乗せるのは美味しくないぞ、と店主が行ってきた。別々に注文したら、代金は倍になってしまった。美味しかっいたから許せるとはいえ、何なんだろう、このモヤモヤは。店主は私を日本人と見抜いており、そこがちょっと。

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