関西茶旅2024(4)

話に夢中になって、琵琶湖の夕陽を写真に収めることも出来なかった。既に周辺は真っ暗になっている。さっきスコーンなど美味しいものを一杯食べたのだが、また夕飯を食べようとしている。このホテル内にあるイタリアンが美味しいというので、軽くパスタでもとKさんに連れられて行く。いや、このパスタ、実に本格的で、すぐに完食してしまうほど美味しかった。お客さんも多く、皆さんディナーを楽しんでいる。

チェックインして部屋に入る。実にシンプルだが居心地の良い空間があり、寝心地もよさそうだ。屋上にある大浴場に向かった。一日の疲れを癒すのにふさわしいお風呂だった。まさかこんなに盛り沢山の1日になるとは、Kさんには感謝しかない。

3月15日(金)長浜散歩

翌朝は早く目覚めた。窓から琵琶湖に昇る朝日が見える。何とも素晴らしい光景だった。朝ご飯も宿で食べる。こちらの食事、何とも豪勢で驚く。しかも一品一品の精度が高い。これで琵琶湖を眺めながら、ゆったりと食べられるとは何とも贅沢。多くのお客さんはこれを目当てにここに泊まっているのかもしれない。

外に出ると目の前に竹生島行きフェリー乗り場があり、ちょうど出航直前で人が多くいた。もし時間が許せば行ってみたかったが、取り敢えず今回は琵琶湖畔を散歩する。ちょうど目標物として、大仏が見えている。昨日電車からも見えたので行ってみる。良疇寺という鎌倉時代の執権北条時頼とゆかりのてらにそれはあった。高さ28mは大きい。寺の庭もなかなか良い。

そこから街の方へ北国街道を北上する。天満宮に犬塚があるのはなぜだろうか。ずっと行くと旧長浜港跡まで来る。そこに昨日の慶雲館があったが、今日も閉まっていた。向かいの旧長浜駅舎は見学できたので入ってみる。昨日Kさんから渡された観光カードで入れた。古い駅舎の雰囲気も良かったが、何といってもこの鉄道が、日本で有数に早く敷かれたという歴史に興味が沸く。明治初期この地は極めて重要な場所だった。SLなどの展示もあり、かなり楽しめる内容だった。

フラフラ歩いて行くと、駅前には秀吉と石田三成の像がある。三成もこの付近の出身なのだ。その向こうには秀吉関連の石碑があり、更には加藤清正が建立した豊国神社がある。確かに長浜の歴史は秀吉から始まっているのかもしれない。宿まで歩いて戻る中も、歴史的な場所にいくつも出会い、歴史好きには堪らない長浜であった。

お昼に宿で長浜城学芸員のO先生とお会いした。これもKさんのお計らいで感謝。宿の和食レストランのクオリティーが高く、実に素晴らしい。O先生には長浜とお茶、ということで聞いてみたが、はっきり残るものは少ないようだった。ただ細かくは色々とあり、とても楽しい時間だった。ちょうど再来年の大河ドラマが豊臣小一郎に決まったことで、きっと先生もお忙しくなるだろう。

午後はKさんと長浜城へ。立派なお城だった。琵琶湖畔にもその遺構が残り、秀吉像も建っている。城の中の展示を見ていると、三成だけでなく、脇坂、田中吉政、小堀遠州などの出生地がこの近くであり、秀吉が自らの家臣団をこの地で築き上げた様子が良く分かる。やはり現地で展示を見ることは重要だ。城の上から長浜を眺めると、その地形も良く分かった。

今回はすっかりKさんにお世話になってしまった。最後も駅まで車で送ってもらい、駅横のスーパーで名物『サラダパン』を買った。何とコッペパンの中にたくあんが入っているらしい。これはこの地の発酵文化と何らかの関連があるのだろうか。鮒ずしなどもこの地が有名だ。

長浜に別れを告げて、電車で米原まで行く。そこでこだま号に乗り換えて名古屋まで進む。思ったより乗客が多く、自由席はかなり埋まっていた。そして名古屋のホームでは恒例のきしめんを食べて夕飯とする。今回の旅は長かったが、思わぬ収穫はかなりあった。また再び日本旅に出る日を待とう。

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