シェムリアップで考える2011(2)アンコール王朝の水源

3. シェムリアップ   再会

バンコックエアーのカウンターはかなり混んでいた。国際線も国内線も皆一緒に受け付けていた。これで間に合うのだろうかと思ったが、淡々と待つと、20分後にチェックインできた。飛行機はあっと言う間にシェムリアップに到着。

空港では前回同様アライバルビザを取得。慣れているので直ぐに列を並び、これもまたあっと言う間に取得。イミグレは相変わらずゆっくり進んでいたが、脇の外交官用のゲートを開放してくれ、これまた直ぐに抜けた。

今回は空港で携帯のシムカードも取得。10ドルで十分使えるカードをゲット。何故かおまけのストラップまで付いていた。店員は流暢な英語を話し、外国人に慣れている。日本でもこのようなサービスがあれば便利なんだけど。

外に出ると笑顔でサレンが待っていた。2月以来、10か月ぶりの再会だ。こんなに早く再会するとは正直思っていなかっただけに喜ばしい。彼のトゥクトゥクに乗り込み、市内へ。当然ながらそれほど変わっていない。

今日の宿はクローマーゲストハウス。ここのオーナーNさんとは前回お目に掛かり、そのご縁で泊まることにした。10ドルで広い個室に入れてもらい、お湯のシャワーもある。ネットは共同スペースまでPCを持っていけばフリーで繋がる。快適なネット環境だ。

西バライ湖

サレンが『どこへ行きたいか』と聞く。確かに10か月前に来たばかりだし、特に行くべきところはない。そこで突然思い出したのが、一昨日の晩の飲み会。旅行関係者が多いオフィスの飲み会だから、やはりどうしても話題が旅になる。私が『今度の旅はシェムリアップだ』と告げると、それなら『湖へ行け、そこで鶏を丸ごと焼いているぞ、あれは美味い』という声が掛かった。鶏肉は嫌いではないし、行ってみるか。

行って見るかと言っても、地名など分からない。サレンに話すと多分あそこだ、と納得顔。付いて行くことにする。市内をちょっと外れたあたりに、何だか立派な建物がある。最近出来たというショッピングモールとマンション。しかし人影はなく、店も殆ど空いていない。『韓国人客が時々来るだけ』とサレンも素っ気ない。不動産投資の失敗なのだろうか。

郊外に出た。貯水タンクと思われるタンクに日の丸があった。日本の援助で作られたのだろう。その下には『大正小学校』と漢字で書かれていた。奥に学校があった。ここも日本の援助だろう。本当に日本はカンボジアに多額の援助をしてきた。問題はその援助が一般住民の為になっているのかどうか。

既に日が傾いている。30分ほどで目的地に着いた。大きな湖だ。人工湖だそうだが、説明を読むと11世紀に完成したとある。西バライ、東西8㎞、南北2.2㎞、クメール王国時代に作られている。ここはあのアンコールワットを中心にしたクメール王国の水源だったのだ。壮大だ、当然ながらあれだけの巨大都市を賄う水は多量でなければならない。


   

少し歩いて行くとアキユ寺院という表示があり、見ると崩れ落ちた寺院が現れた。こじんまりしているが、昔はいい感じだったかと思わせる作り。大きな木が往時を偲ばせる。ここは湖を祭るのだろうか。

夕陽が落ちていく。人々は思い思いに眺めている。お店では確かに魚や鳥を串にさし、グルグル回して焼いている。美味しそうだ。5ドルで1羽買って二人で食べる。塩とレモンを付けて食べると本当に美味である。アンコールビールもちょっと飲み、気分が乗ってくる。夜はさぞや賑やかなんだろうと思っていると、何と皆帰り始め、我々は取り残される。夜は真っ暗なのだそうだ。

我々もいそいそと引き上げる。サレンに街の真ん中に送ってもらい、一人で散歩する。外国人が多い一角はどうにも馴染めない。直ぐにGHの方へ戻る。途中に小さな市場があり、その中で麺を売っていたので、食べる。相変わらずこういうものが一番美味いと感じる。

12月18日(日) 散歩

夜は良く眠れた。12月のシェムリアップは爽やかな朝。思わず散歩に出る。この街の中心はそれ程広くはない。日曜日ということもあり、人通りは少ない。近くにコンビニがあった。見るとやはりフリーWifiだ。今やカンボジアには有線ネットはない。後発だけに全てが無線だ。そしてそれがコンビニにあり、若者がPCを持ち込んで使っている。Facebookやゲームを楽しんでいる。

 

欧米人もPCを使っている。日本には逆にこのようなサービスはない。ネットカフェもない。東京を歩く外国人はネット難民になる。それが日本人にはわからない。6イレブンなどと言う名のコンビニもある。日本が浸透している感じがする。

 

朝ごはんはGHの料金に含まれていた。フランスパンにハムを挟んだサンドイッチ。シンプルでよい。GHの前にはベトナムでバンミーと呼ばれるサンドイッチを売っている。美味しそうだ。道路沿いには中国人観光客がバスを待っている。彼らは朝早くから激しく動き回る。いくつ観光したかが、全てだ。

 

 

 

 



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