バングラディシュ・スタディツアー2011(10)空港 奇跡の救出劇

一人旅に出たバックを探す

私はラジョウに手伝ってもらい、バック探しを始める。ベトナムのホーチミンで預けたバックが積み間違いでチッタゴンに届いたのは2日後と聞いていた。だが空港職員に聞いても要領を得ない。仕方なく、到着ロビーの方に押し入る。中に職員がいたが、そんなバックはないと軽く言われるがここで諦めては何もならない。そんなことはない、と言い張り、自らバックを探させてもらう。

倉庫には古そうなバックが山積みされていた。引き取り手のない荷物だった。私のバックもこうなる運命か。到着し時に見たターンテーブルの脇にも沢山荷物があったことを思い出し、そこへ行って見る。すると何のことはない、直ぐにバックバックが見付かった。このバック、パリ、ドバイ経由でやってきたと聞く。一人だけいい旅してきたな。

職員は面倒そうに「一度バングラに入国する手続きを取り、その後引き取れ」と言い、待たされる。それでも20分程度でもう一人の職員が登場し、無事解放される。未だチェックインは始まっていなかった。

バックが戻ったことで気を良くした私は、腹が減る。売店でビスケットと飲み物を見付け、学生達に分ける。両替したバングラタカも殆ど使わなかったことが分かる。ようやく8時過ぎにチェックインが始まり、搭乗客が長い列を作る。チェックインカウンターは沢山あるが空いているのは1つだけ、何だか昔の中国を思い出した。ボーディングパスを手にした。すべて順調だ。ロビーは2階にあり、上がって行くと出国手続きが始まっていない。

イミグレの怪

ここで面白いことが起こる。椅子はイミグレの向こう側にしかなく、イミグレに職員はいないが、ゲートは空いている。バングラ人は数人イミグレゲートを越えて向こう側へ行き、椅子に座る。我々も従う。誰一人止める者もない。こんな経験は初めてだ。


   

かなり待っているとイミグレ職員がやって来た。皆ゲートを戻り、列を作る。やはり滑稽だ。誰かが隠れていたら、どうするんだろうか。勿論この空港を使う便は少なく、人海戦術でも探し出せるとは思うが。イミグレ手続も非常にゆっくり進んでいる。

イミグレを潜ると手荷物検査がある。私が荷物を通すと「日本人か」とオジサンが気さくに声を掛ける。「日本人とは友達だ」と私の肩に手を掛けて話す。これまた不思議な人だ。学生達が次ぐ次通るとその度に日本人は友達だ、と言い、ニコニコしながらチェックする。ボディチェックもある。女性は仕切りのある中で行われる。イスラム的だ。

そして本当に定刻に飛行機はバンコックに向けて飛び出した。私たちのバングラの旅は終わった。



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